【徹底解説】7Wと19°UT、どちらが飛ぶ?どちらを選ぶべき?ゴルフコーチがそのギモンに答えます!

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ゴルフコーチの吉本巧さんに、7番ウッドと19°のユーティリティはどちらが飛ぶのか、徹底解説していただきました。どちらを入れるべきか迷っているゴルファーの皆さん、ぜひ参考にしてみてください。

7Wはどんなクラブなのか?

吉本:ロフト角21°の7Wと19°のUT(3番)、それぞれカーボンシャフトのクラブを使って解説します。

まずは、7Wはフェアウェイウッドの中で1番下の番手という立ち位置になります。なので、フェアウェイウッドの中では一番シャフトが短く、ロフト角が一番大きくて寝ているクラブです。

シャフトが一番短いため、フェアウェイウッドの中で一番ミート率が高く、芯で打つ確率が高くなる。なので最も芯で当てやすく打ちやすいクラブになります。さらにロフト角が大きく寝ているので、インパクト時のロフト角も大きくなりやすいため、フェアウェイウッドの中で一番弾道が上がりやすいクラブです。

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吉本:一番シャフトが短くて芯で打ちやすいし、球も上がりやすいので、7Wはフェアウェイウッドの中でとても楽に打ちやすいクラブと言えるでしょう。さらに、フェアウェイからも使えるし、ティーアップしたティーショットでも使えます。あまり深くない浅めのラフで使えたり、傾斜の強くないところで使える。使える状況が多いのも特徴です。

フェアウェイウッドのティーショットはどちらでも誰でも使えますが、浅いラフや傾斜地になるとハードヒッター向けになります。だけど、ある程度ヘッドスピードがある人は浅いラフでも弱い傾斜地でも7Wは使えますね。これが3W/4W/5Wのフェアウェイウッドになると浅いラフや弱い傾斜地では打ちにくくなりますが、7Wだとはるかに地面から打ちやすくなります。

19°のUTはどんなクラブなのか?

吉本:19°のUTは3W相当です。10°台のロフト角のUTはユーティリティの中でちょっと難しめになります。

例えば16°/19°/22°/25°/28°のUTという感じでメーカーやモデルによってロフト角が違ったり前後することもあったり、合計5つあったりせずに4つだったりすることもありクラブの数は異なります。

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吉本:分かりやすく説明すると、10°台のロフト角のユーティリティと20°台のユーティリティを比較すると10°台のロフト角のユーティリティはとても難しいです。例えば、22°のロフト角のユーティリティと25°のロフト角のユーティリティを比べると3°の違いがあり、22°のロフト角のユーティリティの方が難しくなるんです。ロフトが立ってる方が弾道も上がりにくいし、シャフトが長いのでミート率も落ちるからです。同じように22°のユーティリティと19°のユーティリティを比べると、同じように3°違うんですけど25°から22°になる難しさよりも22°から19°になる方がより難しくなります。

10°台のロフト角のユーティリティは、地面から打つときにある程度のパワーがないと弾道が上がらないことがあります。特に16°とかになると結構ロフトが立っているので、ちゃんと芯で打ててある程度ヘッドスピードがありミート率が高くないと弾道が上がってくれません。

アマチュアゴルファーの皆さんが、6番アイアンは打てるけど5番アイアンになると急に当たらないとか、4番ウッドは当たるけど3番ウッドになると急に当たらないというのと同じで、22°は当たるけど19°になると急に当たらないということもよくあります。

7Wと19°のUTはどちらが飛ぶのか?

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吉本:では「7Wと19°のUTはどちらが飛ぶのか?」ということなんですけど、結論からいうとナイスショットした場合は飛距離はほぼ同じになります。

ロフト角でいうと7Wは21°で、UTは19°なので、7Wの方が2°寝ていて19°のUTの方が2°立っているから、普通に考えると19°のUTの方が飛ぶんじゃないかと思いますよね。ただ、シャフトの長さが7Wの方が19°のUTよりも長いんです。この長さはデータやシリーズによって違いはありますが、約1.5〜1.75インチくらい違って7Wの方が長くなります。

ロフト角でいうと19°のUTの方が2°立ってるけど、シャフトの長さが7Wの方が約1.5〜1.75インチ長いので、この2つの要素が相殺されてナイスショットした場合はほぼ同じ飛距離になる。つまり、ロフト角だけで考えてはいけないということなんです。

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吉本:ただ、7Wと19°のUTは飛距離が同じになるものの、キャリー&ランの割合が少し変わります。7Wは打ち出しの弾道が高く、キャリーが少し出て、ランが少なくなる一方で、19°のUTは打ち出しが7Wよりも低く、キャリーが7Wより短くてランが多く出ます。個人差はありますが、キャリーで5〜10ヤードの違いが出る。例えば、200ヤード飛ぶとすると、7Wだとキャリーで190ヤード飛んでランで10ヤード出るというイメージになり、19°のUTはキャリーで185ヤード飛んでランが15ヤード出るという感じです。

7Wと19°のUTはどちらを入れた方がいいのか?

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吉本:ヘッドの大きさはメーカーやシリーズによって変わるものの、7Wの方が20〜30cc大きいです。その分芯が大きくなって、打ちやすくなります。

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吉本:また、7Wの方が重心が深くなります。19°のUTと7Wを比較すると、7wの方が重心深度が深くなるのです。7Wの方が19°のUTよりも重心深度が長く深くなるので、その分インパクト時のロフト角が大きくなって弾道が上がりやすくなります。

重心深度が深ければ深いほどインパクトでヘッドが後ろに傾く度合いが強くなるので、インパクト時のロフト角が大きくなり弾道が上がりやすくなります。そうするとグリーンで止まりやすくなります。7Wの方がヘッドが大きくて芯が広く、さらに弾道が上がりやすくてグリーンで止まりやすくなるので、19°のUTと7Wを比較した場合7Wの方が楽なクラブと言えるでしょう。

さらに7Wの方がヘッドが大きくて重心深度が深いのでミスヒットにも強くなります。例えば芯で打つとヘッドの動きは少ないけど、少しトゥ側で打つとフェース面が開きやすくなったり、ヒール側で打つとフェース面が閉じやすくなる。この打点のミスヒットした時のブレが7Wの方が少ないんです。

同じ芯からミスした場合でも、19°のUTの方がたくさんヘッドが動いて、7Wの方が動きが少ない。この3つのポイントを踏まえた場合7Wの方が楽だと言えるのです。

ナイスショットすればほぼどちらも飛距離は同じになるけど、今スイングが安定してない人とか、弾道をあげるパワーがない人やちゃんと芯で打てない人の場合は、総合的にみると7Wの方がいいということになります。もしどちらがいいか悩んでる人がいれば、7Wを入れると良いでしょう。

もちろん、ユーティリティが得意な人であれば19°のUTを使うのもアリです。ご自身の得意・不得意なども考慮しながらどっちがいいか選んでみてください。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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