MLB戦力ランキング【2024年後半戦】
記事
MLBは7月31日(日本時間、以下同)、2024年シーズンのトレード・デッドラインを迎え、終盤戦に向けての各チームの陣容が固まった。
このランキングでは、ア・リーグ全15球団の戦力を「打力」(30点満点)「機動力」(10点満点)「投手力」(30点満点)「守備力」「選手層」「経験値」(各10点満点)の6つに分けて、100点満点で評価。さらに、7つ目の項目として「補強」の項目を設け、加点/減点方式で評価した。
ア・リーグの1位は一体どの球団だろうか?
(企画監修・解説:村田洋輔)
※ランキング上位と解説はスポーツナビアプリでご覧いただけます。
※チーム名の後ろの(東)(中)(西)は地区名を表しています。
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解説
ア・リーグ各球団のトレード・デッドラインの動きを振り返りつつ、地区優勝やプレーオフ争いの行方を展望する。
東地区はオリオールズとヤンキースが熾烈な優勝争いを繰り広げており、それをレッドソックスが追うという構図。故障者続出で先発陣に不安を抱えていたオリオールズは、トレードでザック・エフリンとトレーバー・ロジャーズを獲得し、ローテを強化した。打線とブルペンもテコ入れしており、充実の戦力がさらにパワーアップした印象を受ける。
ヤンキースは打線にジャズ・チザムJr.を加え、ブルペンも補強。アーロン・ジャッジとフアン・ソトが牽引する打線は球界トップクラスの得点力を誇り、6月以降に陰りが見え始めてきた投手陣の踏ん張りがカギを握る。
レッドソックスも打線は充実。吉田正尚は7月に月間打率.350を記録するなど、不可欠な戦力となりつつある。ドジャースからDFAとなったジェームズ・パクストンらを獲得して投手陣を整備したが、逆転での地区優勝は難しく、ワイルドカード獲得が現実的な目標となるだろう。
レイズも勝率5割以上をキープしているが、複数の主力をトレードで放出してやや戦力ダウン。ブルージェイズは今季限りで契約が切れる選手を次々に放出し、今季のプレーオフ進出を完全に諦めた。
前田健太に先発復帰のチャンスも
中地区はガーディアンズが一歩リードし、昨季の地区王者ツインズと今季大躍進のロイヤルズが追っている。
ガーディアンズは俊足好打のレーン・トーマスをトレードで獲得して打線を強化。球界最強のブルペンを擁しており、2年ぶりの地区優勝を成し遂げるためには先発陣の頑張りがポイントとなる。ツインズは中継ぎのトレバー・リチャーズを獲得した以外に目立った動きがなく、投打のバランスが取れた現有戦力で勝負する。
一方のロイヤルズはポール・デジョング、マイケル・ロレンゼン、ハンター・ハービー、ルーカス・エルセグと積極的なトレード補強を展開。世界一に輝いた2015年以来、9年ぶりとなるプレーオフ進出を本気で目指している。
タイガースは噂されていたタリク・スカバルの放出にこそ動かなかったものの、ジャック・フラーティなど複数の主力を手放して戦力ダウン。先発のコマが不足しており、ブルペンに回っている前田健太には先発復帰のチャンスがあるかもしれない。
ホワイトソックスは17連敗を継続したまま7月の戦いを終了。20世紀の最多記録であるシーズン120敗を超える可能性もあり、別の意味で目が離せないチームだ。
菊池雄星がチームの命運を左右する
西地区は他地区に比べて上位陣の勝率が低く、低レベルな優勝争いとなっている。昨季まで7年連続で、少なくともリーグ優勝決定シリーズまで進出しているアストロズは、故障者続出の先発陣を強化するためにブルージェイズから菊池雄星を獲得。大きな対価を支払ったトレードだっただけに、菊池が期待に応えられるかどうかはチームの命運を大きく左右する。
対照的に充実のローテを誇るマリナーズは、ランディ・アロザレーナとジャスティン・ターナーを獲得して弱点の打線を強化。ブルペンにもイミ・ガルシア、ジョン・シャーゴワという実力者を加え、戦力アップに成功した。昨季王者のレンジャーズは小規模なトレード補強にとどまっており、ジェイコブ・デグロムら故障者の復帰が最大の補強ということになりそうだ。
エンゼルスは守護神カルロス・エステベスらを放出し、2014年以来10年ぶりのプレーオフ進出は絶望的に。アスレチックスも一部の主力を放出したが、ローレンス・バトラーら若手の活躍が目立っており、3年ぶりの最下位脱出も夢ではない状況だ。
関連リンク
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