【諸見里しのぶが解説】大混戦の「ダイキンオーキッド」最終日はこれがカギになる
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宮里藍以来の10代チャンピオン誕生か 歴代優勝者が制するのか
2位の岩井千怜は5 、6番の連続バーディで勢いに乗ったかと思われましたが、7番パー5で1メートルのバーディチャンスからまさかの3パット。このシーンに象徴されるように微妙なラインに乗ることが多く、31パットとグリーンで苦戦しました。
3位の申ジエは、勝てば通算29勝で永久シードに大手。さらに今大会単独42位以上で生涯獲得賞金が不動裕理を抜いてトップに立つという記録がかかっています。
さらに3位タイには昨シーズン最終戦との連勝を狙う桑木志帆。2022年「アースモンダミン」以来の2勝目をめざす木村彩子が並んでいます。
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沖縄出身でダイキン工業所属。諸見里しのぶが挙げた勝利へのキーポイントは
沖縄出身でダイキン工業所属。今週はテレビ中継のラウンドリポーターをする諸見里しのぶに勝負のポイントを聞いてみました。
まず挙げたのは「本土 とは違う風の読み」です。
今大会開催コースの琉球GCに限らず沖縄のゴルフ場はどこも海に近いこともあり、塩気を含んだ風は、アゲンスト、フォロー、横風の全てにおいて、より影響があるそうです。
諸見里は高校から沖縄を離れましたが、逆に同じ風速でも「そんなに曲がらないんだ」と思った経験が多々あったのだとか。
「普段とは違う距離感。(風に流されて)曲がる感覚をいかにアジャストできるかですね」(諸見里)。
そして、もうひとつが「いかにピンに突っ込まずに手前から行けるか」でした。
クラブとボールの進化により「今の若い選手はピンに突っ込んでいくことが多いですけど、今週のグリーンはとにかく速いので、ピンを攻めるとオーバーして難しいラインのパットや奥からのアプローチを残すことになります。『手前から』への切り替えがいかにできるかだと思います」(諸見里)。
グリーンのスピードを示す「ステインプメーター」は、雨の初日でも10フィート 3/4でした。
それが2日目は11フィートで3日目は11フィート1/4とどんどん速くなっています。
首位とスコアが初日(4アンダー)から2日かかって1打しか伸びていないのは選手たちがグリーンに苦戦していることも原因です。
最終日のコンディションやピンポジションへの対応力。マネジメント力が問われることになりそうです。
トップ3の最終日のテーマは
風への対応、となると今大会初出場の菅は若干不利かもしれません。
それでも「今日は目の前の1打に集中してプレー出来て緊張はしなかった」と言うように、ラウンド後のメディア対応も浮足立ったところは見られません。
「明日は1番ホールに立った時に緊張するかもしれないけど、成長した自分も見てみたい」と落ち着いた様子がキープできれば初優勝もありそうです。
「ダイキン」では過去に2015、16年のテレサ・ルーしか達成していない連覇を狙う千怜は「上りのパットを残すのがいいとわかっていても、どうしてもピンに突っ込んでしまう」と話していました。
昨シーズンのバーディ数が「平均」(3.9231個)「トータル」(408個)ともに5位と攻めるゴルフが身上ですが、この気持ちをいかにコントロールできるかがカギのようです。
申ジエは昨シーズン、日本ツアーは16試合しか出なかったのでポイントランキング17位でしたが、主戦場を日本に置く今年は年間女王や最優秀選手を目標に掲げているだけに怖い存在です。
また桑木はオフにアプローチを強化した成果でこの日はワンパットとゼロパットが合計8回。高麗芝にティフトンが混ざったラフからのショットのコツを掴んだそうですが「お話しすると(記事を見た他の選手に)盗まれそうなので、お話ししません」と不敵な笑み。
木村も3日間トータルのパット数がトップ3では圧倒的に少ない76(菅85、千怜89、申86、桑木85)とグリーン攻略に成功していることが強みとなりそうです。
1アンダーの10位までを含めると13人。ひとつのホール。ひとつのパットで展開が大きく変わりそうな最終日に注目です。
(取材・文/森伊知郎)
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