過去のオリンピック/2大会ぶりのメダル獲得を果たした2004年アテネ大会

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 7月23日に開幕する東京オリンピックで3大会ぶりに実施される野球競技。これまで7大会に出場し、熱戦を繰り広げてきた野球日本代表の過去のオリンピックでの戦いを振り返る。第3回は、長嶋茂雄監督のもと、金メダル獲得を目指した2004年のアテネ大会の戦いぶりを紹介する。
※カッコ内の所属は当時

 国民的スターである長嶋監督の就任やNPBトップレベルの選手が集まる編成になったことによって、これまで以上の大きな注目が集まった。日本がアジア予選を3戦全勝でトップ通過した一方で、前回大会金メダルのアメリカはアメリカ大陸予選でまさかの敗退、激戦区からはキューバとカナダが出場した。

 金メダル奪還を目指す中でショッキングなニュースが伝えられたのは、開幕まで半年を切っていた3月のこと。長嶋監督が脳梗塞で倒れ入院することになったのだ。その後、復帰を目指していたが叶わず、中畑清ヘッドコーチが指揮を執ることになった。

 これまでの大会同様、8カ国が1試合総当たりの各7試合を行い、上位4カ国に与えられる決勝トーナメントの枠を争う予選リーグで日本は好発進する。初戦となったイタリア戦で先発・上原浩治(巨人)の好投や中村紀洋(近鉄)、福留孝介(中日)の本塁打で12対0の7回コールド勝ちを決めると、第2戦はオランダに8対3と連勝した。
 さらに第3戦はキューバを相手に、松坂大輔(西武)の8回無失点の好投に、打線も和田一浩(西武)、城島健司(ダイエー)、中村の3本塁打などで6対3と快勝。オリンピックで初めてキューバを倒し、金メダル獲得へ一気に突き進んで行くかと思われたが、その前に立ちはだかったのが1勝2敗と調子が上がりきっていないように思えたオーストラリアだった。

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 決勝トーナメント進出に向けてもう1敗もできない相手に対して、日本は福留が本塁打を放つなどしたが、4対9で敗戦。結局、予選リーグでの黒星はこの1つのみで首位通過を果たすが、準決勝で再び予選リーグ4位のオーストラリアと激突した。
 松坂と後にMLBや阪神でプレーするクリス・オクスプリングの両エースの先発で始まった試合は投手戦になる。日本は序盤にチャンスを逸すると6回表に先制を許す。7回裏には二死一、三塁と同点だけでなく逆転のチャンスを作るが、ここでオーストラリアは阪神で中継ぎとして活躍していたジェフ・ウィリアムスを投入。普段は同僚の藤本敦士(阪神)がサードフライに打ち取られて得点を奪えず。さらに8回と9回もウィリアムスの前にホームが遠かった日本は0対1で敗戦。またも金メダル獲得はならなかった。

 日本最強の布陣で臨むことはできたが、情報の少なかったオーストラリアに2敗を喫したことで、情報収集の重要性もより認識されることになった。
 カナダとの3位決定戦では、和田毅(ダイエー)、黒田博樹(広島)、小林雅英(ロッテ)と繋いで2失点に抑えると、打線も城島の本塁打などで11得点と爆発。金メダルを逃した悔しさは大きく残ったものの、2大会ぶりのメダル獲得を果たした。

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