ロッテ井口資仁が監督になっても野球教室を精力的に行うワケ

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【野球教室後に集合写真に応じる井口監督】

  松本盆地は雲一つなく晴れ渡っていた。まもなく冬が訪れるこの時期には珍しく気温は20度を超え、誰もが久々にコートを脱ぎ、陽気を楽しんでいた。11月24日。遠くに北アルプスの峰々の連なりを綺麗に目にすることが出来るグラウンドに井口資仁監督の姿はあった。地元の小中学生合わせて70名が参加しての野球教室。今年で4回目となる長野県松本でのイベントだった。プロ野球シーズンオフの今、現役選手の野球教室は多くても現役監督となるとなかなか聞くことはない。井口監督は監督に就任して3年。毎年オフには様々な地域を回って野球振興に励んでいる。

 「メジャーではみんな、なんらかの活動をしていた。誰もがその意識を持って、いろいろな活動に取り組んでいた。日本はアメリカに比べてなかなか行える環境やルートが整理されていない。そのような土壌の整備をすべきだと思うよね」と井口監督は様々な活動を行う折にその理由を話している。だからこそ現役時代から積極的にグラウンド外で動いてきた。今年も松本を皮切りに北海道仁木町、高知、山梨、千葉と野球教室を行う。一人でも多くの子供と接し、野球が好きになってもらいたい。千葉ロッテマリーンズを好きになるキッカケを作りたいとの思いがある。

 自らウォーミングアップを仕切ると、その後もキャッチボール、ノックと精力的に指導。最後にはロングティーでは自らバットを握り実践するなど子供たちのために体を動かした。現役のプロ野球監督を目の前にして最初は緊張気味だった子供たちだったが、キラキラと目を輝かせ、最後にはすっかり親近感を感じているようだった。

 「みんな目標、夢をしっかりと持ってください。野球がうまくなりと思って努力をすれば必ずうまくなれる。それは勉強も一緒だと思う。明日と言わず、今日から目標に向かって取り組んでください」

 野球教室の最後に用意されていたスピーチで井口監督はそのように締めくくった。子供たちに伝えたい想いだった。子供と触れ合うイベントの最後に人生に通じるメッセージを送る。それが井口流である。

 「メッセージが伝わっていたらいいね。野球とロッテを好きになって、この中からロッテに入る選手が出れば嬉しいよね。そう願いながら教えていた」

 帰り際、笑顔で話し、グラウンドを後にし松本駅13時10発のJR特急あずさ18号に乗り帰京した。野球教室が終了し井口監督が去った後もグラウンドは熱気に包まれていた。子供たちが大きな声を出し練習に励んでいた。それぞれの目標に向かって努力する日々を始めていた。 

文 千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章
 
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