イス取り合戦へ参戦 柏原明日架、上昇急

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【JLPGA】

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、10月22日に開幕予定のNOBUTA GROUP マスターズGCレディースが開催中止。21日、ディフェンディングチャンピオンの柏原明日架がリモート会見を行った。

 2021年まで続く、JLPGAツアー。しかし、今年の残りは5試合になった。次週からの連戦へ向け、ディフェンディングチャンピオンの柏原明日架は、「イス取り合戦」とたとえ、ラストスパートに向けて自信をたぎらせた。

 前週、ホステスプロをつとめた富士通レディース 2020で今季初のトップ10フィニッシュ(8位タイ)。「ここ2試合、ようやく調子が上がってきた。残り試合は少なくなったけど、手応えはある。やはり、上位でプレーすることはとても楽しい」と表情は明るい。オープンウィークの今週は、地元の宮崎でラウンドを精力的に行い、「試合勘を失わないようにしたい」と話す。

 では、今季の前半で不調だった要因は、いったいー。「去年までのプレーをスタッツなどでみてみると、課題はパーオン率、フェアウェイキープ率などのショットでした。ということで、ショットを重点に調整してきたのですけど…」と説明。ところが、「ショットを重視するあまり、私の長所であるパッティングやショートゲームへ集中する意識が希薄になっていた。ショットでミスをすると、それが許せない。リカバリーが大切だけど、なぜ、そんなミスが出てしまったのだろう。そんな感じで、ミスをずっと引きずってしまった。だから、グリーンへ行く前に、脳のスタミナというのか、エネルギー不足に陥っていたと思います」と猛省したそうだ。

 それだけに、もう一度、自身のスタイルを再構築。2週前からショット力の鍛錬は当然だが、もう一度、自身の長所をさらに生かすようにリセットした。「試行錯誤しながらやってきたけど、回り道はムダではありません、今、ちょっと失いかけてきた自信が戻ってきたから。これから、やります。自信はある」とボルテージが上がる。

 やはり、地元の宮崎で開催されるJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ出場を目指しているからだろう。「賞金ランキングで資格をとるということより、優勝して出場したい。チャンスはある」と歯切れが良い。日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯で優勝した、同じ宮崎出身で同期の永峰咲希から大いなる刺激を受けたことも自信回復の原動力だ。

 「2人で揃って出場したことがありません。毎年、どちらか1人です。今年は私しだい。とにかく頑張ります」と続けた。一方で、前年の今大会を振り返り、「初優勝では、目の前のプレーばかりに夢中だったけど、去年のマスターズGCレディースでは、成績上位の選手がうしろの組でプレー。クラブハウスリーダーになるつもりで、コースマネジメントに集中した。特に終盤は、どこでバーディーをとらなくてはいけないなど、先を読んで勝ったことがうれしかったです。マネジメントが完ぺきにできた試合」と、笑顔が印象的だ。

 さらに、「副賞でいただいた車を父へプレゼント。私がゴルフを続けるために、ずっと両親が苦労してくれたから。父は新車に乗ったことがない、と話していたことが頭に残っていた。新車をプレゼントしたら、本当に喜んでくれましたね」。恩返しの通算2勝目は、ちょっといいエピソードだった。
(中山 亜子)
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