ルヴァンカップ決勝直前!歴代ニューヒーロー賞受賞者が決勝戦の展望や当時の裏話を語る

スポーツナビ

大会の歴史に名を刻んだ3人。彼らがプレーした決勝の景色とは

安田「2007年のルヴァンカップ決勝、国立競技場で川崎フロンターレとガンバ大阪の試合でしたね。1-0で勝って、そのゴールがプロ初ゴールやったんですよ。川島永嗣さん(現・ジュビロ磐田)から決めて。だからニューヒーロー賞とMVPですね」

坪井「(田中)達也と同じパターンだ」

安田「国立競技場で昼の試合でしたけど、『今日やれそうやな』という気が満々だったんですよ。よくスポーツ選手がゾーンに入るというじゃないですか。そういう感じの試合でした」

坪井「初めての決勝は2002年に鹿島アントラーズとの対戦で、浦和レッズの初タイトルが懸かっていて、監督が(ハンス)オフトで、レッズが変わっていこうという時代。サポーターも選手も初めての決勝。選手もそうだし、サポーターも初めての決勝だから国立にすごく人が来たんだけど、みんなが浮き足だっていた。そこで初タイトルが獲れなくて。そのときの鹿島って勝つ集団みたいなものが出来上がっていて」

鈴木「決勝に慣れているしね」

坪井「僕の同世代も(小笠原)満男、モト(本山雅志)、(中田)浩二、ソガ(曽ヶ端準)、みんな優勝とか慣れているメンバーで余裕なわけ。結局最後に満男の枠を外れているシュートが井原(正巳)さんに当たって枠に入ってゴールっていう」

安田「結構、不運な形で」

坪井「そう。それで幕切れで、結局勝てなかった。でもドラマがあって、次の年、2003年も決勝に行って、相手が鹿島だった。2年連続で浦和対鹿島。国立はまた真っ赤っか」

安田「でも2年目だから浮き足だってないですよね」

坪井「2年目だからすごく成長していて、みんな地に足がついてるの。いい準備をして2003年に臨んで、その試合は4-0。その2年間の思い出は、1年目に獲れなくて次の2年目で獲ったというチームの成長を感じられたいい時期だったのもあるけど、結局、福田正博さんに優勝させたかったんだよね。ずっとレッズのために一筋でやっていたんだけど、1回も優勝してない。最後のチャンスが2002年だったんだけど、選手たちはそれで優勝できなくて悔しくて、次の年に『福田さん、やったよ!』って」

安田「ドラマがありますね」

坪井「で、『福田さん、やったよ!』って思ったけど、フクさん的には『去年やれよ』っていう感じがあったみたい(笑)」

※鈴木隆行氏の決勝裏話は、Jリーグの公式YouTubeチャンネルをご覧ください!
 彼らのように決勝で活躍するのは誰なのか。3人に決勝で活躍しそうな注目選手、MVPを受賞しそうな選手について語ってもらった。

安田「決勝でMVPとなると…」

坪井「得点を取る選手にはなってくるよね」

鈴木「基本的には攻撃の選手が獲ることが多いよね」

坪井「あとは競った試合でのGK、もしくはセットプレーでゴール」

安田「永井謙佑。リーグでも調子がいいですし、あのスピードは武器なので」

鈴木「つないでくる新潟に対してカウンターが効く可能性は高いよね。つないでいくということはみんなが相手陣地に入っていくからね。そうなると裏が空く」

安田「新潟はGKからもつなぐので、かっさらってショートカウンターとかもあると思う。逆に新潟はベテランとしてチームを引っ張っている小野裕二とか」

坪井「いいね」

安田「未だに新潟では群を抜くテクニック、フィニッシュに絡んでいける選手なので」

坪井「新潟もつなぎ倒していく可能性があるからね。そのまま勢いに乗って。俺はだから谷口(海斗)」

リーグ戦ですでに10ゴールをあげている谷口海斗 【©️J.LEAGUE】

安田「点を取りますもんね」

坪井「すごいシュートを決めるから。えぐいシュートを決める。角度のないところから急に打ったり。四中工(四日市中央工業高校)の後輩だから。ちょっとそれもある」
 彼らが挙げた選手の他にも、たとえば名古屋の吉田温紀。ニューヒーロー賞の対象である21歳は、主にDFとしてプレーしながら23日に行われたJ1第35節・G大阪戦では途中出場でセットプレーからゴールを決めた。ニューヒーロー賞の受賞こそ逃してしまったが、決勝でもセットプレーからゴールを決めれば、坪井氏が言うようにMVPの可能性もある。彼のような若い力にも注目だ。

今シーズン出場時間を増やし、ルヴァンカップでも2試合に先発した吉田温紀 【©️J.LEAGUE】

 堅守の名古屋が3年ぶり2度目の優勝を果たすのか、それとも魅力的な攻撃を展開する新潟がクラブ史上初タイトルを獲得するのか。2024年JリーグYBCルヴァンカップ決勝 名古屋グランパスvsアルビレックス新潟は、11月2日(土)13時5分に国立競技場でキックオフされる。

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント