昼食後はなぜ眠くなるのか。原因は糖質?血糖値?3つの予防法を解説

MELOS -メロス-
 体を鍛えている筋トレ民も、細くなりたいダイエット民も、時には食べすぎ、飲みすぎることもあるでしょう。どうやったらリカバリーできるのか。ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・瀧川みなみさんに、よくあるギモンを聞いてみました。

 今回のテーマは、炭水化物(糖質)について。お昼ごはん後の眠気に悩む人は多いかと思いますが、原因は「糖質の多い食べ物を食べたから」というウワサは本当でしょうか。

【MELOS】

Q. ランチでお米やパン、パスタなどの糖質を食べると眠くなるのですが、なぜでしょうか?予防方法があれば教えてください。

A. 血糖値の急上昇が起きている可能性あり。食べ順やメニュー、食事にかける時間などを工夫しましょう。

 糖質摂取と眠気は関係があると言われています。そのメカニズムには、血糖値が関係してきます。食事から糖質を摂取したときに起こる、血糖値の変動から説明しましょう。

 食事をすると、食品中の糖質が分解・吸収され、グルコースという形で血液中に流れます。そうすると、血液中のグルコース濃度が高くなる、すなわち血糖値が上がります。血糖値が上がると、「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンの役割は血液中のグルコースを各細胞にとり込むのを助けることです。インスリンのはたらきによってグルコースが各細胞に運ばれ、やがて血糖値は低下していきます。

【MELOS】

 上記のプロセスのなかで、糖質量の高い食事や食べ方によっては、血糖値が急上昇してしまう場合があります。すると、急激に上がった血糖値を減らそうとインスリンが過剰に分泌され、血糖値が一気に下がってしまいます。その結果、脳のエネルギー源であるグルコースの供給が減り、頭がボーッとしたり眠気を感じたりするのです。

 糖質摂取によるランチ後の眠気でお困りのようあれば「血糖値の急上昇が起きないように食事する」ことに気をつけましょう。具体的には以下のポイントです。

・食事の順番を変える
・早食いせずゆっくりよく噛んで食べる
・GL値が低い食事を心がける

【1】食事の順番を変える
 食物繊維豊富な野菜などを先に食べることで、その後に摂る糖質の吸収を比較的ゆるやかにすることができます。

【2】ゆっくりよく噛んで食べる
 脳が「おなかいっぱい」と感じる満腹中枢が反応するまでには、食事開始から20〜30分かかると言われています。そこで、咀嚼(そしゃく)の回数を増やして満腹中枢が反応するまでゆっくり食事することで、食べすぎ防止につながり、結果として糖質の摂取を抑えられやすくなります。

【3】GL(グリセミックロード)値が低い食事を心がける
 GL値とは、1回の食事の中で摂取される炭水化物量から、血糖値の上昇率を数値で表したものです。GL値の高い食事をすると血糖値が上がりやすく、GL値が20以上のものは「高GL食品」と呼ばれます。

 ランチでよく食べることが多いメニューの中から、GL値の高いものをピックアップしてみました。

・中華麺(1袋) GL値43
・白ごはん(150g) GL値41
・パスタ(180g) GL値32
・うどん(1玉)    GL値32
・食パン(6枚切り1枚) GL値24
・そば(170g) GL値24
・ライ麦パン(1枚) GL値9

 これらを参考にして、上手に血糖値コントロールしていきましょう。

<Text:編集部>
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