スポーツ好きの女性は気をつけて!スポーツ貧血の原因と対策

ココカラネクスト
 長距離の持久走や水泳、サイクリングなどの運動や、激しいトレーニングを伴う運動をしている方は、貧血が起こりやすいということをご存じでしたか?貧血は放置するとさまざまな不調の原因になります。

今回はアスリートやスポーツ選手だけでなく、スポーツ好きの女性にも知っておいて欲しい「スポーツ貧血」についてお伝えします。

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激しい運動で起こる「スポーツ貧血」とは?

そもそも貧血とは、ヘモグロビン濃度が低下した状態で、鉄が不足することが主な原因です。激しい運動やトレーニングで起こる貧血は、「スポーツ貧血」ともいわれています。この原因や影響について詳しくみていきましょう。

スポーツ貧血の原因
スポーツ貧血で鉄が不足してしまう理由は以下のものが考えられています。(※1,2)
・運動後の消化管出血
・ランニング中などに足の底に衝撃が起こることで赤血球が壊れてしまう
・赤血球の代謝速度が速くなる
・汗や尿から鉄が排出される
・激しい運動により十分な食事がとれない

中でも女性は生理により鉄が損失するため、スポーツ貧血の頻度が高いともいわれています。

スポーツ貧血による影響
貧血で起こる症状には、
・動悸
・息切れ
・疲労感
・頭痛
・爪がもろくなる
ことなどが知られています。

激しい運動をしている場合、貧血の症状に気づかないこともあり、知らず知らずのうちにパフォーマンスやトレーニングの質を落としたり、記録の伸び悩みに影響したりすることも考えられます。
頭痛や疲労感などが続けば日常生活にも影響があるため、体調を整える意味でもスポーツ貧血の対策は大切です。

スポーツ貧血は血液検査でわかる
血液検査によるヘモグロビン値が、成人女性は12g/dl未満、成人男性は13g/dl未満の場合に貧血と診断されます。

健康診断でわかることもありますが、気になる自覚症状が続いたり、下まぶたの裏側が白っぽく見えるなどの貧血のサインがあったりする場合は受診するようにしましょう。

貧血対策の食事の工夫のコツ3つ

スポーツ貧血を予防するためには、まずは食事から鉄を十分に摂れるよう工夫してみましょう。

すでに貧血と診断されている場合は、鉄剤を処方されるなどの治療が行われることがありますが、食事の面からの対策も大切です。食事から工夫する3つのコツを紹介します。

1日3食バランスよく食べる
1日3食バランスよく食べることで、鉄や鉄の吸収を高めてくれる食材をまんべんなくとることができます。偏食や極端な食事の偏りがあると、鉄が不足しやすくなります。

毎食、主食+主菜+副菜がそろった食事を意識すると、自然とバランスが整います。主菜は肉や魚、大豆製品、卵から偏りに気をつけて取り入れ、さらに乳製品や果物もいただきましょう。
ヘム鉄が多く摂れる食材を取り入れる
鉄の中でもヘム鉄といわれるものは、非ヘム鉄に比べて吸収率が高く、効率的に鉄を摂ることができます。

ヘム鉄は動物性食品に、非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれます。

ヘム鉄
レバー、牛肉、いわし、カツオ、さば、まぐろ、あさり…など

非ヘム鉄
納豆、豆乳、小松菜、ほうれん草、焼きのり、きなこ…など

また非ヘム鉄は、ビタミンCや動物性タンパク質と組み合わせて摂ることで吸収率が高まります。以下の記事を参考に組み合わせも工夫してみましょう。
鉄の調理器具を使う
鉄鍋や鉄のフライパンを使って調理すると、鉄が溶けだして料理に鉄をプラスしてくれます。鉄が多い食材を使わなくても手軽に鉄を補給できるので、日常的に鉄を摂りたい方に役立つでしょう。

鉄のサプリメントもたくさんありますが、あくまでもサプリメントは補助的なもの。できる限り食事を工夫してみて、改善できないときに考えてみるようにしましょう。

貧血の対策をしっかりと行い、パフォーマンスアップだけでなく健康管理にも役立ててくださいね。

【参考・参照】
(※1) Institute of Medicine,“Dietary Reference Intakes for Vitamin A, Vitamin K, Arsenic, Boron, Chromium, Copper, Iodine, Iron, Manganese, Molybdenum, Nickel, Silicon, Vanadium, and Zinc”,Washington, DC: National Academy Press, 2001.
(※2)春日井 淳夫 小笠原 正志 伊藤 朗,運動が尿・汗・糞中鉄排泄および鉄出納に 及ぼす影響,体力科学 41,1992,530-539

[文:あすけん 管理栄養士 公開日:2021年11月22日]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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