G1制覇が目立つ矢作厩舎の狙いどころは?

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【2020/5/31 東京11R 東京優駿(日本ダービー)(G1) 1着 5番 コントレイル】

先日の日本ダービーで父ディープインパクトに次ぐ無敗での2冠制覇を達成したコントレイル。同馬を管理する栗東の矢作芳人調教師は今年モズアスコットでもフェブラリーSを制し、昨年はリスグラシューで宝塚記念・有馬記念を勝利するなど近年G1制覇が目立っている。今回は現在リーディングの矢作厩舎に焦点を当て、2018年以降のデータから馬券における狙いどころを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

矢作芳人厩舎のクラス別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)

■表1 【矢作芳人厩舎のクラス別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)】

まず表1は矢作厩舎のクラス別成績。矢作厩舎といえば年500回を超える出走回数の多さで知られているが、黄色で強調したオープンのリステッド競走ならびに重賞で複勝率30%を超えている。G1では2018年以降、リスグラシューでエリザベス女王杯・宝塚記念・有馬記念、コントレイルでホープフルS・皐月賞・日本ダービー、モズアスコットで安田記念・フェブラリーS、ラヴズオンリーユーでオークスと、すべて違うG1でのべ9勝。G1での勝率は23.7%と非常に高く、大舞台での勝負強さがあらわれている。

また、未勝利・500万下(現1勝クラス)・1000万下(現2勝クラス)で単勝回収率が100%を超えている点にも注目しておきたい。未勝利と1000万下での勝率は12%を超えており、人気薄の馬でも勝利していることがわかる。G1だけでなく、下級条件でもアタマから狙っていきたい厩舎だ。

矢作芳人厩舎の騎手別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)

■表2 【矢作芳人厩舎の騎手別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)】

続いて表2は矢作厩舎の騎手別成績。厩舎所属の坂井瑠星騎手が騎乗数最多で、ダントツの34勝をあげている。重賞でも積極的に坂井騎手を起用しており、先日の日本ダービーでも坂井騎手のサトノインプレッサは9番人気ながら4着に入った。昨年の京都大賞典では11番人気ドレッドノータスで1着など人気薄での勝利もあり、単勝回収率は100%を大きく超えている。

また黄色で強調した外国人騎手を騎乗させた際の勝率が高い。モズアスコットとのコンビが印象深いルメール騎手は勝率40.9%、レーン騎手、バルジュー騎手、ムーア騎手は勝率50%をマークしており、勝負気配が強い。M.デムーロ騎手のみ勝率が17.2%と低いものの、複勝率は55.2%と高かった。矢作厩舎×外国人騎手は必ずチェックしておきたい

矢作厩舎×坂井瑠星騎手の競馬場別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)

■表3 【矢作厩舎×坂井瑠星騎手の競馬場別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)】

表3は矢作厩舎×坂井瑠星騎手の競馬場別成績。騎乗数こそ少ないものの、中京では6戦5勝と抜群の成績を残している。昨年12月の中日新聞杯では8番人気サトノガーネットに騎乗し、差し切り勝ちを決めている。中京での騎乗の際は注意しておきたい。

他では東京・阪神において複勝率30%オーバーで、複勝回収率も100%を超えている。京都・阪神での騎乗数が多いものの、東京や中京への遠征でも結果を出している。

矢作厩舎の芝・ダート別間隔別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)

■表4 【矢作厩舎の芝・ダート別間隔別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)】

表4は芝・ダート別の前走からの間隔別成績。芝では中4〜8週で連対率・複勝率が最も高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。逆に連闘や中1週は勝率が低く、半年以上はすべて4着以下に敗れている。

対して、ダートでは連闘・中1週・中2週でいずれも単勝回収率・複勝回収率100%を超えている。ダートでは中2週以内と間隔が詰まった馬に注目していきたい。特に中1週ローテは出走数最多、複勝率39.6%と優秀で、狙った臨戦過程といえるだろう。

矢作厩舎の芝レースにおける前走上がり順位別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)

■表5 【矢作厩舎の芝レースにおける前走上がり順位別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)】

表5は芝レースにおける前走上がり順位別成績。前走上がり最速もしくは2位だった馬が好成績をあげている。これら前走上がり2位以内の馬が芝全体の勝ち星87勝中33勝を占めている。前走上がり3位だった馬も複勝率36.2%と優秀で、芝レースにおいては前走の上がり順位が優秀な馬を積極的に狙っていきたい。

矢作厩舎のダートにおける前走からの距離増減別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)

■表6 【矢作厩舎のダートにおける前走からの距離増減別成績(2018年〜2020年6月7日終了時点)】

最後に表6はダートにおける前走からの距離増減別成績。連対率・複勝率は同距離組が最も高く、勝率では今回短縮組がトップだ。同距離組、短縮組、どちらも複勝率は30%オーバーで、複勝回収率も100%を超えている。逆に今回延長組は勝率・連対率・複勝率とも最も低かった。

ダートにおいては前走と同距離もしくは距離短縮で、中2週以内の馬が馬券的に面白いだろう。G1だけでなく条件クラスでも、矢作厩舎のレース戦略を馬券に活用していきたいところだ。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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著者プロフィール

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