【サーフィン】五十嵐カノア&タティアナが2位、WSLカウントダウン初戦『Rumble at the Ranch』

チーム・協会

【© WSL/Lawrence】

新型コロナウイルスによるパンデミックの後、初めて行われるWorld Surf Leagueのイベントとして注目を集めていた『Rumble at the Ranch』が現地時間8月9日に開催された。

このイベントは2020年11月(メンズは12月)から開幕が予定されている2021年シーズンのプレイベントとして実施される、国を跨がない形の「WSLカウントダウン」の初戦でもあり、カリフォルニアにあるケリー・スレーターのウェーブプール「サーフランチ」を舞台に16名の選手が集結してライブ中継のみ、スタッフも最小限に加えて様々な感染対策が施されていた。

16名の選手とフォーマット

参加選手はメンズがCT選手のみで、ハンティントンビーチの自宅を拠点にトレーニングを続けている五十嵐カノアを初め、フィリペ・トレド、ケリー・スレーター、コロヘ・アンディーノ、セス・モニーツ、コナー・コフィン、エイドリアーノ・デ・ソウザ、グリフィン・コラピント。

ウィメンズはCT選手の他、QSトップでアメリカ在住の選手。
カリッサ・ムーア、キャロリン・マークス、レイキーピーターソン、セージ・エリクソン、タティアナ・ウェストン・ウェブ、ココ・ホー。
QSからはアリッサ・スペンサー、キラ・ピンカートンの2名。

16名の選手は男女ペアとなり、各ラウンドでライト、レフトの波を2本ずつ、合計4本の波に乗ることが出来る。
また、ペアの片方がロースコアの場合、ライト、レフトのどちらかの波を譲れるリベートルールが採用。
それぞれのベストスコアの合計が高い方が勝ち上がるシンプルなフォーマットだ。

【WSL】

【WSL】

故デレク・ホーのトリビュート

7月に55歳の若さでこの世をさったデレク・ホーは1993年のワールドチャンピオンであり、ココ・ホーの叔父。

イベント開始前には1986年と1993年のパイプラインマスターである彼に敬意を表して無人のレフトの波を捧げ、アロハスピリットの象徴であるシェアライドを世界トップの選手が行う計らいがあった。

(スタイリッシュなサーフィンで優勝したココ・ホー) PHOTO: © WSL/Morris 【THE SURF NEWS】

8ヶ月ぶりのCT選手によるイベント

2019年12月、イタロ・フェレイラとガブリエル・メディナの『Billabong Pipe Masters』直接対決により決まったワールドタイトル争いから8ヶ月。

久々に揃ったCT選手はもちろん、ホスト役のジョー・ターペル、ロージー・ホッジ、ピーター・メル、ストライダー・ヴァシレフスキがコロナ前と同じペースで素晴らしい仕事をこなしていたのは特筆すべきことだろうし、WSLファンにとっては懐かしささえ感じた一日だったと思う。

(48歳現役のケリー・スレーター) 【PHOTO: © WSL】

五十嵐カノアがファイナル進出

(ファイナルに進出した五十嵐カノア) 【PHOTO: © WSL/Morris】

今イベントのスポンサー、「資生堂」のアンバサダーとして紹介されていた五十嵐カノアはタティアナ・ウェストン・ウェブとペアを組み、快進撃を続けた。

QFでは、2019年のサーフランチのCTイベントの覇者、レイキーピーターソン&グリフィン・コラピント、SFでは絶好調だったキャロリン・マークス&エイドリアーノ・デ・ソウザのペアを倒してファイナル進出。
SFでは以前に紹介した謎の黒いボード「Dark Arts Surfboard」を駆り、イベント初の9ポイントをスコアして注目を集めていた。

「私達はプレッシャーの中でベストなパフォーマンスを発揮するような状況で戦っている。この数ヶ月、コンテストから離れてそれが足りなかったんだ。この数時間で確実に要領を得たね。このイベントは素晴らしいフォーマットだし、タティアナのサーフィンは凄かった」
五十嵐カノア

(カノアとペアを組んだタティアナ) 【PHOTO: © WSL/Morris】

優勝はココ・ホー&フィリペ・トレド

(ファイナルで9.67を出したフィリッペ) 【PHOTO: © WSL/Morris】

2018年、2019年と2年連続でサーフランチのCTイベントを2位でフィニッシュしているフィリペ・トレドにとってガブリエル・メディナ(2年連続優勝)が不在の今回のイベントは最高のチャンスだった。
約半年ぶりのコンテストのプレッシャーからか、QFの1本目のライトの波はミスしたが、その後のレフトでリカバリーを果たし、ファイナルがピークになる理想的な形で2021年のウォーミングアップイベントを制することに成功。
ファイナルのライトの波は2つの完璧なアーリーウープとターン、バレルのコンビネーション。パーフェクトに近い9.67ポイントを出していた。

もちろん、ペアのココ・ホーも6ポイント台をアベレージにSFでは7.03をスコアするなど安定したライディングで優勝にふさわしい仕事をした。

「最後のチャンス、最後の波でやり遂げたよ。ココには感謝しなければいけない。彼女は素晴らしかった!」
フィリペ・トレド

なお、優勝賞金の10,000USドルはサーフライダーファウンデーションに寄付された。

なお、9月〜10月はオーストラリアのゴールドコーストとマーガレットリバー。
フランスとポルトガルで「WSLカウントダウン」が開催予定。

オーストラリアの『Australian Grand Slam of Surfing』はすでに詳細が公表されている。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

国内外のサーフィン関連ニュースを発信する「THE SURF NEWS(サーフニュース)」の公式アカウントです。2020年東京五輪のサーフィン関連情報や、人工サーフィン施設、業界最新動向、話題のサーフギア、コンテスト、初心者から経験者まで役に立つHowToなど様々なニュースをお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント