藤田さいき イーグル奪取でV争いへ

チーム・協会

【<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>】

大東建託・いい部屋ネットレディス 滝のカントリークラブ(北海道)第2日

 キーワードは復活。藤田さいきが通算9アンダーと好調だ。何より、楽しそうにプレーをする姿が印象に残る。それはそうかもしれない。4番・パー5のイーグルは2オンに成功し、4メートルを鮮やかにカップイン。

 「そういえば…」とひと呼吸おいて、「(イーグルが)最近、多いです。狙えそうないい距離がくるからかなぁ」と説明した。しかし、ちょっと待ってほしい。偶然、そうなったわけではないだろう。これは、すなわち技術力だ。「ここ2、3年、ゴルフが心の底から楽しくなってきた。また、コロナ禍の練習で、まだまだうまくなるかもしれないーと感じたらもっともっと楽しい。ショートゲームを重点で強化をしてきたことが、きっと良かったのでしょう」といい、「相乗効果というのか、すべてのショットが安定した」と満足そうに頷く。

 この日を加え、今シーズンのイーグル数は7。4位タイになった。ただし、特筆すべきは21年の充実ぶり。今年だけで6イーグル奪取である。驚異の進化といわざるをえない。

 「私はイーグルを狙うことに消極的でも、キャディーさんがイケイケなんですよ」と、控えめにサポートの力を漏らすあたりは、さながらベテランの妙だ。そして、背筋をスッと伸ばした。

 「若い選手は、何をやっても楽しそうです。私もそんなことがあった。でも、それから苦しいことがたくさんあり、それを乗り越えたからまた楽しくなってきたのでしょうね」。しみじみと話した。短い言葉だが、気持ちが十分に伝わってくる。

 となれば、せっかく引き寄せた好調の波へ乗らない手はないだろう。ましてや、5月初旬に上田桃子が道筋をつくった、ベテラン勢の優勝がこのところ目立つ。「優勝から遠ざかって、10年。優勝争いはワクワクするものです。その一方で、プレー中にプレッシャーで吐きそうな気持ちになり、緊張することもわかる」と、酸いも甘いも知りつくしていることを示唆した。

 それだけに、「せっかくですからね。残りの2日間、体力をどうカバーするかでしょう。無理せずに休むことが秘けつかなぁ」と。最終18番では、残り135ヤードの第2打を80センチにつけて、楽々とバーディーで締めた。このショットを見ても、もっかの好調がわかろうというものだ。

 現在、トレンドとなった復活Vのムーブメントを、一過性のブームで終わらせないと、ベテランが目の色を変えている。
(中山 亜子)
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