ピエール北川の『サーキットガイド2021:第2戦 富士スピードウェイ』

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SUPER GT公式アナウンサーのピエール北川が語るSUPER GT開催コース 第2戦『たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE』 富士スピードウェイ

「500kmレースが復活! ハイスピードバトルを堪能できますが、セットアップが難しいコースです」
 ボンジュール! 2021 AUTOBACS SUPER GT Round2『たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE』の舞台、富士スピードウェイをご案内しましょう。今回は2年ぶりに500kmレースが復活! お天気に恵まれれば雄大な富士山もご覧いただきながら、富士スピードウェイならではの白熱したハイスピードバトルを堪能できるでしょう!
 東日本を代表する国際サーキットである富士スピードウェイは、世界耐久選手権(WEC)の開催や、日本で唯一の24時間自動車レースも開催しています。第1回F1日本グランプリが開催された場所としても知られています。コースの全長は4.5kmありますが、その3分の1はメインスタンドを構える約1.5kmのホームストレート。それに緩やかなコーナーがつながる前半部分と、ツイスティなコーナーが続く後半部分がうまく組み合わされたコースです。長い直線では最高速(GT500なら時速300kmくらい)も出したいし、前半のセクター1では高速区間でダウンフォースも欲しいし、後半のセクター3の低速区間ではメカニカルグリップが重要だし……。マシンのセットアップでは、相反する2方向どの区間を重視するか難しそうですね。コース幅は広いので、レース中は常にどこかでGT300マシンをGT500マシンがオーバーテイクしているシーンが見られます。現地観戦の方もテレビ&ネット観戦の方も、SUPER GTならではの抜きつ抜かれつをスタートからゴールまでずっと見ることができます。実況する私は順位チェックが欠かせないので大変ですが!(汗)
 ピットエリアが広いサーキットなので、レース中のピット作業は、全力でがんばるメカニックたちの作業姿が良く見られて、惚れ惚れしちゃうかもしれませんよ!

 では、まずは富士スピードウェイのデータをお教えしましょう。
富士スピードウェイ・レーシングコース
コースデータ
コース全長 4,563m
コース幅 15〜25m
高低差 40m

コースレコード
GT500
1'26.386 山下健太/KeePer TOM'S GR Supra 2020年 第8戦予選Q2(11月28日)
GT300
1'34.665 川合孝汰/埼玉トヨペットGB GR Supra GT 2020年 第8戦予選Q2(11月28日)

2020年第2戦富士300km(8月9日)優勝
GT500 No.17 KEIHIN NSX-GT 塚越広大/ベルトラン・バゲット
GT300 No.2 シンティアム・アップル・ロータス 加藤寛規/柳田真孝

2019年第2戦富士500km優勝
GT500 No.38 ZENT CERUMO LC500 立川祐路/石浦宏明
GT300 No.11 GAINER TANAX GT-R 平中克幸/安田裕信

2020年第2戦富士300km(8月8日)ポールポジション
GT500 野尻智紀/No.8 ARTA NSX-GT 1'27.300
GT300 小高 一斗/No.6 ADVICS muta MC86 1'36.270



富士大会公式戦全54戦のデータ(シリーズ戦のみ。決勝中止の1戦含む)

優勝回数

最多勝ドライバー
GT500:立川祐路(8勝)
GT300:高木真一(9勝)
(今季参戦予定ドライバーのみ)

GT500 メーカー別
トヨタ/レクサス:21勝(スープラ:10勝、LC500:4勝、SC430:7勝)
日 産:17勝(GT-R:16勝、Z:1勝)
ホンダ:12勝(NSX:12勝)
外国車:3勝(ポルシェ:2勝、マクラーレン:1勝)

GT300 最多勝車種 ポルシェ GT3R(9勝)

ポールポジション回数

最多ポールポジションドライバー
GT500:立川祐路(11回)
GT300:高木真一(6回)
(今季参戦予定ドライバーのみ)

GT500 メーカー別
トヨタ/レクサス:25回(スープラ:16回、LC500:2回、RC F:1回、SC430:6回)
ホンダ:14回(NSX:13回、HSV-010:1回)
日 産:10回(GT-R:9回、フェアレディZ:1回)
外国車:5回(ポルシェ:2回、マクラーレン:2回、フェラーリ:1回)

GT300 最多ポールポジション車種 日産シルビア(5回)

ピエール北川の “オススメ” 観戦ポイント!

【SUPER GT】

1:メインストレート

世界的にも知られる約1.5kmのロングストレート。高速バトルはもちろん、迫力のスタート、感動のゴールも見られます。スタンド裏にはイベント広場や食べ物&グッズショップがあって長距離レースを楽しむには定番の観戦ポイントです。

2:TGRコーナー(第1コーナー)

富士スピードウェイでレースを見るなら、一度はここで観戦したいですね! 最高速からフルブレーキングするマシンは大迫力!! GT500クラスの車両なら手前で時速300kmくらいは出ています。車種によってブレーキングポイントが違ったり、ドライバーによってコーナーへの進入のクセもあっておもしろいですよ。予選ではギリギリ奥まで突っ込むドキドキ感。レースではクラスや車種を超えたブレーキングバトルが連続するワクワク感。初心者からベテランまで人気の観戦スポットです!

3:コカ・コーラ コーナー

ハイスピードで切り返すことで、マシンが機敏に動くので迫力は満点! レース中のバトルでは、くっついたり、離れたりと駆け引きもあります。TGRコーナーで勝負が決まらないと、ここまで併走して決着なんてこともあります。

4:トヨペット100Rコーナー

その名の由来である曲率が100Rと緩いカーブですが、その分スピード感は満点です。富士でも屈指の高速コーナーで、高速で駆け抜けるGTマシンは迫力ありです。

5:ADVANコーナー(ヘアピン)

グランドスタンドやTGRコーナーのようなスタンド席ではありませんが、階段状になっている広場にレジャーシートや折畳みイスを用意して、のんびり観戦できるポイントです。左右に視界が開けた場所ですから、ヘアピン状の低速コーナーに進入するところから脱出して姿が見えなくなるまで、ドライバーたちの個性的なライン取りや運転操作もすべて見ることができます。コーナーを立ち上がりマシンが彼方へと消えていくときのエンジンサウンドには、私はなんだかロマンを感じます(笑)。ドライバーのテクニックだけでなく接触等のアクシデントも時々ありますので、ベテラン観戦者の方も初心者の方も皆が楽しめるポイントですね!

6:300R

ADVANコーナーから加速して駆け上がった先にある中速コーナーです。予選や決勝で逃げを打つ時などはブレーキを踏まず、軽くアクセルを抜くだけで走り抜けます。ドライバーや車種によってラインの違いがあるのも分かりますよ。

7:ダンロップコーナー

300Rを出て短い下りの直線で加速した先にある超低速コーナーです。昔のレイアウトを知るドライバーは“Bコーナー(Aコーナーはコカ・コーラ コーナー)”と呼んだりします。急ブレーキングの迫力に加え、決勝ではパッシングの絶好ポイントにもなっているので、追い抜きを期待する方にはお勧めです。

8:第13コーナー〜GR Supraコーナー

ダンロップコーナーから先は、上りの峠道のようなコーナーが連続するテクニカルなセクションになります。ハンドリングとアクセルワークとドライバーの技量で駆け抜け、決勝ではサイド・バイ・サイドでのバトルも少なからず見られます。

9:パナソニックコーナー(最終コーナー)

テクニカルセクション最後の低速コーナーです。ここでのライン取りとアクセルを開けるタイミングが、富士の勝負どころであるメインストレートのスピードに影響します。走行ラインの自由度が高く、ドライバーや車種によって違いが出るのもおもしろく、ここもパッシングポイントです。
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著者プロフィール

SUPER GTは日本が世界に誇る自動車レースシリーズです。年間8戦行われるレースには、国産自動車メーカーをはじめ海外メーカーのマシンも数多く参戦し、国内外のサーキットを舞台にドライバーが熱い戦いを繰り広げます。公式サイトでは、SUPER GTに関する様々な情報をご紹介いたします!

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