「スクワット」と「デッドリフト」、どっちがいい?自分に合う筋トレを見極めるコツ

MELOS -メロス-
筋トレビッグ3と呼ばれる「スクワット」「デッドリフト」。

どちらも下半身をメインで強化します。

どちらも股関節と膝関節を屈伸させる複合関節動作で、日常生活で使う機能的動作(しゃがむ、立ち上がる、モノを持ち上げる)であることも共通しています。

「バーベルスクワット」と「バーベルデッドリフト」どちらをやるべきか
「バーベルスクワット」と「バーベルデッドリフト」、好きな方をやればいいと思われがちですが、実はその人によって「得意・不得意」があります。

それは、それぞれの「1RM(最大挙上重量)」で判断することができます。

※リンク先は外部サイトの場合があります

【MELOS】

スクワットの1RMが、デッドリフトの80~85%以内に収まっている=どちらでもOK

スクワットの1RMがデッドリフトの80~85%以内に収まっている人は、最適のバランスだと言えますのであまり心配することはありません。

スクワットの1RMがデッドリフトの80%以下=デッドリフト寄り

スクワットの1RMがデッドリフトのそれの80%以下なら、スクワットが弱すぎる(デッドリフト寄り)

スクワットの1RMがデッドリフトの85%以上=スクワット寄り

逆に85%以上ならデッドリフトが弱すぎる(スクワット寄り)

このことをポジティブに捉えて言い換えるならば、デッドリフト寄りならスクワットを向上させる筋力のポテンシャルがあるということ。

その逆もまた然りです。 

なぜこのような「得意・不得意」が出てくるのか

メインで使用する筋肉の違い
スクワットもデッドリフトも、下半身および体幹の筋肉を総動員する動作です。ただし、メインで使用する筋肉群には多少の差異があります。

スクワットでは臀部と大腿四頭筋、ふくらはぎなどを比較的多く使用しますが、デッドリフトではそれが背中、臀部、ハムストリングスになります。

これはかなり大雑把な分類ですが、これらの筋肉群のどこかに弱点(筋力、柔軟性、可動域など)があれば、それがそのまま動作の不得意に繋がっている可能性があるでしょう。
動作範囲と所要時間の違い
バーベルを上下させる距離は、スクワットの方がデッドリフトより長くなります。つまり、それだけ仕事量が多くなるわけです。

スクワットはしゃがみ込むときに息を吸って、立ち上がるときに息を吐きますが、デッドリフトでは一気に息を吐いて立ち上がります。

そのため、自然とスクワットの方がデッドリフトより1動作にかかる所要時間も長くなるでしょう。

スクワットは動作時間中に体を安定させるため、小さな筋肉群の筋力とバランス感覚が大切です。一方のデッドリフトは、それよりも爆発的なパワーがより大切になります。

体格、性別、年代の違い
前述した2つの理由と密接に関連しますが、背の高い人は一般的にスクワットが不得意です。

女性は男性に比べると瞬発力より持久力に長けている傾向があるので、デッドリフトが不得意になる場合が多いでしょう。

また、男女ともに年齢が上がると瞬発力が衰えていくので(持久力は比較的維持しやすい)、加齢もデッドリフトの不得意を招く要因になります。

苦手な種目を放置しておくと、その種目で鍛えられる「筋力・柔軟性・可動域」などが弱いままとなる

スクワットかデッドリフトのどちらかに偏っていると分かったら、その動作をより多く練習することが一番の弱点克服方法です。

しかし、どちらも負荷が非常に高い動作ですので、毎日行うわけにはいかないでしょう。

比較的負荷が軽く、それぞれの動作でよく使う筋肉を効率的に鍛える、たとえば以下のような種目を筋トレメニューに加えるとよいでしょう。

筆者プロフィール

角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text & Photo:角谷剛>
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポーツ×ライフスタイルWEBマガジン「MELOS -メロス-」では、ビジネス、健康、ビューティ、子育て、食、テクノロジーなど、生活にまつわるさまざまなテーマとスポーツの新たな形をコンテンツを通じて提案。アスリートや著名人などの単独インタビュー、体験レポート、ハウツーなど、オリジナルコンテンツをお届けしています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント