井上尚弥vs.TJ・ドヘニー

9/3 有明アリーナ

井上尚弥、7R開始直後にTKO勝利で防衛成功

ゲームスコア

大会名
世界Sバンタム級 4団体タイトルマッチ

井上尚弥(王者)

7R16秒・TKO

TJ・ドヘニー(挑戦者)

総括

 ボクシングWBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)の王座防衛戦が3日、アイルランドのTJ・ドヘニーを相手に東京・有明アリーナで行われた。

 サウスポーの強打者ドヘニーは前日計量から11キロ増量して試合に臨むが、井上は即座の打ち返し、ボディ打ちとドヘニーに好打を許さず試合を進める。

 試合中盤の6R、井上は右ボディアッパー、左ボディフック、右ボディストレートとボディ攻めを強化。KOが予感され、井上は7R開始から前に出るが、ここでドヘニーが不調を訴えギブアップ。7R TKOで井上が4団体王座防衛に成功した。

 唐突な幕切れに「長くやっているとこういう試合もあるということで、また次に期待をしてもらいたいと思います」と会心の笑顔とはいかなかった井上だが、「また12月楽しみにしてください」と、年内もう1試合をファンに約束してリングを後にした。

試合詳細

  • 入場

    ドヘニーは帽子をかぶり、場内を見渡しながら花道を進む。リングへの階段を上がり、客席に向かって両手を広げてからロープの間をくぐってリングインする。

    シャドーボクシングをするシルエットが場内に映し出され、そのスクリーンが落ちて井上が登場。左右の拳を振りながら花道を行く。階段を駆け上がってリングに入ると、右拳を上げ観客にアピールする。

    アイルランド、日本の順に国歌演奏が行われる。前を見つめるドヘニーに対し、井上は目を閉じて国歌に耳を澄ます。

    井上は小刻みに体を動かしながらコールを聞き、対してドヘニーはコールに合わせて左拳を突き出す。

  • 1R

    ドヘニーはサウスポーに構え、右手で井上の左グローブを触って探りを入れる。井上も左手でドヘニーの右グローブを触りながらロープまで追い詰める。ボディストレートのドヘニーに井上は左ショートフックをカウンター。

    井上はプレッシャーを緩めず、右ボディストレートを入れドヘニーを嫌がらせる。井上は再度ボディストレートを放ち、これはブロックされるもジャブでプレッシャーを与えていく。

  • 2R

    ドヘニーは前後にステップを踏み、右手のジャブを繰り出す。そこからダッシュして組みつくように前へ出るが、これはレフェリーに注意を受ける。井上は左のけん制からボディストレート。ドヘニーは体勢を崩し、ロープの間から頭が出る。

    ドヘニーはオーソドックスに変わりながらの左フックで浅くではあるが井上をとらえる。井上はしかし下がらず、ドヘニーをリングの角から逃がさずボディストレート。

  • 3R

    ドヘニーはロープを背にして立ち、左右に動く。そこからボディストレート、ストレートからの右フックと放つが、井上はブロック。ドヘニーが中央に出てきて左フックを振るっても井上は頭を振ってかわし当てさせない。

    終盤は井上がロープに詰めボディから顔への右ストレートを振るうが、これはドヘニーがかわす。

  • 4R

    井上のボディジャブにドヘニーは左ボディストレートをリターン。そして左ストレートを井上に当てる。続けて歩みながらの左フックを振るうが、井上も左フックをカウンターする。

    井上はドヘニーの打ち終わりに打ち返して圧力を掛け、コーナー・ロープに追い詰める。そしてボディストレート、ジャブ、強振した右フックを当てて終えるが、ドヘニーは大丈夫だとジェスチャーを見せる。

  • 5R

    井上は誘っているか自らコーナーまで下がる。そこからドヘニーがあまり来ないと見るや中央に出ていく。体を近づけるドヘニーに井上は左右のボディを打ち分ける。

    前に来るドヘニーに押し負けず、鈍い音で左ボディを響かせる井上。しかしドヘニーも左フックを放ってヒヤリとさせる。

  • 6R

    井上は右ボディフックからスタート。ドヘニーが打ち返してくるが圧力負けせず、ボディストレート、顔へのストレートと放ち、さらに左ボディフック、右ボディアッパーと打ち込む。ドヘニーは角度を変えた左フックで応戦も、井上はボディ攻めを緩めない。

    ドヘニーへのストレートをボディと顔で打ち分ける。左フックをブロックしながら井上は前に行く。そして右スレート、左ボディフック、右ボディストレートとドヘニーを攻め終了。

  • 7R

    開始から井上は前進。ドヘニーをコーナーに詰め右ストレートから連打を見舞うが、ドヘニーが腰のあたりか、不調を訴えるとレフェリーは試合をストップ。井上がTKOにより4団体王座防衛に成功した。

  • 井上尚弥のインタビュー

    「(ドヘニーに)少なからずダメージの蓄積はあったと思います。
    (ファンに)平日のお忙しい中、お集まり頂き本当にありがとうございました。
     今回の試合は丁寧にボクシングを組み立てるのがテーマで、ボクシングは簡単なものではないので、倒しに行こうと思って倒せるものではないので、ボクシングを理解して組み立てるのを意識しました。

     結果として満足するような期待していた試合内容ではなかったかもしれませんが、長くやっているとこういう試合もあるということで、また次に期待をしてもらいたいと思います。まだまだ未完成だと思いますし、今日の試合の内容というのは、ドヘニーのキャリアだったり試合運びの上手さがこういう内容にさせたと思うので、完成していないなと。もっと上を目指して頑張っていきたいと思います」

    リングに上がったボブ・アラムプロモーター
    「井上選手は年内に東京で試合をして、来年はラスベガスで大きなイベントを開催して迎えたいと思っています」

    井上
    「本当に応援ありがとうございました。こうしてみなさんが見に来てくれて、配信を見てくれて、僕はボクシングができるんだと思っていますので、引き続き応援してくれたら嬉しいと思ってますので、また12月楽しみにしてください」

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