ゴルフライターT島が切り込む！フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情／第166回

日本シャフトのモーダス120のSが大好物なゴルフライター・T島氏。なのだが……最近は「ヒジが痛むのよ」と悩みがある様子。大蔵ゴルフスタジオでフィッティングを受けたのだが、どうやらアイアンのシャフトをスチールからカーボンに変える時期が来たのかもしれないという。フィッター・野倉とT島氏がアイアンシャフトの変えどきについて語り合ってみた。

T島　唐突ですが、大蔵ゴルフスタジオでアイアンシャフトのフィッティングをしてもらいました。
野倉　フィッター金子とわたくしフィッター野倉の二人がかりで対応させていただきました。
T島　Youtubeの撮影をした後だったので、お客様に対するフィッティングと比べて…かなり簡易的なフィッティングでしたが……
野倉　簡易的（笑）だってT島さんはシャフトの知識があるから詳しい説明が必要ないし、一発打ったら。“これはナイ”とか言うから、そりゃ早く進んじゃいます。
T島　重さも目安がついているし、全部打っているからね。さて、ここでアイアンシャフトをスチールからカーボンにすることのメリットをダイナマン（野倉）に説明してもらいましょう！

野倉　まずはバリエーションの多さですね。重さだけでなく特性もバリエーション豊かです。選べる幅が広いということですね。カーボンシャフトのほうが設計の自由度が高いので、“もうちょっとこうしたい”という時に助かりますね。あとは体への負担の少なさでしょうか。
T島　完璧な回答をありがとうございます。実は、私には一番好きなアイアンシャフトってのがあります。それが日本シャフトのN.S.PRO モーダス120なんです。もうコレ入れておけば間違いないと思っています。でも、もうすぐT島も62歳、重さ的にモーダス120はちょっと厳しい。
野倉　豆知識ですけどモーダスシリーズは105、115、120、125、130とありますが、実際の重さは「105→106.5g」「115→118.5g」「120→114g」「125→128.5g」「130→124g」（全てSでの比較）となっています。
T島　はい。さらにそれぞれ特性も違うのでご注意いただきたいですね。ちなみに同じシリーズでも、フレックスが変わると特性も変わります。以上モーダス豆知識でした。

野倉　豆知識はこのくらいにして、最近のT島さんはモーダス120のSが厳しいということですね。
T島　うん。細かいことを言うと、俺の標準アイアンシャフトはモーダス120の番手ずらし、ソフトステップと呼ばれる4番用に5番のヘッド、とずらして入れるのが標準です。
野倉　“番手ずらし”は重さも少し軽くできますし、面白いですよね。
T島　残念ながらメーカーさんの吊るしでは手に入らないのですわ。
野倉　そうですね。T島さんのフィッティングに話を戻すと、80gから100gオーバーのアイアン用カーボンシャフトからフィッティングしてみました。100gオーバーだと、モーダス120との差があまりないんですけど、T島さんは山梨とか長野の高原でゴルフをするらしく、寒いとスチールしんどい！ と言うことですよね？
T島　重さもそうなのだけど、ヒジとかすぐに痛めちゃう。最初にスチールからカーボンに変えたのはヒジ痛が原因だったのです。
野倉　カーボンのほうが、インパクト時の衝撃を緩和してくれます。これ大事です！シニアツアーでも同じような理由で重めのカーボンが人気だったりします。

T島　でも、この重量帯のカーボンシャフトって、ほぼ100%の確率で純正シャフトにはないんです。選択できない！！どういうことだ！！！と暴れたい。
野倉　ピンにかろうじて77gがあるぐらいですかね？
T島　そうだねぇ。
野倉　T島さんの年齢、ヘッドスピードから考えると、もう少し軽くても良いと思うんですけど。
T島　どうしても軽くなると手を使っちゃうんです。技術がないので重めのほうが……
野倉　重いシャフトのほうが安定していましたものね。でも60g、70gとかでも良いと思うんですけど。

T島　はい。最終的に絞られてきたのが、デザインチューニングAIMIX80（S）、フジクラのダイヤモンドスピーダー8（R）、トラビル105（S）、USTマミヤのリコイルDARTS105（S）でしたね。
野倉　面白いのがデザインチューニングAIMIX80（S）、フジクラ　ダイヤモンドスピーダー8（R）、この2つは手元のしなり感がありながら、張りというかスピード感があるんですよね。重さ的にもこちらが良いと思うんですけど。
T島　デザインチューニングAIMIX80（S）は、スリクソン ZX5 MkⅡに入れて使っていたんですわ。ボールが気持ちよく上がる。
野倉　T島さんのエースアイアンでしたよね。
T島　フジクラのダイヤモンドスピーダー8（R）もそうだね。これも振り抜きが気持ちいいんですよ。ちと高級ですけど。
野倉　そうですね。トラビルはPXGに入れていましたね。
T島　はい、これまた好きなシャフトです。

野倉　T島さんの性格からすると、使ったことのないダイヤモンドスピーダー8かリコイルDARTS105って感じですかね。でもトラビル105とリコイルDARTS105という、この100gオーバーと80g台の2つではかなり性格が違いませんか？
T島　そう。スピード感とか振り抜きの良さはないです。良い意味で、しなやかというか、ドローンというか、粘る感じが出てきます。
野倉　それが好きなんですね。あっ！そう言えば、T島さんはフェアウェイウッドとユーティリティにUSTマミヤのLIN-Qを入れているから”つながる”んですね！
T島　そうそう。その緩いというかズーンって感じのフィーリングが近い。
野倉　セッティングのUSTマミヤ率が上がりますね
T島　ホントは一社に集中したくないんだけど・・リコイルDARTSは80、90、105とあるんだけど、80、90は張りというかやっぱりスピード感がある。105のダラーっというかズーンって感じが好き。

野倉　同じもモデルでも重さが変わるとで振り感がかなり変わりますよね。
T島　そういえば、ゴルフ仲間のゴルフスイング物理学の小澤康祐さんが面白いこと言ってたよ。“フィッティングはやっぱり数が大事です”って。
野倉　数って試打シャフトの本数ってことですか？
T島　そうだね。同じモデルでも重さ、硬さが違えば“えっ同じシャフト？”ってなることが多いので、試打シャフトの本数が豊富じゃないと、細かく詰められないということだそうです。
野倉　へぇ……たしかに私も大蔵ゴルフスタジオに来てそう思いました。でも振り感で言うと、全部ダイヤモンドスピーダーで揃えたくなるし、今の流れだとリコイルDARTSということかな？
T島　そうだね。えーっとまとめますよ。アイアン用カーボンシャフトですが、どこか痛めたことある人、ヒジ、腰、首とかですね。冬になると不安でしょ？アイアンもカーボン化がオススメです。

野倉　そして、残念ながら吊るしでは重めのカーボンシャフトが選べませんから、リシャフトが必要となります。同じモデルでも重さや硬さが変わると振り感自体も変わります。
T島　想像じゃなくてちゃんと目当てのモデルを試打して決めたいよね。
野倉　はい。とりあえずカーボンシャフトの打感を体験してほしいです。
T島　試打シャフトの豊富な大蔵ゴルフスタジオでお待ちしております。

T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な（笑）、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。