渋野日向子が「Vポイント×SMBC」で好発進! 難コースで好スコアを出す秘訣を聞いてみた

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好発進を見せた渋野。最終日まで元気な姿を日本のファンに見せてほしい。(写真は2025年Vポイント×SMBC レディス 撮影/Getty Images) 【ゴルフサプリ】

日本女子ツアー「Vポイント×SMBC レディス 」初日(21日)、昨年11月以来の国内参戦となった渋野日向子が首位と3打差の4位で好発進した。男女の日本オープンを開催した実績のある紫カントリークラブすみれコースで、渋野や首位の青木瀬令奈ら上位陣はいかに好スコアを出したのかを聞いてみた。

「難しすぎる」コースで4バーディ。1パットが9回!だった理由は

今年の会場となった紫CCすみれコースは2020年に男子の「日本オープン」。22年には「日本女子オープン」を開催した実績があります。
この時は出場していない渋野は練習日に「難しすぎるので、どうしましょう」と話していました。

昨年日本で出た2試合のうち、直近の「TOTOジャパンクラシック」は予選カットなし。8月の「北海道meijiカップ」は初日に75を打って予選落ちしているだけに「今大会は(予選通過して)3日間やることが目標」と話していたほどなので、どうなることかと思われました。

それが始まってみれば4アンダー、2ボギーの70で好発進。スリーパットはなく、ワンパットでしのいだのが9回もありました。
「しぶとくパットを決められた」のは、何が良かったのか気になるところ。
そこでホールアウト後に聞いてみたところ「ラインがしっかり読めて、それを信じて打ったのが良かったのだと思います」と答えました。

傾斜がキツい上に12フィートのスピードが出ていたグリーンは、キャリーで着弾させる場所によってはナイスショットが不本意な結果になることもあります。

渋野もその意識が強かったのか「前半はグリーンを狙うショットが緩んでいた」と多少の迷いがあったと打ち明けました。
それでもグリーン上では、自身のライン読みを信じ、迷いを打ち消したことが好結果に結びついたようです。

首位の青木瀬令奈は大西翔太コーチの経験値を信頼

では、他の上位選手は何が良かったのでしょう。

5アンダーで首位の青木はキャディを務める大西翔太コーチが自身のラウンドやジュニアの指導などで「100回ぐらいは回っていると思います」という、経験をフル活用しました。

「グリーンは本当に小さな傾斜が多くて、見た目と逆に切れたりとか意外に切れなかったりするんです。普段はほとんど(ラインを)聞かないんですけど、ここは経験がモノを言うだろうから、パットの度に大西コーチの過去の情報を引き出してもらっていました」(青木)。

歴史のある砲台グリーンのコースといえば、手前から攻めるのが定石です。

ただし大西コーチは「奥のピンを手前から攻めると、マウンド越えで最後は下りになることがあります。それなら奥に外しても上りのアプローチになるからパーは取りやすい、などと話してストレスを減らすようにしました」と言います。

いわゆる名門コースでは、経験豊富なベテランキャディが付いてくれることがあります。
その際は、青木のように経験に基づくアドバイスをフル活用するのが良さそうですね

歴史のある砲台グリーンのコースに選手たちは苦しめられた。(写真/森伊知郎) 【ゴルフサプリ】

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2位の吉田優利 4位の菅楓華は?

地元の千葉出身でSMBCとスポンサー契約していて首位と1打差の2位発進。4打差で8位の妹の鈴(りん)とともに大声援を受けてプレーした吉田優利は「グリーンが本当に綺麗なので、いいパットを打ったら入るし、読み間違えたら外す。すごくシンプルなのでストレスなく回れています」と話しました。

アマチュアは原因がどうあれパットを外すと悔しがりがちですが、ラインの読み間違えが原因で外した場合は、狙い通りに打てていることでもあります。
そう考えればシンプル。読みが合えば次は入る。いいストロークができている、と考えるようにすればストレスは減り、前向きになれるはずです。

2週前の開幕戦「ダイキンオーキッド」で優勝争いして2位だった菅楓華は1番でボギー。難コースで嫌な滑り出しとなりましたが「まだ最初(のホール)だから」と心を波立たせないように努めました。
朝イチのホールで叩いたことがきっかけで、その日が“終わってしまう”ような経験があったら、これも見習いたいことですね。

この日の全体の平均スコアは74.2963。平均がアンダーだったホールは3つしかなかったタフなコンディションでもきっちり結果を出した女子プロたちは何を考えていたのか。

一般ゴルファーも紫CCのような難コースでプレーする機会に恵まれることはあるかと思います。
そこであえなく大叩きの撃沈…とならないように、好スコアを出した女子プロたちの意識を参考にしてみてはいかがでしょう。

(取材・文/森伊知郎)
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