地道なプレーの積み重ねが育む、チームの太い根幹。その守備に注目せよ
S愛知としては、4連勝を飾ってさらに波に乗りたい試合だ。4勝1敗の成績は、首位を走るレッドハリケーンズ大阪と同じ。しかし、今節を前にしてのS愛知の得失点差は86。ディビジョン2で得点数は最多、失点数は最少の数字だ。直近2試合で勝ち点5を獲得するなど、好調を維持している。その要因の一つが、セットピースの安定。
徳野洋一ヘッドコーチは特にスクラムについて、「今季の開幕から2試合は少しチグハグな状態だったが、コーチと選手が同じ絵を見ながらやってきて、徐々に良くなってきた」と説明する。ただ、「もともとスクラムを強みにしているチーム。5年がかりで強化をしてきたので、本来の力はもっと高いところにないといけない」と上を見据えている。
開幕からプロップで先発出場を続けている山口知貴も、「昨季のS愛知のスクラムからしたら、まだまだ足りないです」と兜の緒を締める。「圧倒的なスクラムで相手を押し込んで、ペナルティを取れるように」フォワード陣一丸で向上していく意気込みだ。
前節、山口からバトンを受け取って今季初出場を果たした津志田卓哉は「試合のメンバーに選ばれたことに感謝して、自分にできることを100%やる気持ちでした」と回想する。スクラムの内容が良くなっていったのも、津志田をはじめ出場機会が限られていたメンバーの貢献があったからこそ。
選手同士のコミュニケーションのち密さも、S愛知のストロングポイントの一つだ。また山口は好調の要因について、失点の少なさを挙げる。「アタックや得点するところは個人の能力によることもある。ただディフェンスは、チームとして守ることが大切なので、得点数より失点数を意識しています」。
S愛知にとって、一つひとつの地道なプレーが生み出す強固なディフェンスは、チームのラグビースタイルの根幹。S愛知の試合を観るときは、ディフェンスの部分に注目してみると、また違った発見があるかもしれない。
(齋藤弦)
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