「コロナ禍のトレーニングで進化」 400mH山内大夢と4×400mR伊東利来也、早稲田から五輪代表【礒監督・山内選手の一問一答】

チーム・協会

【早大競走部から東京五輪代表に内定した山内大夢と伊東利来也(共同)】

山内「一緒に切磋琢磨してきた早稲田の競走部のみんながいてくれたおかげ」

日本陸上連盟 が7月2日に発表した東京オリンピック代表の追加内定選手として、競走部の山内大夢選手(スポーツ科学部4年)と前主将のOB・伊東利来也選手(2021年 同部卒、三菱マテリアル)が選出されました。世界陸上連盟が1日に発表した世界ランキングをもとに選考が行われ、山内選手は男子400メートル障害、伊東選手は男子4×400メートルリレーの代表となりました。すでに男子マラソンで大迫傑選手(2014年 同部卒、ナイキ)が代表に内定しており、2020東京大会代表には競走部から3名・補欠1名が選ばれました。

また、競走部には所属していませんでしたが、陸上では寺田明日香選手(2017年 人間科学部通信教育課程卒)も女子100メートル障害で東京オリンピック代表に内定しました。

2021年6月の陸上日本選手権で力走する山内選手 【共同通信】

「ワセダから世界へ」のスタートラインに立てた

【山内選手の一問一答】

ーー五輪代表に選出されたことについて何を感じましたか。

礒繁雄監督が仰っていた「ワセダから世界へ」というのを入学時より意識して活動してきました。競走部員として東京五輪代表に内定したことで「ワセダから世界へ」のスタートラインに立つことができ、ここからが本当の勝負だと感じています。早稲田大学の学生として、また早稲田大学競走部の代表として東京五輪に挑戦できることを誇りに思います。

ーー競走部で学んだこと、身に付けたことについて、五輪の舞台でどのように活かしたいと思いますか。

競技力向上について多くのことを学んできたのはもちろんですが、トップの競技者を目指す上で必要な「人格」の部分を監督、コーチを始め、先輩方や同期から学んできました。日本代表となったことで今までよりもさらに言動などに注目されると思うので、これまで学んできたこと、特に「謙虚さ」、「誠実さ」を忘れずに五輪に臨んでいきたいと思います。

ーー競走部の仲間たちへ言いたいことは?

ここまで来ることができたのは一緒に切磋琢磨してきた競走部のみんながいてくれたおかげなので、その感謝の気持ちを忘れず、競走部代表として五輪で勝負してきます。

ーー同じく代表に内定した伊東前主将に対してひとこと

僕たちが入学したときから伊東さんはすでに世界を見据えて競技をしており、何度も日本代表経験があるので遠い存在ではありましたが、身近な目標でした。今回、東京五輪という舞台に一緒に立つことができるのが本当に嬉しいです。伊東さんを見習って頑張りたいと思います。

2021年5月、ポーランドで行われた陸上世界リレーの男子4×400mRで銀メダルを獲得した日本チーム。右端が伊東選手 【ロイター=共同】

コロナ禍におけるトレーニングをリードした伊東と山内

【早大競走部・礒繁雄監督の一問一答】

礒繁雄監督(早稲田大学スポーツ科学学術院教授) 【早大競走部】

ーー競走部監督として二人を指導してきて何を感じましたか。

昨年以来のコロナ禍による活動制限が選手のトレーニングに悪影響したとは思えません。むしろオンラインによる種目別理論説明と競技会映像解析法を教授することでパフォーマンスとしての記録や順位に加え、試合の走り等を個々やグループで解析し考えることが出来ています。さらに練習内容の意味も理解し、実践する選手がほとんどとなりました。彼らはそれをリードした選手と言えます。

今回の二人にはチャンスの違いがあると思います。現役の山内君は2021年であったから選ばれました。一方、伊東君は2020年であったなら、個人の400mと4×400mRの2種目に出場の可能性があったでしょう。

ーー山内選手・伊東選手はどのような選手なのでしょうか。

二人ともに受動的に教えてもらう「生徒」から、自ら能動的に学ぶ「学生」になれた選手です。彼らの共通点は“WASEDA”だからできた陸上競技を、成果として残せたこと。ただ、彼らの持つ特徴がグローバルな競技社会へ反映できるかが、このオリンピックとなると言えるでしょう。

ーー両選手へ期待していることを何でしょうか。

臙脂(えんじ)の「W」から、日本代表として覚悟を持ち行動することを期待します。順位は容易ではありませんが、高校時代からここまで成長できたことを考えると、案外この大会も通用するものと考えてほしいと思います。

貪欲に結果にこだわって、力の全てを発揮してほしい

競走部主将・森戸信陽(スポーツ科学部4年) 【早大競走部】

山内選手は普段から負けず嫌いな部分があり、そこが競技にも結びついているのかなと思います。とてもストイックで土台となる体作りなどを、怠ることなく継続しています。自分の可能性を信じているからこそ、どのような状況になっても目標や、やるべきことを見失うことなく進み続けることのできる選手なのではないかと思います。自分の可能性を信じることができるかできないかは、とても大きな差だと思います。

伊東選手は走っている時の力強い姿とは裏腹に、普段はおっとりとした性格です。競技者としては、誰に対しても上からではなく、下から接していくことのできる選手だと思います。それにより、多くの人から様々なことを吸収していける選手なのではないかと思います。このような部分で伊東選手の人格が、競技者としても現れているのではないかと思います。

オリンピックはスポーツの祭典ですから、二人ともまずは全力で楽しんできて欲しいなと思います。そして出場するからには貪欲に結果にこだわって力の全てを発揮してきてほしいと思います。

早稲田大学競走部出身 東京オリンピック参加選手一覧

・大迫傑(2014年 スポーツ科学部卒) 男子マラソン
・小林快(2015年 社会科学部卒) 男子50km競歩(補欠)
・伊東利来也(2021年 スポーツ科学部卒) 男子4×400mR
・山内大夢(スポーツ科学部4年) 男子400mH
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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