【GPSウォッチレビュー】Garmin 「Enduro 3(エンデューロ 3)」

トレイルランナー JP

ブランド最長の320時間稼働で、トレイルランに最適な機能満載の最高峰GPSウォッチ

【写真提供:トレイルランナーJP】

アメリカ発、GPS機器のパイオニアGarmin(ガーミン)の「Enduro(エンデューロ)」シリーズは、ソーラー充電による最高クラスのバッテリー駆動時間と高性能パフォーマンス機能を備えた、ウルトラランなどに挑むアスリート向けのGPSウォッチです。今回紹介するのは、2022年にデビューした「Enduro 2」のアップデート版である「Enduro 3」です。

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まずはボティから見ていきます。よりクリアになって視認性が向上したサファイアレンズ付きケースのサイズは51x51x15.7mm、チタン製のベゼルはかなりスリムになりました。重量は前作の 「Enduro 2」が70gだったのに対して、63gと10%軽量化。アメリカ国防総省制定のミルスペック(MIL-STD-810)に準拠したタフネス性能を誇ります。側面上部には明るさを増したLEDフラッシュライトを内蔵しています。

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ストラップは軽量で伸縮性のある抗菌ウルトラ フィット 2 ナイロン ストラップ(26mm)。しなやかで程よくストレッチしてくれるためフィット感は抜群です。もちろんQuickFitウォッチバンドとの互換性があります。

より明るくなったLEDフラッシュライト。ランニングのピッチに合わせたストロボ機能やセーフティライトモード(赤色)も搭載。 【写真提供:トレイルランナーJP】

付属のチャージングケーブルは垂直に刺すタイプ。アダプタへの接続はType C仕様。 【写真提供:トレイルランナーJP】

操作は5つのボタンとタッチスクリーンで行います。タッチスクリーンは汗や雨で濡れても感度が落ちることなく、ストレスはありませんでした。

「Enduro 3」の一番の特徴は、高精度な測位とオフラインマップ表示、さらにコースを3D化して把握できるデータ表示を搭載しながら、ブランド最長のバッテリー駆動時間を実現している点です。

前作と比較したバッテリー駆動時間の目安は以下の通り。ロングレースでもバッテリーの心配をする必要はなくなります。

*ソーラー充電:1日中着用し、野外の50,000ルクスの条件下で1日3時間置いた場合。  **ソーラー充電:50,000ルクスの条件下で使用した場合 【画像提供:トレイルランナーJP】

衛星の測位はL1・L5の2周波数帯の信号を受信できるGNSSマルチバンドに対応。さらに、環境に応じて最適なGPSモードを自動的選択する、「SatIQ」という衛星自動選択モードも搭載。高い建物の近くや密林などでは精度の高いマルチバンドGNSSを、見晴らしの良い場所では低消費電力のGPSモードに切り替えて、バッテリー消費を抑えながら高精度の測位を行います。



ランニング中、トレーニングページに表示できるデータは多岐にわたります。時刻、経過時間、ペース、距離、心拍、高度、タイマーなどのベーシックな情報はもちろん、ランニングダイナミクスやスタミナなども表示できます。

トレーニングページ。左が8項目、右が6項目の表示列。 【写真提供:トレイルランナーJP】

マップ機能はもちろんオフラインマップに対応。マップは「日本詳細地形図 2500/25000」で、等高線や登山道はもちろん、危険な崖や岩などの注意マーク、山小屋などの建物情報も表示されます。ルートナビゲーション機能も充実していて、さまざまな情報を表示できます。例えば、経由地(レースなら、エイドや関門など)を設定しておけば、次の経由地までの距離や経由地のリストなども表示できます。また、次の曲がり角を教えてくれるターン・バイ・ターンやコース逸脱のアラートもついています。

(左)ルートナビゲーション中のマップ画面。(右)コースポイントを登録すればリストと距離も表示可能。 【写真提供:トレイルランナーJP】

また、トレイルランナーにとって嬉しいのは、あとどのくらい登るのかという立体的な情報を把握できる「ClimbPro」という機能です。ルートナビゲーション中は高度グラフが表示され、ルート全体の登り、下りを把握できますが、距離が長くなってくると、グラフが小さくなるのでイメージしにくくなってしまいます。そこで、登り区間をパートに分けて詳細を表示してくれるのが「ClimbPro」です。表示されるのは、登り本数、ピークまでの距離、ピークまでの標高、平均傾斜角度、勾配(赤点は現在地、カラーで勾配を表示)、昇降速度(時速)です。

(左)コース全体の高度グラフ。(右)「ClimbPro」によるパートごとの詳細図。 【写真提供:トレイルランナーJP】

実際にルートナビゲーションをしながら走ってみましたが、道に迷わないのはもちろん、コースを平面ではなく立体的にイメージできるため、ペース配分をしやすく、メンタル面でも安心感が得られました。これなら初めてのコースを走ってもコースをイメージしやすいと感じました。



今回のレビューの行動時間は5時間44分。測位の設定は「SatIQ」(衛星自動選択モード)、パワーセーブは標準、ルートナビゲーションも利用して、バッテリー消費は10%ほどでした。天候は晴れでしたが低山のトレイルランで樹林帯が中心のため、ソーラー充電にはあまり期待していなかったのですが、予想以上に発電してくれました。ソーラー充電は第3世代にアップデートし、発電効率が飛躍的に向上しています。

樹林帯でのトレイルランでは発電量は少ないが、少しずつ着実に仕事はしていた。 【画像提供:トレイルランナーJP】

その他、紹介したい便利な機能が「ダイナミックラウンドトリップ」です。走りたい距離と方向を指定するだけでウォッチがラウンドコースを三つ提案してくれ、そのままナビゲーションしてくれます。コースを外れてもルートを自動で調整してくれるので迷わずに走ることができます。トレイルランニングでは使用しないですが、知らない街でランニングする時などに便利な機能です。

「Enduro 3」の機能のすべてはここでは紹介しきれませんが、ある時はコーチとして、ある時はトレーナーとして、さらには体調管理まで、アスリートのトレーニングや生活全般をヘルプしてくれる機能が満載です。

睡眠モニタリング。睡眠スコアでは睡眠の質を数値で確認。 【画像提供:トレイルランナーJP】

もちろん、スマートウォッチとしての機能も充実していて、スマートフォンとの連携、音楽、決済など多くの機能があります。

Garminには「Enduro 3」と同日に発売されたフラッグシップ「fēnix 8(フェニックス 8)」シリーズがあります。しかし、トレイルランに必要な機能を比べると、「Enduro 3」と遜色はなく、バッテリー駆動時間は「Enduro 3」の方が長いため、トレイルランナーには「Enduro 3」がベストチョイスと言えます。

トレイルランナーのためのGPSウォッチと言っても過言ではない「Enduro 3」。最高峰の性能をぜひ体感してみてください。



※レビューした商品の裏側には“SOLAR”とプリントされていますが、日本版では“Dual Power”とプリントされます。

【写真提供:トレイルランナーJP】

Enduro 3(エンデューロ 3)
・サイズ:51 x 51 x 15.6 (mm)
・ディスプレイサイズ:直径1.4インチ
・解像度:280 x 280 ピクセル
・重量:63g(ケースのみ:57g)
・防水等級:10ATM(100m)
・内蔵メモリ/履歴:32GB
・電源:太陽光充電+USB充電
・衛星測位:GPS、BeiDou、GLONASS、Galileo、みちびき(補完信号)
・ライフログ機能:心拍数、呼吸数、Body Battery、睡眠スコア、フィットネス年齢、ストレス、消費カロリー、週間運動量、血中酸素トラッキングなど
・スポーツ機能:ランニング、トレイルラン、ウルトララン、サイクリング、トライアスロン、アドベンチャーレースなど100種類以上
・マップサービス:日本詳細地形図(DKGマップ)、世界のスキーマップ、ゴルフコース、世界11大陸の海外地図のダウンロード可能(無料)、日本詳細道路地図、日本登山地形図のダウンロード可能(別売り)
・スマート機能※:通知機能、Garmin PayおよびSuica、音楽再生(Spotify®、Amazon Music、LINE MUSICのストリーミング配信に対応)など ※スマートフォンとのペアリングが必要
・その他の機能:タッチスクリーン(オンオフ切り替え可能)、LEDフラッシュライト
・標準付属品:USB-Cチャージングケーブル(Type C)、製品保証書
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