WBC・出場チーム「戦力ランキング」

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 開幕前にお届けした「出場20チーム・戦力ランキング」のベスト8版だ。決勝ラウンドに駒を進めた8チームの戦力を、各プールでの戦いぶりや起用法なども加味して改めて採点した。
(企画・編集/データスタジアム株式会社)

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解説

トラウトは決勝ラウンド進出をかけたコロンビア戦で3安打を放った【Photo by Norm Hall/Getty Images】

 ランキングトップのアメリカはまさかのプールC・2位通過となったが、チーム状態は上がってきている。やや手薄と見られていた先発投手陣はアダム・ウェインライトやランス・リンが役割を果たし、満遍なく起用された救援陣も状態の良し悪しがややはっきりしたものの、各球団のクローザーやセットアッパークラスがそろう陣容への不安要素は小さい。打線はカナダ戦で初回に9得点を挙げるなど、前評判通りの爆発力を披露。主砲のマイク・トラウトや昨季46本塁打のカイル・シュワーバーにも一発が飛び出しており、その他の主力も長打を連発している。2大会連続優勝を目指すにあたり、先発陣の踏ん張りが必要になりそうだ。

1次ラウンド・プールBのMVPに選出された大谷翔平、決勝ラウンドでの活躍も期待される【Photo by Kenta Harada/Getty Images】

 ランキング2番手は投打がかみ合った戦いを見せ、プールBを1位で勝ち抜いた日本。ピッチャーでは先発の佐々木朗希や山本由伸、第2先発の今永昇太や宮城大弥が実力を発揮するなど、前評判通りの投手力を披露。準々決勝以降はメジャーリーガーがそろう強豪国との対戦が予想されるが、強力打線に立ち向かう準備は整っているといえるだろう。一方の打線はラーズ・ヌートバーと近藤健介の1、2番コンビが躍動。3番・大谷翔平が走者をきっちりと返すなど、1次ラウンドでは平均得点9.5点を記録した。下位に座る選手もそれぞれに役割を果たしており、日本史上最強とうたわれる打線が前評判どおりかそれ以上の攻撃力を見せている。

 準々決勝では日本と対戦するイタリア。投手陣の立役者は、間違いなくマシュー・ハービーだろう。プール突破の有力候補だったキューバとオランダを相手に好投を披露し、チームに貴重な2勝を呼び込んだ。ただ、大会規定によって日本戦では登板することができない。アメリカ行きに向けては、メジャーで実績を積んでいるアンドレ・パランテやマシュー・フェスタといった救援陣の働きが大きなカギを握っているだろう。一方の打線はプールAの4試合でチーム本塁打がゼロと長打力に欠けるものの、盗塁やバントなど足と小技を織り交ぜた攻撃が1次ラウンド突破に大きく貢献した。ここまで好調なニッキー・ロペスを中心に、相手投手陣を打ち崩したい。

ドミニカ共和国戦に先発したペレスは3回1/3を1失点に抑えた【Photo by Eric Espada/Getty Images】

 プールD最終戦で優勝候補の一角・ドミニカ共和国との直接対決を制し、準々決勝進出を果たしたプエルトリコ。1番・ショートで全試合スタメン出場し、攻守に躍動するフランシスコ・リンドーアを筆頭に打線は状態が良い。4試合で本塁打は2本のみだが、一気にたたみかけるような攻撃で複数得点を挙げるイニングが多いのが特徴だ。一方の投手陣はイスラエル戦で8回参考ながら継投による完全試合を達成するなど、仕上がりは上々。手薄と見られていた先発もここまでまずまずの投球を見せているものの、やはり強みは160キロ近いボールを投げる投手がそろう救援陣だ。エドウィン・ディアスのアクシデントは大きな誤算となるが、その他のリリーバーによるフル回転の活躍は今後の戦いの命運を握っているだろう。

 プールD最速で準々決勝進出を決めたベネズエラは、投打ともにバランスの良さが際立った。先発陣は初戦の大一番・ドミニカ共和国戦を任されたマーティン・ペレスを筆頭に、パブロ・ロペス、ヘスス・ルザルドらが1失点以内に抑えて継投し、役割を果たした。また大会前は他の強豪国に比べてやや戦力が落ちると思われていた救援陣が4試合を通じて防御率2.05と好調で、1位通過に大きく貢献した。一方の打撃陣は事前の評価通りの攻撃力を発揮。中でもサルバドール・ペレスやアンソニー・サンタンダーが好調で、プエルトリコ戦では2人で8打点を記録した。1次ラウンドでは上位から下位を通して長打が飛び出しており、ここまで見せてきた細かい継投で守り切れるかが鍵になりそうだ。

 アメリカを抑えてプールCを1位で通過したメキシコは打線が好調だ。爆発的な長打力こそないものの、つながりのある攻撃でアメリカ戦も含めて2試合で2ケタ得点を記録。1次ラウンド4試合で9打点を挙げたランディ・アロサレーナ、アメリカ戦で1試合2本塁打を放ったジョーイ・メネセスの打席でチャンスを作れるかが勝負のカギとなる。一方の投手陣は、粒ぞろいの先発陣が4試合すべてで3イニング以上を投げ、球数制限下でも一定の働きを見せた。準々決勝以降も激戦が予想されるが、悲願の初優勝に向けては先発陣とともにロングリリーフのハビエル・アサド、ルイス・セサ、抑えのジョバンニ・ガイェゴスらの奮闘も欠かせないだろう。

準決勝進出を決めたキューバ、ベテランのデスパイネが打線を牽引する【Photo by Gene Wang/Getty Images】

 激戦のプールAを1位で通過したキューバ。開幕2連敗で窮地に立たされたものの、続くパナマ戦とチャイニーズ・タイペイ戦では攻撃陣が躍動し、「野球王国」の底力を見せつけた。元ソフトバンクのアルフレド・デスパイネを中心とした打線は、下位のヤディル・ドレイクやヤディル・ムヒカらが好調なこともあり、破壊力は抜群。投手陣は大会前の評価では先発陣に不安ありとしていたが、中日ではリリーフを務めるジャリエル・ロドリゲスが先発に回ったことでバランスが良化した。また、救援のミゲル・ロメロが3試合で好リリーフを見せるなど、ここまでは比較的失点を抑えられている。

 初の1次ラウンド突破となったオーストラリア。打線は日本戦こそ1得点に終わったものの、プールでの1試合の平均得点は7.25点と上々。4戦すべてで本塁打が飛び出すなど、前評判を覆す打力を見せた。この先の戦いでは相手チームの投手力も上がってくるが、復調気配のあるアレックス・ホールや好調のR.グレンディニングを中心に打撃力を発揮したい。一方で、投手陣は絶対的な存在はおらず、継投策で勝利をつかんできた。ここまで長いイニングを投げ抜いたピッチャーはいないだけに、先発・救援の力を結集した投手リレーで、粘り強く戦い抜きたい。

 15日におこなわれたキューバvs.オーストラリアの準々決勝は付かず離れずの白熱の展開となり、接戦を制したキューバが準優勝した2006年の第1回大会以来となるベスト4進出を決めた。16日の日本vs.イタリアの準々決勝も含め、22日の決勝まで残り試合もわずか。強豪国がそろった一発勝負の決勝ラウンドを勝ち抜くのはどのチームとなるか、今後の試合にも注目だ。

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