木下彩 渋野ばりの大逆転V

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【<Photo:Ken Ishii/Getty images>】

 2019年LPGAステップ・アップ・ツアー第16戦『中国新聞ちゅーピーレディースカップ』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が9月27日、広島県廿日市市・芸南カントリークラブ(6,420ヤード、パー72)で行われた。13位タイからスタートした木下彩が63をマーク。通算12アンダーでステップ・アップ・ツアー初優勝を飾った。1打差の通算11アンダー、2位はハンスンジ。(天候:曇り時々晴れ 気温:26.1℃ 風速:2.3m/s)

 最終日に木下彩が63の自己ベストスコアをマークした。広島東洋カープの本拠地・マツダスタジアムのようにスコアボードを真っ赤に染めた。「バーディーをとり出したらポコポコ獲れるタイプでも、きょうはすごかった。1.5メートルや2メートルのイヤな距離でも、まったく関係なし」と、前半からバーディーを量産。

 さらに、「4、6番のボギーのあとバーディーがとれた。これなら、バウンスバックの渋野みたいじゃって思いました」。後半もバーディーラッシュが止まらなかった。「何も考えていない。難しいラインがなし。カップを外すようなラインもほぼ、なかったです。最後は下りの2メートル。ちょっとスライスだったけど、何の迷いもなし。いつもは、ネガティブでも、きょうはずっと、ポジティブでした。優勝できるかもしれない。とにかく、バーディーが欲しかった」と、興奮気味にまくしたてている。

 大親友である、バックナインに強い渋野日向子と肩を並べるような、後半30ストロークを達成した。ステップ・アップ・ツアーの9ホール最少ストロークタイ記録をマーク。さらにバーディー奪取も11と、1ラウンドの最多バーディー記録を塗り替えるレコードの嵐だった。

 今大会の第1日からパッティングのルーティーンを変更。「先週の山陽新聞レディースカップの最終日、後半の9ホールで21パットでした。スポンサー契約を結んでいる長府製作所のゴルフ場、下関ゴールデンゴルフクラブで、お世話になっている広田悟プロに相談したら、何かを変えてみればいい、とアドバイスをいただいた。そこで、渋野のようにカップとボールの延長線上に立ち、正面から距離だけをはかりながら、素振りを。それが、きょうはしっくりきた。23パットです」と、絶大な渋野効果を説明した。

 中学2年生の頃からの付き合いで、昨シーズンもステップでは毎試合、練習ラウンドをともにしている。「全英女子オープンで優勝してから、会っていない。渋野を前にしておめでとうと言いたかった。ようやく、次週の日本女子オープンで会える」と飛びっきりの笑みを浮かべた。

 さらに、「優勝のレベルが違い過ぎるかもしれないけど、先におめでとうといってから、渋野からも、おめでとうと言ってもらいます」と続けている。極め付きは、「LPGAツアー、公式競技、海外メジャーも渋野が先に優勝でも、ステップは私がお先。次はレジェンズですね」とも。ユニークなキャラクターである。やはり、持つべきものは、偉大な友だ。
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