<国内男子ゴルフ>黄重坤(ハンジュンゴン)が20代のラストラン

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【最後の18ホールも楽しんで】

■国内男子ゴルフ/トップ30人の祭典。王者の中の王者が決まる「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(12月5日〜8日、東京・東京よみうりカントリークラブ)」7日・大会3日目

今大会を最後に来季2年の兵役に就く。韓国の27歳、黄重坤(ハンジュンゴン)が極寒の3日目に「68」。最終日を前に通算6アンダーとして、時松と共に首位タイに並んだ。


ボギーなしの2アンダーで折り返した後半。
13番で、2打目を左にミスしてボギーを打った時だ。
色白のもち肌に一瞬、血の気が差した。

どんな時でも顔色一つ変えないことから、ジュニア時代についたあだ名が石仏。
徹底したポーカーフェイスがその瞬間、わずかにゆがんだ。
「そこでちょっと自分に怒りました。熱くなった」と”自家発電”のおかげで、体はぽかぽか。
「今日は寒かったので、ちょうどいい感じでした」と、程よくぬくもり、17番でバーディ。
首位で並んで迎えた恐怖の18番パー3は、この日最後の試練もホットに迎えた。
ティショットをピンの右奥に載せたバーディパットは下りの超フックライン。
カップにほとんど背中を向けて構えた。
小平と石川と、3人のプレーオフに敗れた昨年は、初日にも同様のラインから3パットをした恐怖を忘れられずに「今日は怖くて安全に行きました」と、どうにか1メートル弱のパーパットに寄せてこれをしのいだ。
「今日はスコアボードをまったく見ないで、自分のプレーに集中したのがよかった」。

昨年大会に続いて今年もまた、首位タイで最終日を迎える息子の雄姿を、久しぶりに父親が見に来る。

13歳時に一緒に観戦した韓国オープンで、アーニー・エルスに憧れプロを目指した。エリートが集まるアカデミーで1日800球を打ち込み、今ではプロ仲間も見ほれる美しいスイングが完成された。

練習環境を整え、09年のデビュー時から数年を、キャディとして支えてくれた父・炳元(ビョンウン)さんが、日本で息子の試合を見るのは15年の今大会以来という。

「久しぶりに来るので期待に応えるというよりは、自分が楽しめそうな感じ」と、孝行息子の頬も緩む。
来年から2年の兵役を控えて27歳にはこれが20代最後の試合。「軍隊に行って帰った時には30歳。明日は、20代最後の18ホール。楽しんで1日プレーができればいいと思うが、18番が難しいからちょっと心配」。
石仏が、ゆるゆると笑った。
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