練習がゴルフを下手にする!? 右側打席での練習がスライスを助長、マットではダフると飛ぶ? 知って得する「練習場の秘密」

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吉本巧のゴルフギア教室 第40回

知って得する「練習場の秘密」について、吉本巧がわかりやすく解説してくれた。

スライサーは真ん中よりも左側の打席で練習したほうが良い!

練習場はボールを回収する都合上、奥が高く打席側が低い、打ち上げになっていることが多いと思います。フラットに見える練習場でも多少の傾斜はついていますが、山に向かって打つように、あからさまに打ち上げている練習場は避けたいです。

なぜかといえば、打球が上がらない錯覚に陥るから。高さが出ないと思ってあおり打ちになり、スイングがおかしくなる危険があります。適正距離が出ていない感じもして知らず知らずムチャ振りするようにもなりますから、できれば打席と着弾位置の高低差が少ない環境で練習するのが理想。練習場の作りによりますが、打ち上げているなら1階より2階打席の方がいいかもしれません。

前後の打席にムチャ振りする人、あるいはやたらと打つペースが早い人がいる打席も避けましょう。後者は視界に入らなくても、音に影響されてマイペースで打てなくなります。人のペースに影響されやすい人は、実戦で同伴プレーヤーのリズムに影響されやすい傾向があります。練習中に自分が影響されやすいとわかればラウンドで気をつけることができるので、逆にちょっと気にしてみてもいいかもしれません。

打席の位置どりについて言うと左半分がいいと思います。20打席あったら真ん中から左の10打席の中から選ぶということです。右サイド打席で打った場合、ターゲットが左になりやすい。練習場によっては打席自体が左を向いているところもあります。いずれにしても右から左に打つ格好になるわけで、そうなるとアウトサイド・インのスイング軌道になりやすい。スライサーはスライスを助長することになりかねないんです。

もちろん、左サイドの打席でも左すぎると右打席と逆の現象が起きますから、ちょっと左がいい。ターゲットを適度に右に設定すると、クラブをインから下ろしやすくなります。打席によって作られるスイングイメージが変わってくるので、特にスライス傾向の人は右サイドが広い打席がおすすめというわけです。これはティイングエリアでも同様で、左端からセンターを狙うと圧倒的にクラブがインから下りやすくなります。

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練習場のマットではボール1個から半個分くらいダフると一番飛ぶ

練習場のマットはボール1個から半個分くらいダフった時が一番飛びます。ちょっと手前からヘッドが入ると、ソールがターゲット方向に滑って直進性が強くなりヘッドが走るんです。ダフったぶんスピン量も落ちますからドーンと飛びます。

アマチュアの方はそんな打球を見て「これはいいじゃん!」と思いがち。僕はこれを“マットマジック”と呼んでいますが、コースで同じように打つと、ちょい噛みかダフりにしかなりません。こうなるくらいならトップを打つ方がよほどいい。ダフりは魔法がかかりますがトップはウソをつきません。意図してトップを打つのは打点を安定させる意味でいい練習になります。

また、練習場でハイバウンスのウェッジを使うのは好ましくありません。バウンスが多いウェッジは人工芝の上からはちゃんと打てない。特に人工芝が摩耗しているとボールが浮かないためバウンスが入っていきません。12度以上あるとリーディングエッジから当たるのでトップしか出ず、無理やり打つとマットに弾き返されます。12度以上のウェッジで打てない環境で練習しても下手になるだけ。打てるバウンスは8度以下です。

スタンスマットが硬い場合も注意が必要です。特に屋外の練習場などでは打席に黒く硬いゴムマットが敷いてあります。耐久性の高いゴムですが、そこでスパイクレスシューズを履いて立つと足場が浮いて、ちょっとツマ先下がりになります。本来は芝を掴むのに掴むものがない状態ですから、そこでナイスショットしてもコースではダフる。下半身が浮いてバランスも悪いため、当てにいって手打ちになるリスクもあります。スパイクも摩耗してもったいない。

足場が硬い環境ではスパイクレスシューズやスニーカーの方がいいでしょう。ただ、スパイクレスも硬いゴムの上だと滑るので要注意。律儀に履き替えて下手になるんじゃたまったもんじゃないですからね。

これはおもにコースの練習場での話になりますが、左からの風の中で練習するのはよくありません。ボールが右に飛びやすいため、アウトサイドからダウンスイングして左に振りやすくなります。気づかずに打ち続けるとスイングがどんどん悪くなる。アゲンストの場合も同様のことが言えるので、左からのアゲンストの中で練習するのは最悪です。
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

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