来年のクラシックを占う一戦! ホープフルSを分析する

JRA-VAN
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【2019/11/19 東京11R 東京スポーツ杯2歳S (G3) 1着 6番 コントレイル】

有馬記念が終わり、2019年の中央競馬も28日(土曜)の開催のみとなった。中山のメインは芝2000mの2歳G1、ホープフルS。一昨年G1に昇格したばかりだが、G2当時の16年には後のダービー馬レイデオロ、昨年は今年皐月賞を制したサートゥルナーリアが優勝と、翌年のクラシックを占うレースとして定着しつつある。今回のデータde出〜たでは、2014年以降・近5年のデータからレース傾向ならびに馬券で注目できる馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

ホープフルS近5年の3着以内馬一覧

■表1 【ホープフルS近5年の3着以内馬一覧】

まず表1は2014年以降の3着以内馬一覧。近5年すべて良馬場で行われ、勝ち時計は2分1秒台におさまっている。前半1000m通過は年によってバラつきがあるものの、3着以内馬の上がり3Fは35秒台が多い。スローペースからの瞬発力勝負ではなく、長く脚を使う持久力勝負になりやすい一戦だ。

4コーナーでの通過順は14年3着ブラックバゴを除いて、すべて9番手以内。逃げて3着以内に入った馬もいないが、後方からの追い込みも決まりづらい。

3着以内馬の人気を見ると、1番人気馬は【3.1.0.1】で昨年のサートゥルナーリアら近3年続けて勝利している。1番人気で連対した4頭には、いずれも外国人騎手が騎乗していた。2番人気馬は【1.1.2.1】で14年シャイニングレイが優勝、3番人気馬は15年ハートレーが勝利。勝ち馬は上位3番人気以内の馬から出ている。15年と昨年は上位3番人気以内で堅く決まったが、その他の年は8番人気以下の伏兵が1頭は好走しており、ヒモ荒れになるケースもある

ホープフルS近5年のキャリア別成績

■表2 【ホープフルS近5年のキャリア別成績】

表2はキャリア別成績。黄色で強調した1戦の馬が15年ハートレーら2勝をあげ、複勝率44.4%と高い。昨年を除いて、毎年1頭は3着以内に入っている。出走数が最も多い2戦の馬は昨年のサートゥルナーリアら2勝。毎年1頭は3着以内に入っており、好走馬6頭中4頭は上位2番人気以内に支持されていた。

キャリア3戦で好走した馬は昨年2着アドマイヤジャスタのみで、連対率・複勝率6.7%と低い。4戦の馬は一昨年のタイムフライヤーが勝利。キャリア5戦以上の好走馬は16年2着マイネルスフェーン(6戦)のみで、苦戦傾向にある。

ホープフルS近5年の前走クラス別成績

■表3 【ホープフルS近5年の前走クラス別成績】

表3は前走クラス別成績。表2でも示したように前走新馬戦を勝ったばかりのキャリア1戦馬が複勝率44.4%と優秀だ。前走500万下(現1勝クラス)組は16年レイデオロが勝利し、一昨年を除いて毎年1頭ずつ3着以内に入っている。

オープン特別組は昨年のサートゥルナーリア(前走萩S)が勝利している。前走G3組は一昨年のタイムフライヤー(前走京都2歳S)が優勝。前走G2組は一昨年ジャンダルム(前走デイリー杯2歳S)が2着に入っている。

ホープフルS近5年の前走着順別成績

■表4 【ホープフルS近5年の前走着順別成績】

表4は前走着順別成績。前走1着だった馬が4勝、3着以内馬15頭中14頭と好走馬の大半を占めている。例外は前走2着から勝利した一昨年のタイムフライヤーのみ。前走で勝利している馬を積極的に狙っていきたい。

また、前走1着馬については前走での人気を記しているが、前走1番人気だった馬が昨年のサートゥルナーリアら3勝。連対率38.9%・複勝率50.0%と優秀で、複勝回収率も100%を超えている。また、前走2番人気だった馬は14年シャイニングレイが勝利し、複勝率33.3%。複勝回収率150%と高く、注目しておきたい。

ホープフルS近5年の前走脚質別・上がり順位別成績

■表5 【ホープフルS近5年の前走脚質別・上がり順位別成績】

表5は前走脚質別・上がり順位別成績。脚質別では前走で逃げた馬がすべて着外に敗れている。2歳戦はスローペースで逃げた馬が展開に恵まれて好走することも多いが、ホープフルSに関しては前走で逃げた馬に厳しい傾向が出ている。前走で先行した馬が最多の3勝をあげているが、複勝率では先行、差し、追い込みで大差ない結果となっている。

前走上がり順位別では上がり1位だった馬が16年レイデオロら3勝をあげ、複勝率36.4%と優秀だ。近5年の3着以内馬はすべて、前走の上がりは3位以内だった

ホープフルS近5年の種牡馬別成績

■表6 【ホープフルS近5年の種牡馬別成績】

表6は種牡馬別成績。ディープインパクト産駒が14年シャイニングレイ、15年ハートレーと最多の2勝をあげているが、それ以外の各馬は4着以下と成績がハッキリとしている。勝利した2頭はいずれもキャリア1戦での出走だった。

キングカメハメハ産駒は16年レイデオロが勝利し、複勝率100%と好相性。ロードカナロア産駒も昨年サートゥルナーリアが勝利しており、キングカメハメハの系統は要チェックだ。また、ステイゴールド産駒は16年2着マイネルスフェーン(8番人気)、17年3着ステイフーリッシュ(8番人気)と人気薄で好走しており、複勝率100%と相性が良い。

今年のホープフルSの特別登録馬(12/22時点)

■表7 【今年のホープフルSの特別登録馬(12/22時点)】

今年の出走予定馬は表7のとおり。

人気を集めそうなのは前走東京スポーツ杯2歳Sをレコードで快勝したコントレイル。キャリア2戦で前走1番人気1着、上がりも最速だった点から、データ的に文句のつけようがない。前走の反動だけが心配だが、完成度の高さは群を抜いているのではないか。

前走芙蓉Sで中山芝2000m勝利実績があるオーソリティも有力。こちらもキャリア2戦で、前走1番人気1着。前走上がり最速だったのも強調材料だ。父オルフェーヴルはステイゴールドの系統というのも良いだろう。

上記2頭がかなり有力と見たい。他に2戦2勝のワーケアは東京での経験しかなく、表6で示したようにハーツクライ産駒もいまひとつ。ヴェルトライゼンデも2連勝中だが、小倉・京都と平坦コースしか経験がなく、関東圏への輸送が初めてで割り引きたい。

他では前走新馬戦を勝ったばかりながら、上がり最速で差し切ったディアマンミノルも連下としておさえておきたい。
文:ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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著者プロフィール

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