牝馬2強の一騎打ちか? 天皇賞(秋)を分析する
【 2019/10/27 東京11R 天皇賞(秋)(G1) 1着 2番 アーモンドアイ(1番人気)】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
性齢別成績
■表2 【性齢別成績】
一方、牡・セン馬は5歳馬が6勝を挙げ、勝率13.6%。4歳馬は2勝で勝率5.3%にとどまるが、連対率と複勝率は5歳馬を上回っている。牡・セン馬は1着候補ならまず5歳馬、2〜3着候補なら4歳馬に注目したい。なお、6歳以上の馬は牝馬も含め全体で【0.0.1.59】と苦戦している。
馬番別成績
■表3 【馬番別成績】
全体を見渡すと7〜9番の馬が計【4.5.2.18】連対率31.0%、複勝率37.9%の好成績。12頭立て(13頭から1頭除外)で行われた一昨年も、9番サングレーザーが2着に入っている(1着は4番レイデオロ、3着は10番キセキ)。
前走レース別成績(3着以内馬を出したレース)
■表4 【前走レース別成績(3着以内馬を出したレース)】
なお、京都大賞典組の好走馬1頭は2015年のラブリーデイで、鳴尾記念、宝塚記念、京都大賞典と、G1を含む重賞3連勝中。天皇賞(春)以来の出走で3着に食い込んだ2011年のペルーサは、前年秋の天皇賞で2着に好走した実績があった。
前走毎日王冠組の前走着順、休養明け消化レース数別成績
■表5 【前走毎日王冠組の前走着順、休養明け消化レース数別成績】
また、毎日王冠組の好走馬11頭中10頭は同レースが休養明けで、残る1頭・2013年のジャスタウェイは関屋記念から中7週。毎日王冠から天皇賞(秋)は中2週になるが、その前にゆったりと間隔をとっている馬が好走馬の中心になる。
前走宝塚記念組の3着以内好走馬
■表6 【前走宝塚記念組の3着以内好走馬】
前走安田記念組の出走馬
■表7 【前走安田記念組の出走馬】
【結論】
人気面ではアーモンドアイが1番人気に推されそうだが、その1番人気馬は過去10年で5勝、特に近5年では4勝の好成績。対して2番人気は過去10年【1.3.2.4】と勝ち切れず、人気からはアーモンドアイのほうが優勝に近そうだ。ただ、アーモンドアイは昨年からひとつ年齢を重ね5歳(過去10年勝利なし)になったのに対し、クロノジェネシスは過去10年で2勝を挙げている4歳牝馬。表2本文でも触れたように、1986年以降でみても牝馬は5歳より4歳のほうが好成績を残しており、年齢からはクロノジェネシスが上位になる。最終的には枠順抽選の結果までみて、どちらに重きを置くか決めたい印象だ。
もしこの2頭をまとめて破る馬がいるとすれば、過去10年で最多の6勝を挙げる5歳牡馬・ダノンプレミアム。4歳時の昨年はアーモンドアイに独走を許す2着だったが、5歳になった今年は、馬券に絡むところまで食い込めれば勝利のチャンスも十分にある(表2)。2走前に豪G1で3着に敗れ、表7の「芝2000m連対率100%」は満たせなくなったものの、海外G1を含む3着内率100%ならこれに準ずる成績と考えていいだろう。その他では、休養明けの毎日王冠で2着(表5)に好走したダイワキャグニーが穴候補だ。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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