昨年の当レース2着、スプリンターズS(G1)3着。惜しくも僅差で戴冠を逃したものの、現役トップクラスのスピードを示した。休み明けの前走・京都牝馬S(G3)は久々の1400Mで2着。馬体重10キロ増で余裕残しの仕上げだったことを思えば、上々の滑り出しと言える。ひと叩きされて順当に良化しており、今回はベストの1200M(重賞4勝)。悲願のG1制覇へ期待が高まる。

昨秋のスプリンターズS(G1)覇者。全姉ソダシに続くG1制覇を果たし、見事に最優秀スプリンターのタイトルを獲得した。前走・阪神C(G2)は道中力みが強く5着に敗れたが、勝ち馬ウインマーベルとは0秒2差。距離短縮は歓迎で、折り合いさえつけば秋春スプリント制覇も夢ではない。

前哨戦の阪急杯(G3)を快勝し、重賞3勝目をマーク。課題のスタート決めて好位で流れに乗ると、重馬場をものともせずに力強い末脚で競り勝った。3歳時のスプリンターズS(G1)でクビ差の2着に好走しており、スピードは証明済み。昨年の当レース(10着)は道悪に泣いたが、進化を遂げた今なら戴冠も可能だ。

春のG1シリーズが開幕する。第1弾は尾張の地に韋駄天18頭が集結して覇を競う春の最強スプリンター決定戦。今年は上位人気がどうなるか想像もつかない大混戦となった。過去10年のデータを参考にレース傾向を探ってみたい。

連対馬は3−8、4−6、1−2、5−2、2−3、3−12、9−2、2−1、8−5、12−2番人気の組み合わせで決まった。1、3番人気は2、3連対と人気に応えられずにいるが、2番人気が6連対とその不振をカバーしている。

馬連配当は
3 け た......1回
1000円台...2回
2000円台...1回
7000円台...2回
9000円台...1回
万 馬 券......3回

3000円未満の堅めの配当も4回あるが、6回は1万円馬券2回と3万円馬券を含む7000円以上の高配当で決着。毎年フルゲート18頭で争われる多頭数戦。伏兵馬の台頭に警戒したい。

一方、3着に1、3、3、1、10、17、4、3、17、13番人気が入った3連単配当は、7万円台、8万円台、6690円、2万円台、6万円台、449万円台、21万円台、9770円、278万円台、66万円台。こちらも2けた人気が4頭も食い込み、19年に449万円馬券、22年にも278万円馬券が飛び出す大荒れ。穴党には楽しみなG1レースとなっている。

連対馬20頭は前走重賞から出走。今年は全馬がこの条件をクリアしている。また、前走成績は【9.6.0.1.2.2】(1〜5着、着外)。18頭が5着以内で、うち15頭は1、2着に好走。掲示板外から巻き返した馬はわずか2頭と少ない。

ステップはシルクロードS組【5.2.1.25】(連対率21%)、阪急杯組【2.2.3.37】(同9%)、オーシャンS組【1.2.4.54】(同5%)、京都牝馬S組【0.2.0.7】(同22%)。芝1200MのシルクロードS組が最多7連対を果たしている。なお、優勝馬は出ていないが、率では京都牝馬S組が首位に立っている。

ここ4年を見ると、リベンジ馬が好走している。昨年は前年9着のファストフォース(12番人気)が優勝し、G1初制覇を飾った。21年の覇者ダノンスマッシュ(2番人気)は前年10着から雪辱を果たし、20年の勝ち馬モズスーパーフレア(9番人気)も前年15着からの巻き返し。前年の敗退から死角になっている。

年齢別は
4歳 【3.3.2.31】
5歳 【3.3.3.35】
6歳 【2.4.3.35】
7歳 【2.0.1.27】
8歳上【0.0.1.22】

連対率は15、14、14、7、0%。7歳以上になると連対数、率がガクと下がるが、4〜6歳ならどの世代からでも狙える。

牡馬は121頭出走して13連対(連対率11%)、牝馬は59頭で7連対(同12%)。牝馬は劣勢だが、ここ4年は20年の1、2着独占を含めて4年連続連対と牡馬を上回る成績を残している。

枠別成績は、
1枠【1.0.1.18】
2枠【3.2.1.14】
3枠【2.1.0.17】
4枠【0.2.4.14】
5枠【1.1.3.15】
6枠【0.0.0.20】
7枠【2.2.0.26】
8枠【1.2.1.26】

内の1〜4枠は【6.5.6.63】、外の5〜8枠が【4.5.4.87】。勝利数と3着で内枠がリードしているものの、大きな差にはなっていない。(たま)


◎......トウシンマカオは休養を挟んでスプリント重賞の京阪杯とオーシャンSを連勝。中団の前めから危なげなく抜け出す強い内容だった。前走の馬体重12キロ増は地力強化の証し。昨年の15着は極端な道悪が敗因。少し時計がかかるぐらいの馬場なら問題はない。昨年のうっ憤を晴らして春のプリント王の座に就く。

○......ルガルは橘Sで2勝目を挙げた後、芝1200Mの重賞で2、2、1着と好走。中でもこのレースの最有力ステップとなる前走シルクロードSでは、好スタートから直線で余裕を見せながら後続に3馬身差。時計も速く、まだまだ伸びしろを感じさせる。まさに充実一途で、G1初挑戦の不安よりも期待の方が大きい。

▲......ナムラクレアは昨年の当レースで1馬身差の2着に惜敗した5歳牝馬。芝1200Mは【5.1.2.1】と抜群の成績で、昨年の道悪馬場をこなしているのも心強い。今年初戦の京都牝馬Sでクビ差の2着に敗れたが、馬体重10キロ増は本番を見据えた余裕残しの仕上げ。ゴール前の脚勢は勝ち馬を上回っていた。リベンジVを目指す。

△1......ウインマーベルは芝1400Mの重賞を連勝中。スタートに課題を残しているが、ここ2戦のように五分に出れば好位につけられる脚があり、直線でも鋭い決め手を発揮する。昨秋のスプリンターズSは出遅れて6着に敗れたが、22年はクビ差の2着に好走。今のデキなら距離1ハロン短縮も望むところだ。

△2......ソーダズリングはデビューから1600〜2400Mを使われてきたが、前走は初の1400Mで勝利を挙げた。距離短縮でスムーズに流れに乗り、仕掛けてからの反応も素晴らしかった。距離がさらに短くなって強敵もそろうが、前走で下した相手がナムラクレア。新天地で大駆けがあっても驚けない。

△3......ビクターザウィナーは前走センテナリースプリントCを逃げ切り、香港G1初制覇。香港最強スプリンターのラッキースワイネス(6着)を寄せつけなかった。香港馬は過去2頭来日して1、5着。日本の高速馬場で先行押し切りを狙う。