「しなる」「ねじれない」「当たる」を叶えたシャフト 大型&高MOIヘッドの強みを生かして飛ばせる“新生・青マナ”

GEW(月刊ゴルフ用品界)

【『ディアマナBB』と5UNDERS GOLFの山田直知プロ】

シャフトブランド「ディアマナ」が、立ち上げから20年を迎えた。第6世代の第2弾モデルとなる『ディアマナBB』は“青マナ系”の最新作。そこでクラブと弾道の関係を長年研究しその分野に精通する5UNDERS GOLFの山田直知プロが、計測データを元にシャフトの特性を解き明かす。

ドローもフェードもOK 万人向きのシャフト(試打スペック/53・S)

【『ディアマナBB』】

山田 試打の率直な感想として、シャフトの動きにクセがありません。ナチュラルに振っても打点がブレなくて芯に当たるし、球が曲がらないんです。

【53S・弾道データ】

次にフェードを打ちましたが、イメージ通りのキレイな球筋です。球を左に出して右へ戻すフェードは、つかまり過ぎが怖いボールでもあります。でも『ディアマナBB』は、左へのトルク(ねじれ)によるムダなフェースターンが入らず、球が左に行きません。ドローも、狙い通りに打てました。

大型ヘッドはコントロールしづらいとか、インサイドからフェースが開いて下りると返りにくいと言われがち。このシャフトを挿すと、そんなことはありません。

【53S・ドロー】

また今どきの大型ヘッドは後ろ側が深くて重いため、インパクトの直前くらいから後ろ側が下がってアッパーブローになりやすいもの。アッパーブローが強すぎると、ソールの後方が地面にぶつかりやすいし、フェースの下側に当たりやすくなります。しかし『ディアマナBB』を挿すと、クラブパスがインサイド(5度)から入っても、アッパーブローが4.8度と許容範囲(5度以内)に収まっています。これが〝当たりやすさ〟の秘密だと思います。

シンプルな重量違いで軽さのメリットもある(試打スペック/43・S)

【43S・弾道データ】

山田 私は普段7・Xのシャフトを使っていますが、個人的にはこの「43・S」がとても振りやすいです! 通常は40g台のシャフトは〝ブニャブニャ〟に感じますが、今作はそれがありません。

私がフィッティングをする際、よくお客さんから「このシャフトが振りやすいので、10g軽くしてほしい」と言われますが、「振り心地が全く違う」となることが多いし、私もそう感じます。だけど今作の「53・S」と「43・S」は重量差は感じますが、シャフトのしなりや動きが同じと言っていいくらい。グリップを握ったときの太さが同じなことも大きいですね。

重量が軽いということはクラブが早く下りてくるので、ハンドレートに当ててインパクトロフトが寝やすく、高い球が打ちやすいんです。逆に、重いクラブは少し遅れて下りる分、ハンドファーストにロフトが立って当たりやすいので、低い球が打ちやすい。今作は重量違いでも振り心地を揃えているので、打ちたい球筋の観点からのスペック選びもしやすいでしょう。

フレックスがRでもトウヒットに負けない(試打スペック/53・R)

【3R・弾道データ】

山田 「53・R」は〝しなり・戻り〟でアッパーブローがやや強くなりました。本来なら〝しなり・戻り〟が強くなるとトルク=ねじれが強くなり、フェースが左を向いて当たりやすくなります。ただ今作のRは、〝しなり・戻り〟や走り感があるのに、ねじれが少なくて球が左に行かずストレートに近い弾道でした。

【53R・トウヒット】

【インパクト前後のフェース開閉度合いのデータ】

次に打点をトウ側に2㎝くらいずらして打ってみました。通常は当たり負けてフェースがかなり右を向いてしまうもの。ただ、ハイスピードカメラの映像と、インパクト前後のフェース開閉度合のグラフを見ると、フェースの開きがかなり少なく、通常の半分くらいに抑えられている感じ。このことから今作はRでも先端のトルクが締まっていて、しなるのに当たり負けないことがハッキリと分かりました。
最後に山田直知プロによる試打・解説を動画で観てもらいたい。
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著者プロフィール

1978年2月創刊のゴルフ産業専門誌「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行。2000年5月から影響力のあるコアゴルファーを対象にネット情報を発信するウエブサイト「GEW」を立ち上げた。各種業界団体と連携、ゴルフ市場活性化への活動も推進中。

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