大型ヘッドとのコンビネーション抜群!打点がブレても当たり負けない藤倉コンポジット『スピーダー NX バイオレット』

GEW(月刊ゴルフ用品界)

【『スピーダー NX』のニューモデル『バイオレット』】

藤倉コンポジットから、人気シリーズ『スピーダー NX』のニューモデル『バイオレット』がローンチされた。女子ツアーで支持された『ブルー』(初代)の後継モデルとなる。今回は60・X、60・S、50・X、50・S、40・Sの5スペックを常住充隆プロが打ち比べた。

まずは動画で

しっかり感が備わって球がつかまり過ぎない

(試打スペック/60・X)
常住 第一印象は、けっこうしっかりしてますね。初代『ブルー』の感触に比べて、切り返しが非常にしやすいのとインパクト手前の粘り感と走り感がスムーズでした。とはいえ『バイオレット』には、イヤな走り感がありません。なので「しっかり」っていう言葉になりましたが、前作(初代)より剛性が増してる感じがします。最後にややフェードする球が出て、スピン量が2384回転、打ち出し角が13・8度と“高さが出ながらロースピン”という弾道になりました。HSが50 m/s以上の人にオススメですね。普段は「70・X」とか「70・S」を使う人が、ワンスペック落としてこの「60・X」にすると、パフォーマンスがより引き出せる印象がありました。

リキまずに切り返すとタイミングが取りやすい

【『スピーダー NX』のニューモデル『バイオレット』】

(試打スペック/60・S)
常住 「60・X」に比べると、明らかに動きます。切り返しで“間”を取るように打つと、このシャフトの性能が生かされてタイミングが抜群に合いやすく、打ちやすいですね。とくにスピン量が1722回転と予想以上にロースピンでしたが、打ち出し角が14・1度と高打ち出しですので、エネルギー効率に優れるシャフトといえます。

打点をトウ側に外しても右にすっぽ抜けない

(試打スペック/50・X)
常住 けっこうトウ側でヒットしたんですけど『バイオレット』って、とにかく当たり負けません。打点をトウ側へ外すと右に抜ける球が出るシャフトがありますが、これはしっかりと当たり負けずに球をつかまえていった手ごたえ。「50・X」とは思えないくらいしっかり感があり、HSが50 m/sを超える人も十分いけるんじゃないでしょうか。しっかり振るゴルファー向けと言えます。『バイオレット』全体に言えますが、剛性が手元も先も非常に強くなった印象があるので、インパクトで合わせないことが肝心ですね。

シャフトが“間”を作って球をつかまえてくれる

【SPEEDER NX バイオレット(50S)の試打DATA】

(試打スペック/50・S)
常住 アベレージゴルファーが数多く使う「50・S」なのでHS42~43 m/sで打ちましたが、いい球が出ました。シャフトが勝手に切り返しの“間”を作ってくれて、勝手にボールをつかまえてくれるオートマチックな動きをします。インパクトで「バン!」と強く叩く感じではなく、スイングの途中にインパクトがあるイメージでフィニッシュまでいくと、心地いい振り感になるシャフトだと思います。打ち出し角が13・8度としっかり出たし、240ヤードくらい飛びました。この「50・S」はそこまでのハードさはないので、いま50g台を使っている人も十分に打ちこなせるでしょう。

軽くてもしっかりして一気に振り切れる

(試打スペック/40・S)
常住 HSが40 m/sで、軽いドローボールが出ました。40g台でもけっこうしっかり打てるので、振り切れない人が振り切りやすいシャフトというイメージです。インパクトで合わせたり当てにいく人やインパクトが強い人、体重が右に残ってしまう人も『バイオレット』の「40・S」なら一気に振り切れてしまうでしょう。ややつかまり感があるので、スインガーでなかなか球がつかまらない人にもいいシャフトだと思います。

総括

常住 シャフトのコスメがまさに紫(バイオレット)で、落ち着いた感じがする“大人のカラーリング”ですね。今回は40g台から60g台まで打ちましたが、全体的にしっかり振り切れてボールが飛びました。そして、どのスペックも軽いドローのイメージで打ちましたが、トウヒットしたときのヘッドのブレ感がホントに少ないんです。他のシャフトでは、トウ側に外すと当たり負けして(フェースが開いて)右にすっ飛んでいくような弾道が出たりしますが『バイオレット』にはそれがありませんでした。大慣性モーメントのヘッドとの相性も抜群ですね。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1978年2月創刊のゴルフ産業専門誌「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行。2000年5月から影響力のあるコアゴルファーを対象にネット情報を発信するウエブサイト「GEW」を立ち上げた。各種業界団体と連携、ゴルフ市場活性化への活動も推進中。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント