メッシ、他の追随を許さぬクラシコの覇者

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リオネル・メッシが初めてエル・クラシコのピッチに立ったのは2005年11月19日。凍てつくようなマドリーの夜に、当時18歳の彼は背番号30を付けてサンティアゴ・ベルナベウのピッチに立った。ロナウジーニョが2ゴールを挙げ、マドリディスタからスタンディングオベーションを受けたその夜、メッシは初体験のクラシコでサミュエル・エトーの先制点をアシストしている。

それからの15年間において、メッシはバルセロナとレアル・マドリーの力関係を一変させ、永遠のライバルから天敵と恐れられる存在になった。半世紀以上も保たれてきたものまで含め、ラ・リーガ・サンタンデールの代名詞と言える一戦に関するあらゆる記録を塗り替えてきた彼は、今や誰もが認めるクラシコの覇者としてリスペクトを集めている。

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これまでメッシはクラシコで通算26ゴール(ラ・リーガ・サンタンデールでは18ゴール)を挙げている。これは現在レアル・マドリーに所属する全選手がバルセロナ戦で記録してきた総得点と同数で、クリスティアーノ・ロナウド(18ゴール)やアルフレド・ディステファノ(16ゴール)も及ばないクラシコ史上最多得点記録となっている。

さらにメッシはクラシコ通算14アシストを記録し、セルヒオ・ラモスに次ぐ歴代2位の出場回数を重ねてきた。その間の戦績は19勝11分14敗と大きく勝ち越し、長く続いてきたレアル・マドリー優勢の歴史を覆している。

クラシコ史上誰も成し得なかった数々の記録を築いてきたメッシだが、そんな彼にもまだ手が届いていない記録がある。パコ・ヘントが持つクラシコ通算最多21勝であり、レアル・マドリーの名誉会長に並ぶにはあと2勝を必要としている。

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メッシは国内外におけるレアル・マドリーとのタイトル争いにおいても重要な役割を果たしてきた。これまで彼は10度のラ・リーガ・サンタンデール優勝、4度のチャンピオンズリーグ制覇を含むバルセロナ史上最多の34タイトルを手にしており、その数は121年の歴史を持つバルセロナが獲得してきた全タイトルの3分の1以上を占める。その間、レアル・マドリーの獲得タイトル数は21にとどまっており、両者の通算タイトル数はレアル・マドリーの92に対してバルセロナが91まで追い上げている。

メッシの名を世界中に知らしめたのは2007年3月、カンプノウで行われた一戦だ。彼はこの日、19歳にしてクラシコ初ハットトリックを達成し、敗戦濃厚だった試合を3ー3のドローに持ち込んだ。さらにロナウジーニョの背番号10を受け継いだ2008年以降は、別次元のプレーレベルに達する。08年12月にではファビオ・カンナバーロをゴールポストに激突させるゴールで2ー0の勝利をもたらし、09年5月2日の一戦では2ゴールを挙げ、敵地で6ー2の大勝を飾った。

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しかし、それもまだメッシのキャリアを追う上では序章に過ぎなかった。2011年春にはジョゼ・モウリーニョ率いるレアル・マドリーとのクラシコ4連戦を戦い抜き、2014年3月のクラシコでは再びハットトリックを実現。胸のエムブレムにキスをしてみせた。

だがマドリディスタたちに最も大きなダメージを与えたゴールはより近年のもので、とりわけ2017年4月の一戦で終了間際に決めた決勝ゴールは衝撃的だった。3ー2とする勝ち越しゴールを決めた直後、メッシはサンティアゴ・ベルナベウのスタンドに向けて自身のユニフォームを誇らしげに両手で掲げ、背番号10を見せつけた。クラシコ史上に残る名シーンである。

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これまでメッシはロナウジーニョやジネディーヌ・ジダンを彷彿とさせる繊細なテクニックを披露し、ディステファノが保ち続けた得点記録を塗り替え、ヨハン・クライフが手にした5ー0以上の歴史的大勝を成し遂げ、ディエゴ・マラドーナが複数のマーカーに尻餅をつかせた信じられないゴールまで再現してきた。これらの記録、そして見る者の脳裏に焼き付けられた記憶の数々は、メッシが15年の長きに渡ってクラシコを支配し続けてきたことを物語っている。

4月10日に迎えるクラシコでは、その伝説に新たな一章が書き加えられることになる。

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