なでしこクラブが「プライドマッチ」を開催。 女子サッカーを通じてLGBTQに関する発信に挑んだ1日
【(C)大和シルフィード】
この日はレインボーフラッグが掲げられ、ホームベンチにはプライドハウス東京のバナーも掲出された 【大和シルフィード】
「プライドマッチ」への想い
大和シルフィードの代表取締役社長・大多和亮介さんはプライドマッチの開催の狙いについて、「ちょうどこの4月から、ホームタウン大和市で『大和市パートナーシップ宣誓制度』の運用が開始されたタイミングでもあり、LGBTQなどのセクシュアル・マイノリティの方々の抱える悩みや現状に対して、もしスポーツの力や女子サッカーの力を活かせることがあるとしたらどんなことがあるか、クラブ全体で考え続けていくきっかけにしたかった」と話す。
虹色に染まったスタジアム
全選手サイン入りのグッズ 【大和シルフィード】
トークショーでプライドマッチについて話す松中権さんと野口亜弥さん 【大和シルフィード】
プライドハウス東京ブースで配布された冊子 【大和シルフィード】
さらに試合前のトークイベントには、プライドハウス東京代表の松中権さん、プライドハウス東京アスリート発信チームのチームリーダーである野口亜弥さんが登場。プライドハウスやLGBTQについて、そしてスポーツを通じて互いに尊重し合える社会を作っていきたいと語りかけ、この日スタジアムに集まった327人の観客も度々拍手で反応する時間となった。
選手たちも自らアクションを
レインボーバナーを持って入場 【大和シルフィード】
レインボーシューレース 【大和シルフィード】
まずはレインボーシューレース。クラブスタッフや選手が揃って虹色の靴紐を着用。最もスタジアムの注目が集まる選手入場時には、スターティングイレブンの選手たちが大きな虹色のバナーを全員で手に持って入場したのだ。このアクションに臨んだ想いについて、キャプテンの濱本まりん選手は「選手全員で意見を出し合って、やろうということになりました」と話した。大和シルフィードでは前節ホームゲームが終了後、全選手スタッフが参加する形で、野口亜弥さんによる「性の多様性について」の講義を受けるなどして理解を深めており、そこでの学びをきっかけに、選手たち自身によるアクションを検討する機会へとつながった。
大事なことは考え続けていくこと
クラブ全体としてプライドマッチに臨んだ大和シルフィード 【大和シルフィード】
レインボーシューレース 【大和シルフィード】
この日、大和シルフィードは敗戦という結果となったが、なでしこリーグ1部の先には今年開幕する女子プロサッカーリーグWEリーグへの参入も見据える。
3月8日の「世界国際女性デー」の際に発信したメッセージにおいては、「WEリーグ参入は目的ではなく手段であり、最も大切なことは、多くの女性アスリートがより一層、心身の安心・安全が確保された上で、多様性への理解、配慮がされた上で、競技に専念できる環境を創ること、10代女性のスポーツ実施率向上、スポーツ指導者のリテラシー向上に貢献すること」と明言しているように、今日のプライドマッチのみならず、誰もがスポーツを安心して安全に楽しみ続けることのできる社会の実現を目指して、その挑戦はこれからも続いていく。
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