記事

冬季五輪のオリンピアンでトップ20にランクインしたのは、荒川静香さんとこの浅田真央さんだけ。浅田さんはパラアスリートを応援する番組にも出演していた【写真：松尾/アフロスポーツ】

　元プロ野球選手が一大勢力となった男性アスリート部門とは異なり、女性アスリート部門では、幅広い競技のオリンピアンたちが上位に名を連ねた。トップ20の中でオリンピック出場歴がないのは、ゴルフの宮里藍さん（10位／ゴルフ競技は16年リオ五輪で112年ぶりに復活したばかり）とビーチバレーの浅尾美和さん（15位）だけだ。

　投票理由としては、「女性キャスターは華のある人にお願いしたい」といった男性目線の意見も少なからずあったものの、それ以上に「現役時代の実績が説得力を持つ」と、アスリートとしてのキャリアを評価してのコメントが大半を占めた。

　その中でも20％以上の支持率を得たのは、オリンピック3大会連続金メダルで“霊長類最強女子”の異名を取ったレスリングの吉田沙保里さん（1位）と、10年バンクーバー五輪で銀メダルのフィギュアスケーター、浅田真央さん（2位）の2人だけだ。

「朝の情報番組でパーソナリティーを務めていて、コメントも安定している」という吉田さんに対して、まだキャスター経験の少ない浅田さんは、「日本中が和みそう」などと、その穏やかで愛すべきキャラクターが支持されたようだ。

　輝かしいキャリアを築いた2人だが、ともに最後の五輪では悔し涙も流している。「敗者の気持ちにもきちんと寄り添える」、そんなキャスターになってくれそうだ。

1位に選ばれたのは、アテネ大会からレスリング55キロ級で五輪3連覇を成し遂げた吉田沙保里さん。現在は朝の情報番組で曜日パーソナリティーを務めている【写真：長田洋平/アフロスポーツ】

　すでにスポーツ番組や五輪報道番組でキャスターやコメンテーターとしての実績がある高橋尚子さん（5位）、荒川静香さん（7位）、畠山愛理さん（8位）、寺川綾さん（11位）などの選出理由には、「自身の競技だけでなく、複数の競技へのリスペクトがある」「コメントすることに対して真摯で、事前によく調べて敬意を持って臨んでいる」など、その勉強熱心ぶりを評価する声が多く届いた。

　ちなみに畠山さんには、「（夫が広島東洋カープの鈴木誠也選手で）広島ファンとして親しみがある」、寺川さんには「“熱盛”のイメージ！」といったコメントもあった。

　一方、スポーツ番組の枠を超えて活躍する陣内貴美子さん（19位）には「あの安定感が好き」、同じく杉山愛さん（17位）には「爽やかで好感が持てる」といった意見が。そして、いまやバラエティー番組に引っ張りだこの丸山桂里奈さん（13位）と浜口京子さん（18位）もトップ20にランクインしたが、「オリンピック番組で、あのキャラクターがどうなるのか面白そう」と、興味津々のファンが少なくないようだ。

　印象的だったのは、いずれも世界の頂点を極め、「その競技の枠を超えた全国区の認知度」を誇る3人、吉田沙保里さん、澤穂希さん（4位）、荒川静香さんに向けられた、アラフォー世代からのコメントだ。

「開催に賛否両論はあるけれど、同年代のヒロインたちが、立場を変えて東京オリンピックを報じてくれたら、きっと感動も倍になると思う」

（企画構成：YOJI-GEN）