ライン読みはグリーンに乗ってからじゃ遅い!? スコアを求める人はグリーンを狙うショットの時から考えている

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石井良介のゴルフ・すべらない話:第68回

アベレージゴルファーにとってパーオンは大きな目標。乗れば気分がアガる。でも「勝負はそこからで、パーオンしたからといって同伴競技者とおしゃべりしている場合ではありません!」という石井良介。スコアを求めるのならば、グリーンに乗る前から“ある程度の傾斜(ライン)”の情報を収集しておくべきだと言う。

グリーンには一番低いところから乗って「傾斜の情報」を整理する

ハッキリ言って、グリーンに乗ってから上り下りやスライス、フックを考えているようでは、バーディはおろかパーも危うい。ボールの後ろに立って「これスライスかな?」なんて論外で、乗る前にある程度ラインがわかっていなければいけません。

もっと言えば、ショットでグリーンを狙う時、究極的にはティショットから考えなければいけないことですが、ラウンド機会が少ないアベレージゴルファーの方はそうもいきませんから、グリーンを狙うショットを打つ前、最低でもグリーンオンしたら必ず遠目からグリーンを観察しましょう。

必ず見ておきたいのはグリーンの一番高いところと一番低いところ。遠目から目視できる傾斜は斜度があり、パットに大きく影響する可能性があるからです。いざグリーンに乗ったら傾斜が違った、というケースもありますが、遠目に見える傾斜の情報はほぼ裏切りません。また、迷った時の判断材料にもなるので高低の目星はつけておくべき。グリーンには一番低いところから乗って傾斜の情報を整理します。

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いずれにしても、ラインについてはグリーンに乗る前におおよその見当はつけておくこと。例えば日本のコースに多い受けグリーンなら、ピンの手前に乗れば上り、奥なら下り、ピンの左に乗ればスライス、右ならフックラインが残ります。そんなに単純ではないとしても拠り所にはなります。これはカートのラウンドでも同様。ショットを打つ前やカートを降りてからグリーンを見る機会があるわけですからね。最近は傾斜が出ているナビもありますから、それを利用してもいいでしょう。

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グリーンではボールからカップまで歩きますが、僕はバケツ一杯に入ったスーパーボールをグリーン上に撒いてみます。もちろんイメージの中でですが、こうするとボールは一斉に低い方に流れます。僕はゲームをしてきた世代なんですが、ゴルフゲームではグリーン上でドットが流れていました。それをオーバーラップさせているわけです。今はスマホのゲームとかでいろいろなパターンがあると思うので、それでボールの転がりをイメージしても楽しいと思います。

人によってはフックラインやスライスライン、上り下りなど、残したいラインがあるかもしれません。アマチュアの方の場合、上りを残すのが基本と言われますよね。もちろんそれでもいいですが、ゴルフ場によっては下りを残した方がいいこともあります。

スコアを追求するなら、芝目にも敏感になりたい

僕は2月にJLGAツアーリコーカップの舞台の宮崎カントリーを回ったのですが、上りの逆目がキツくて体感スピードは4~5フィートでした。でも順目は9~10フィート出る。バーディを狙って1メートルオーバーした時に、上りの逆目の返しを打ったら半分も転がらず3パットしたので、それ以降はキャディさんに下りの順目が残る位置を聞き、そこを狙うようにしたら距離感が合いました。

プロテストの時も緊張で手が動かなくなると上りが打ちきれないので、なるべく下りを残しました。雨の日も下りのパットの方が距離を合わせやすいと思います。

芝目についてはグリーンキーパーのクセも影響するようです。あるキーパーさんは、完全に芝目をなくし、純粋に傾斜だけでパットができるようにグリーンを仕上げたいそうです。ベントでも目はできるらしく、そこをどう仕上げるかがポイントだと言ってました。ただ、これはコースによって違うので、我々は目があるのかどうかも含めて対応しなければなりません。

グリーンの刈り方やコンディションにも対応が必要です。同じ1%の傾斜でも、これらの違いで曲がり方が変わります。練習グリーンで把握してからスタートするのが基本ですが、練習グリーンに乗る時に、ちゃんと芝が刈られているかどうかもチェックした方がいい。練習グリーンよりコースの方が速い時があるし、その逆もあります。ちょっと残念な気がしますが、それも受け入れるのがゴルフ。この段階からパッティングの勝負は始まっているんです。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。

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著者プロフィール

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