なぜきのこは「体にいい」と言われるのか?毎日食べるメリットとは
きのこが「体にいい」と言われる理由を、薬剤師で薬膳アドバイザー、フードコーディネーターの山形ゆかりさんがお伝えいたします。
【MELOS】
きのこを食べると、どんなメリットが期待できる?
きのこ類の多くには、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、便のカサを増やすことにより便秘を解消する、腸内細菌の善玉菌のエサになる、腸内環境を整えることに役立ちます。
免疫を整える
また、免疫細胞の多くが腸内に存在していると考えられており、腸内環境が整うことは免疫力を高めることにもつながります。
きのこに含まれている食物繊維の一種には「β-グルカン」と呼ばれるものがあります。β-グルカンは、腸内の免疫細胞に直接働きかけるとされており、より免疫力の維持が期待できます。
きのこの種類別で見た栄養とメリット
「しめじ」に期待できる栄養
しめじにはカリウムがとくに多く含まれています。カリウムには体内にたまった余分な塩分を排泄させる効果があるので、むくみをとったり、血圧を下げる効果が期待できます。
また、オルニチンという成分も豊富に含まれています。オルニチンには疲労回復効果や、肝機能を高める効果があるとされています。
「まいたけ」に期待できる栄養
まいたけには、まいたけ特有のMD-フラクションという成分が含まれています。食物繊維のβ-グルカンから抽出された成分で、免疫力を強め、抗アレルギーの作用があるとされています。
また、多糖類の一種であるMX-フラクションという成分も注目されています。MX-フラクションもまいたけに唯一含まれている成分で、内臓脂肪を減らしたり、基礎代謝を高めたりする効果が期待できるとして研究が進められています。
「エリンギ」に期待できる栄養
エリンギには他のきのこ類と比較すると、葉酸が豊富に含まれています。葉酸とはビタミンB群の水溶性ビタミンで、ビタミン12とともに赤血球を作る際に必要になります。
別名「造血のビタミン」と呼ばれており、貧血予防に役立ちます。
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えのきだけには、パントテン酸という成分が含まれています。パントテン酸は副腎皮質ホルモンの原料となり、ストレスを和らげる効果が期待できます。
また、アミノ酸の一種であるGABA(ギャバ)も含まれています。GABAには、副交感神経を優位に働かせる効果があるといわれています。イライラやストレスがたまって、交感神経が優位になり過ぎているときにおすすめです。
「なめこ」に期待できる栄養
なめこには特有のぬめりがあり、このぬめりには水溶性食物繊維のペクチンが含まれています。
ペクチンは、血糖値の急上昇を抑え、コレステロールの吸収を抑えてくれる働きがあるといわれています。
また、粘膜を保護する作用もあるため胃粘膜を保護し、胃腸炎の予防や回復に役立ちます。鼻や喉の粘膜も保護するので、風邪予防にもつながるといえるでしょう。
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