1位は英語のフレーズを用いた独特の実況が人気の近藤アナ。以前はMLBやNFLの実況が中心だったが、現在は日ハム主催試合のプロ野球中継でお馴染みだ【平尾類】
最も多くの票を集めたのは、プロ野球の日本ハム主催試合の実況をメインに活躍する近藤祐司アナ。米国仕込みの英語力を駆使した独創的な実況が好評で、投票者からは「インパクトのある『イッツ・ゴーンヌ』や『ワン・ツー・スリー』など、海外で使われている言葉が馴染み深くなったのは紛れもなく近藤さんのおかげです!」「独特な言い回しが癖になる」「言葉選びにセンスを感じる」「ガンちゃん(岩本勉氏)とのトークはとても面白い」といった声が寄せられた。もともとはアメリカのプロスポーツ中継が主戦場で、とりわけ自身が日本代表に選出されるほどのプレーヤーだったアメフトに造詣が深く、「アメフトの実況が別格」というようなコメントも少なくなかった。
2位に入ったのはテレビ朝日の清水俊輔アナ。「声質、声量、知識、緩急、叫び具合など、どれを取っても最高レベルだと思います」「実況の腕は地上波で一番だと思う」「とにかく聞きやすい、声がいい、かっこいい」などの賛辞が寄せられた。試合実況だけでなくキャスターとしても活躍しており、「報ステのスポーツコーナーが好きだった」という声も。
CBCテレビの若狭敬一アナが3位。地元名古屋のプロ野球球団、中日のファンから圧倒的な支持を集めた。「地元名古屋でおしゃべりメガネという愛称で親しまれています」という若狭アナはドラゴンズの伝道師とも言える存在で、「入念に細かいデータを調べ、中継のなかで伝えるのは素晴らしい」「常に選手をリスペクトした発言で、なおかつ適度に砕けていてフレンドリー」などと多くの称賛の声が届いた。
地元のプロ野球球団のファンの間で人気が高いのは、7位に入ったサンテレビの湯浅明彦アナも同じ。「引退する選手の試合は必ず(実況を)任されるなど、阪神ファンは信頼を置いている。引退する選手への言葉がまた泣かせる」「知識量と、その情報が素早く出てくる頭の回転の速さ、実況のテンポ、朗らかな人柄。全てが素晴らしいです」など、タイガースファンからの賛辞が相次いだ。
巨人主催試合の実況を多く務める日本テレビの上重聡アナも、特定のプロ野球球団のファンからの投票が目立ったという点で若狭アナや湯浅アナに似ているかもしれない。「声がすごく良い。(野球)経験者だけに、プロ野球中継は特に分かりやすい」「解説者の方への質問内容が素晴らしい」といった意見が聞かれた上重アナは4位に入っている。「箱根駅伝の実況が好き」と、プロ野球の実況以外を選出理由に挙げるファンもいた。
「初めて実況を聞いた時、野球がこれほど好きな実況アナがいるのか?と感動した」というコメントが寄せられた小野塚康之アナ(10位)は、プロ野球中継はもちろん、「甲子園といえばこの方」というように、それ以上にNHK時代の高校野球実況でお馴染みだろう。16位の植草貞夫アナも「高校野球の実況といえば、植草さんしかいない」「夏の甲子園の実況は臨場感があり、迫力があります」などと高校野球ファンから熱烈に支持された。
「野球、競馬、F1と何をやっても素晴らしい! 日本一でしょう」と、そのオールラウンダーぶりを称える声が多かったのが5位にランクされたフジテレビの三宅正治アナ。「競馬、F1での名セリフが染みついている」「スポーツ番組全般なにをやっても他のアナウンサーと比較にならないくらい素晴らしい!」といったコメントのほかに、「めざましテレビよりスポーツ実況をやるべきだ」と、以前のようにスポーツ実況を担当してほしいという意見も聞かれた。
スポーツ以外のジャンルでも活躍する古舘アナだが、局アナ時代は新日本プロレスの実況を長く担当し、テレ朝退職後は世界水泳やF1の実況などを務めた【写真は共同】
6位の古舘伊知郎アナも、さまざまな競技の実況やスポーツ情報番組のキャスター・MCを務めてきたオールラウンダーだ。「プロレス、F1での独特の名アナウンスが鮮烈すぎて今でも忘れられない! スポーツをさらに盛り上げてくれる唯一無二の存在でしょう」「ジャンルに捉われない豊富な知識から紡ぎ出される言霊に圧倒される」といった称賛の言葉が届いた。
競馬実況で三宅アナに負けず劣らず高評価だったのが9位の杉本清アナ。「叙事詩的な実況」「競馬中継では杉本さんの右に出る人はいないと思います!」などといった声が聞かれた。
サッカーファンの支持率が高かったのが下田恒幸アナ(8位)。「言葉の選択がよく、聴き心地がいい」「おそらく現時点で最強アナウンサー。特徴の違うJリーグ、英プレミア、独ブンデスと三種の実況で圧倒的な評価がありながらも、モータースポーツの実況もできる」などと、サッカーに加えてモータースポーツの実況を称える声も少なくなかった。サッカーの実況では、「的確で、柔らかい語り口がとても好き」という倉敷保雄アナもランクイン(15位)している。
(企画構成:YOJI-GEN)