脳疲労・肉体疲労・精神疲労、それぞれ意識したい成分は?医師が解説

MELOS -メロス-
夏の終わりの疲れを回復させるには、「睡眠」が何より大切。

脳疲労、肉体疲労、精神疲労ごとにおすすめの快眠成分を、脳神経内科医で医学博士の山下あきこ先生監修のもと紹介していきます。

【MELOS】

脳の疲労回復(※)には「グリシン」

グリシンは血管を拡張し、体温を調節することで、睡眠を促す効果があると言われています。脳疲労の回復に重要な成分のひとつで、不足すると不眠の原因になる可能性があります。

グリシンを多く含む食品は、エビ、カニ、ホタテ、牛すじ、鶏軟骨、豚足など。また、実はグリシンは、コンビニのおにぎりにも保存料として使われることがあります。

(※)脳の疲労回復とは睡眠の質の向上のことです。

肉体の疲労回復には「タウリン」

タウリンは、筋肉の回復を助け、疲労を解消する可能性のほか、肝機能の改善など、内臓の疲労回復もサポートすることがわかっています。

睡眠で疲れが取れない場合には、タウリンを含む魚介類(とくにイカやタコなど)を積極的に摂ることもおすすめです。

脳や神経を休めることに役立つと言われるグリシンのみでなく、筋肉などの臓器の細胞に作用することがわかっているタウリンも併せて摂ると、脳と身体への相乗的なアプローチが期待できます。

精神疲労なら「GABA(ギャバ)」や「タンパク質」など

興奮した神経を落ち着かせる「GABA(ギャバ)」
GABA(ギャバ)は「γ(ガンマ)-アミノ酪酸」というアミノ酸の一種で、もともと哺乳類の脳や脊髄に存在し、神経伝達物質としての役割を果たしています。活動時に優位になる交感神経を抑制する働きがあり、心理的なストレスを和らげてスムーズな眠りを促します。

穀物や野菜、果物に多く、発芽玄米やお茶、カカオ、トマト、キムチなどに含まれます。

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神経伝達物質を作る「タンパク質」
タンパク質を構成する成分のうち、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンなどの必須アミノ酸は、神経活動の伝達に必要不可欠な神経伝達物質を作ります。

トリプトファンは、幸せホルモン「セロトニン」の材料となる成分。セロトニンはノルアドレナリンやドーパミンの分泌の調整をしており、不足すると抑うつ状態や不安障害になりやすく、不眠などの睡眠障害との関連が示唆されています。

トリプトファンは乳製品や大豆製品、魚類、ナッツ類、バナナや卵、小麦胚芽などに多く含まれます。

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