■国内男子ゴルフ/ コロナ禍の特別QT「2020ファイナルクォリファイングトーナメント　Supported By SMBC モビット」 / 12月8日ー11日 / 茨城県 ザ・ロイヤルゴルフクラブ（7598y・パー72）/ 10日（大会3日目）

21年の生き残りをかけた選手たちを、冷たい風雨が襲う。会場のザ・ロイヤルゴルフクラブ（茨城県）は全長7598ヤード。ただでさえ怪物コースが、3日目の難条件に牙を剥く。

43歳の矢野東も苦戦。「前半ショットがめちゃくちゃ。80を打っていてもおかしくない」。
かわりに、きわどいパットをしのぎ続けた。
「途中から、開き直ってやったら後半ショットがよくなった」。
イーブンパーで踏みとどまり、2位と1差の通算7アンダーで、単独首位獲りを奪った。

初日から、25歳の飛ばし屋と椅子取り合戦。この日3日目を単独首位から出た亀代順哉（かめしろじゅんや）は隣で1日2イーグルと、若さに任せて派手なゴルフを展開するが、ツアー3勝の経験と実績を駆使して凌駕。
最終日を前に、逆転に成功した。

コロナ禍で出場機会が失われた選手救済のために、例年とは異例の形での実施に踏み切った、ツアー出場予選会のこの特別QT。
上位10位タイまでの選手たちが、21年の出場資格を獲得でき、さらに上位者ほど好条件を得られる。
起死回生の21年にむけて、負けられないシビアな戦い。
だが、「今日を乗り切ったのは大きい。明日の最終日は普通に、気楽にやりたい」という矢野。
2000年のデビュー時から、男子ゴルフのファッションリーダーに君臨。
最後の1日こそクールな逃げ切りを演じる。