春季キャンプで見たい! 期待の若手をチェック

春季キャンプで見たい期待のセ・リーグ若手投手7選 里崎智也&谷繁元信が気になる昨年、今年のドライチ投手

前田恵

高橋宏斗はいずれ中日のエースになる

最年少20歳でWBCメンバーに選出された高橋宏斗。今シーズンのブレイクは必至だ 【写真は共同】

――さて、2人目はいかがでしょうか?

谷繫 僕は中日の高橋宏斗投手ですね。

里崎 昨年、先発でずいぶん投げていましたね(注・19試合登板、6勝7敗、防御率2.47)。

――7月29日の広島戦で、8回一死までノーヒットノーランというピッチングもありました。

谷繁 結局、規定投球回数には達しなかったんですが、高卒2年目ながら、ある程度ローテーションで回りました。いずれはドラゴンズのエースになる素材だと思うので、彼が今季、さらにどれぐらい成長していくか。これは楽しみですよ。

――高橋投手のどういった点を、「エースになれそう」と評価していらっしゃるのですか?

谷繫 ボールの力もありますし、メンタル的にも強い。ピッチャーに不可欠な、攻撃的な面を備えた選手だと僕は感じています。

里崎 そこはピッチャー、大切ですよね。では、僕は阪神の2年目左腕・桐敷拓馬投手でいきます。

谷繫 ほほう、渋いところ来たね(笑)。

里崎 昨年、二軍でのピッチングがめちゃくちゃ良かったんですよ。

谷繁 序盤、一軍でも投げていたよね(注:一軍での成績は7試合に登板し3敗、防御率5.02)。

里崎 開幕からローテーションに入りましたが、5月からはほぼ二軍だったので、二軍までは僕も試合を追えなかったんですよね。でも数字を見ると、二軍での成績は、とにかくいい(注・13試合に登板し、6勝1敗、防御率0.72)。阪神はローテーションに左ピッチャーがほとんどいないので、そこに彼が入ってきたら、また一段と投手陣が良くなると思うんですよ。

谷繁 阪神は昨年、伊藤将司投手くらいしかローテーションに左がいなかったからなあ。

里崎 だから余計、桐敷投手が昨年の春からどれぐらい成長したのか見てみたいです。

堀田賢慎の潜在能力が花開くか

谷繫氏は昨年に続いて堀田賢慎を推す。昨年は一軍で2勝。今年はローテ入りが期待される 【写真は共同】

――谷繫さんの、3人目はいかがですか?

谷繫 3人目が難しいんですよねえ……。巨人の堀田賢慎投手ですかね。

里崎 右ヒジの手術のあと、いったん育成契約になって、また昨年支配下登録されたんでしたね。

谷繁 彼は非常に高い潜在能力を持っていると思うんですよ。一昨年は間に合わず、昨年やっと支配下登録されてプロ初勝利を挙げたんだけど、そこでちょっとした片鱗というか、力があるところを見せてくれた。それが今年花開くか、というところでね。

里崎 巨人は投手陣の再整備が一番の課題だから、そういう若手が出てこないとキツイですよね。

谷繁 先発投手陣がそれほど豊富ではないので、山﨑伊織投手、赤星優志投手、この堀田投手あたりが入ってきてくれて、戸郷翔征投手と一緒に若い力で投手陣を引っ張れるようになるといいんじゃないかなと思います。

里崎 僕の3人目、4人目は広島・黒原拓未投手、森翔平投手の両左腕ですね。昨年、即戦力の評価を受けてそれぞれ大学、社会人から入団しながら、思いどおりの結果には至らなかった(注:黒川=12試合0勝0敗、防御率6.52。森=8試合登板、先発2、1勝0敗、防御率1.89)。でも彼らが1年間経験を積んで、今年どこまで一軍の戦力として食い込んでいけるかがカープの上位進出には大事な要素となる。注目度は上がります。

谷繁 森投手は新人王候補にも名前が挙がっているよね。新井貴浩新監督の采配も見どころだね。

――読者アンケートでは中日の根尾昂投手がトップだったのですが、お2人からは名前が出ませんでしたね。

谷繫 う~ん、結局、先発でいくのか中継ぎでいくのか、そのポジションもまだ分からない。これからどういうピッチャーを目指していくのかが、僕個人的にまだ見えてこないんですよ。だから、コメントが出てこない。

里崎 (大阪桐蔭)高校時代に甲子園のスターだったから、名前もよくメディアに出る。存在自体はキャッチーだけど、プロではまだ光るものを見せてくれていないんですよ。それで、僕は名前を挙げませんでした。

谷繫 野手から投手に転向したことで、みんなが注目しているのは確かですけれども。今回投手として初めてのキャンプを送って、どんな方向性が見えてくるか。まずは、そこからだと思いますね。

(企画構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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