青森山田が名古屋との激戦を制して3年ぶり2度目のプレミア制覇! 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2019 ファイナル
U-18年代最高峰の一戦とあって、試合開始から両チームが素早い攻守の切り替えで互いのゴールに迫る、非常に見応えのある立ち上がりになりました。その中でもよりゴールに迫ったのは、Jクラブのユースとして史上初の3冠(プレミアリーグ、Jリーグユース選手権大会、日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会)まであと1冠の名古屋でした。
チャンスはつくれどなかなかゴールネットを揺らせない名古屋に対し、青森山田は一撃で仕留めます。12分、右サイドのスローインの場面で、DF内田陽介選手(#2)がゴール前をめがけてロングスローを入れます。名古屋DFが触れてややコースが変わったボールに対して、FW田中翔太選手(#9)が飛び込み、鮮やかに先制点を挙げました。
緊迫した一戦で先制したことで青森山田の勢いはさらに増していきます。27分には左からのクロスをMF後藤健太選手(#11)がうまくコントロールし、右足で追加点をもたらします。
2点を追う名古屋はリーグ最多52得点を生んだ攻撃陣が奮起します。名古屋の古賀聡監督がコンセプトとしてきた「最短でゴールを目指す」ために、強引にも中央突破を狙います。青森山田の守備陣に跳ね返されますが、そのチャレンジが41分に実を結びます。MF斉藤洋大選手(#25)、榊原選手とパスで中央をこじ開け、最後は村上選手がDF一人をかわして左足でゴールネットを揺らします。
後半に入ると、名古屋はクラブユース選手権で得点王に輝いた後に長期離脱を余儀なくされていたMF倍井謙選手(#7)をピッチに投入。倍井選手は投入早々にミドルシュートを放つなど攻撃にアクセントを加えていきます。すると、59分、倍井選手がふわりと浮かせたパスで田邉選手が左サイドを抜け出し、中央へグラウンダーのパスを送ります。これを村上選手がワンタッチでゴールに流し込み、名古屋が試合を振り出しに戻しました。
監督・選手コメント
名古屋さんの攻撃力をコンパクトな布陣にすることで封じていこうというコンセプトでした。すごく上手いパスワークやワンツーなどを中央を締めることで対応しながら奪ったボールを素早く攻めていこうという狙いでした。昨年のレギュラーが一人しか残っていなかったチームですが、1年間というスパンの中で成長し続けること、その成長率で上回ろうとやってきた成果を出せた試合でした。
DF #4 箱崎拓 選手(青森山田高)
(MVPは)ビックリしました。自分は2年まで(青森県1部リーグを戦っている)Cチームでプレーしていて、昨年の高校サッカー選手権もスタンドで観ていました。特長のない自分がこのチームで生き残るにはどうすればいいのかをずっと考えながらやってきました。どんなときも周りを鼓舞すること、みんながやりたがらないことをやる、言いたがらないことを言うということをやってきたつもりです。
古賀聡 監督(名古屋グランパスU-18)
警戒していた相手の最短・最速の攻撃に大して後手に回ってしまい、準備が間に合っていないシーンが多くあり、失点してしまいました。前半途中から相手を外してボールを受ける、ゴールへ熱く迫っていくところを出せるようになり、追い付くことができました。人間的にもプレー的にも選手たちの成長を感じられるシーズンだった。「すごいな、こいつら」という思いで見守っていました。
FW #11 村上千歩 選手(名古屋グランパスU-18)
3冠を達成できなかったのは悔しいですけど、今シーズンは本当にやっていて楽しかったです。どこからでも点を取れるチームでした。大学でまた頑張って個人として名古屋グランパスに戻ってこられるような選手になれればと思います。プロで通用する選手になるにはまだまだハードワークの部分が足りていないですし、止めて蹴る部分も足りていないと思っています。
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