またも逆転 成田美寿々、混戦を制す

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 LPGAツアー22戦『大東建託・いい部屋ネットレディス』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,160万円)大会最終日が8月4日、山梨県鳴沢村・鳴沢ゴルフ倶楽部(6,605ヤード/パー72)で行われ、3位タイからスタートした成田美寿々が通算11アンダーで逆転優勝を飾った。2017年に続く大会2勝目は、LPGAツアー通算13勝目。通算10アンダー、2位タイにペソンウ、有村智恵が入った。(天候:晴れ 気温30.6℃ 風速1.9m/s)

 大接戦を制する逆転劇。成田美寿々の代名詞である。18番、1メールのウイニングパットは、ヒヤッとさせたが1打差を死守。勝負強さまで復活した。「最後は、ちょっと緊張した。久しぶりに手が震えて。カップへ入った瞬間は、やっと長い4日間が終わったなぁ。力が抜けてしまった」という。

 この日は5バーディー、3ボギー。70のプレーでも序盤から、首位スタートの有村智恵へプレッシャーをかけた。1番で1.5メートルを決め、続く2番は第1打をバンカーへ。残り133ヤードを9IでOKの距離に寄せるスーパーショットを放つ。連続バーディーを決めた。そして、極め付きは16番。5メートルのバーディーパットを沈め、単独首位に立った。

 「本当に楽しい18ホール。めちゃくちゃ楽しかった。プレーが終わってハグをする際、有村さんから、また負けたよとささやかれて…。14勝している選手は、締めるところを締める。簡単にはいかなかった」と満足そうにうなずく。そして、勝因を質問され、「体力の最大量。エネルギー量は恵まれている。もちろん、自分でも鍛えあげています。きのうの27ホールはしんどくても、4日間の大会で優勝できたことを誇りたい。秋の公式戦でも、4日間は強いぞ、というところを見せられるように調整します」と続けた。

 今大会は、2017年に続いて2度目の優勝。目標の72ホールで20バーディー奪取も達成した。「ここ2、3カ月、思うようにバーディーがとれない状態。今回でバーディー欠乏症も払しょくできたと思う」と話す。すべては2020年、東京オリンピック出場へつながる。「世界を意識して、ハイボールを打たなければならないことにこだわりすぎた。ハイボールと、コントロールショットは相反するものです。私はジュニアの頃から、コントロールショットが武器。2つを追うことで自分の良さを失いつつあった。よく考えてみれば、次のオリンピックは日本。日本で開催するのだから、日本のゴルフをしていればいいじゃん。ちょっと海外を追い求めすぎでした」。

 オリンピック出場は生涯の目標だ。「根底にあるのは、スポーツが大好きだからです。だから、アスリートになりたかった。もうひとつ、ジュニアの時代に日の丸を背負うことができないコンプレックスが…。オリンピックはスポーツの頂点です」と熱く語っている。さらに、日本代表となるために、「あと4-7勝すれば、おそらく。もし、その成績でダメなら仕方がないですね」と話した。前週までのオリンピックランキングは、日本で9位。

 決して、楽ではないが、それでは逆転の冠が許さないだろう。「追いかけられるより、追いかける方が絶対、楽ですよ。もし、追いつけなくてもトップがすごかったねーでしょう。それが、逆転をしたら、すごいねといわれます。私は伸ばせばいいでしょうみたいな感じ。楽にやっている」。結果を出す人は、シンプルシンキングだ。 (森谷 清)
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