元賞金女王・上田桃子が熱弁!日本開催のPGAツアー大会「ZOZOチャンピオンシップ」の魅力とは?

北村収

PGAツアーに日本人選手が出場できる価値

米ツアーの優勝経験を持つ上田桃子プロが語る日本でPGAツアーが開催される意義とは? 【Photo by Yoshimasa Nakano/Getty Images】

――日本ツアーからも10名くらいの選手が出場しますが、日本の選手にとってPGAツアーに出場できることはどんな意味や価値があると思われますか?

 まず今季、ヨーロッパツアー(DPワールドツアー)で複数の日本人選手が優勝しました。そういう選手が出てきているのは、このPGAツアーの経験という部分がすごく大きいと思います。ZOZOチャンピオンシップの出場経験がある選手が、今年のヨーロッパツアーやLIVゴルフでなど海外での活躍につながっていると思います。
日本の選手でも海外のツアーで勝てるんだという結果が出れば、ゴルフを始めたいと思う子供が増えると思いますし、出場した日本人選手が活躍することによってチャンスだと思う選手がどんどん増えていると感じます。日本人選手にとってはPGAツアーを経験させてもらえることが、本当に大きいと思います。

――上田プロも米ツアーで2勝してますが、米ツアーで経験を積むということはご自身の経験でも貴重なものになっていますか?

 私もアメリカに行く前に日本で開催される米国LPGAツアーに出場し、海外の選手たちと試合をする経験を積みました。最初に出場した時には、自分でも意外とやれるんだと感じました。どんな経験でも何かを感じ取ることは大切で、その経験が自分の人生を変えた部分でもあったのですごく大きかったと思います。憧れの選手が各々いると思うんですけど、その選手を身近に感じられるという部分でも自信につながります。

――ZOZOチャンピオンシップは予選落ちがない試合ですがその面白さはありますか?

 予選落ちがないというのは観客にとって大きなメリットです。4日間通して好きな選手を見られるので、平日に観戦できない方でも週末に楽しむことができます。選手にとってもリラックスして初日からプレーに集中でき、よりアグレッシブに攻めることができます。

世界のトップ選手のプレーを間近で見て欲しい

――上田プロはPGAツアーで推しの選手はいらっしゃいますか?

 推しの選手はたくさんいますが、ショットメーカーが好きなので、ローリー・マキロイやトミー・フリートウッドが特に好きです。自分が調子を崩した時は、彼らの動画を見てヒントを得たり、どういう練習をしているのかをチェックしています。一番好きなのはゴルフを始めた時からタイガー・ウッズです!

――海外の男子プロも研究されるのですね。

 すごく参考にしています。PGAツアーの選手はパワーがすごくあるのに曲がらないということは、やはり効率的なスイングができている証拠です。基本的にパワーは下から上に伝達するものなのですが、どのように地面反力を使っているのか、地面反力を使うとどうしても下と上の動きがバラバラになりがちなのでそこをどのようにコントロールしているのかという部分をいつも参考にさせてもらっています。練習の仕方が一番参考になります。

――観戦する際はドライビングレンジを中心に観戦されるのですか?

 ドライビングレンジでの観戦が多いです。PGAツアーの選手は全員が素晴らしいので、いろいろな選手が行っている練習ドリルや、その方法が気になります。また、現地で初めて見る選手もいて、そのスイングの美しさや飛距離などを直接見るのはとても興味深いです。テレビでは感じられない迫力があるので、現地観戦はおすすめです。

――テレビよりも現地観戦の方がオススメなのですね。

 練習場に3回行くとかなりお金がかかるじゃないですか。3回練習に行くより、現地でトッププロのプレーを見た方がスキルアップにつながると思います。いいものを見るのはすごく大事なことですし、イメージを良くして練習に行くためにも、やはり現地で観戦してもらいたいなと思います。

ライブ観戦の迫力をさらに味わえる特別席もオススメ

――ZOZOチャンピオンシップはかなりローピングもタイトで選手から1〜2メートルの至近距離で観戦ができます。その魅力はいかがでしょうか?

 やはり近くで見ることで、選手たちの細かな動きや表情までよく見えるのが魅力です。選手と目が合ったり、ボールをもらえたりすることもありますし、その瞬間が思い出に残ります。ライブ観戦ならではの迫力と特別感は、現地でしか味わえないと思います。

――さらにより近くで観戦できる「フロントローシート」や「エキサイティングゾーン」という特別席もあります。

 ライブ観戦の魅力はやはり距離の近さです。トップ選手たちのプレーを間近で見られるのが何よりも魅力です。「フロントローシート」や「エキサイティングゾーン」では、その迫力をすごく感じることができます。せっかく見るなら、絶対近い方が良いですよ!

――最後に今年のZOZOチャンピオンシップの魅力を改めて話していただけますか?

 今年もまた熱い戦いが繰り広げられると思います。オリンピックなどでゴルフの魅力を感じた方々にも、ぜひ会場に足を運んでいただきたいですね。大会ではさまざまなブースが設けられ、女性ファンも多く、非常に楽しめるイベントになっています。コースレイアウトも観戦しやすく、都心からのアクセスも良いので、いろいろな方に来ていただきたいです。「とにかくおいでよ!」「来れば良さが分かるよ」と皆さんに伝えたいです。

上田桃子(うえだももこ)

1986年6月15日生まれ。日本ツアー17勝(うち日米共催大会で2勝)。2005年にプロテスト合格。2007年にツアー初優勝を飾ると年間5勝を挙げて賞金女王に輝く。2008年からは米ツアーに参戦した。2014年以降は日本ツアーを主戦場に活躍。2022年「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でツアー通算17勝目を挙げた。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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