真夏のマイル重賞・関屋記念を展望する
【2022/3/19 中京10R 豊橋ステークス 1着 1番 ディヴィーナ】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
枠番別成績
■表2 【枠番別成績】
牡牝・年齢・所属別成績
■表3 【牡牝・年齢・所属別成績】
前走クラス別成績(前走は平地のみ)
■表4 【前走クラス別成績(前走は平地のみ)】
出走例、好走例が多いのは前走G1組と前走G3組。なお、前走G1組は後述する表5、前走G3組は表6の項でそれぞれ改めてデータを紹介する。次いで出走例が多いのは前走オープン特別組だが、好走率としてはもうひとつ。また、2019年に新設された格付けである前走リステッド競走組は、まだ好走例がない。なお、これらの組は合算して表7の項で別途データを見ていく。
前走3勝クラス組は出走例が最少ながら、好走率はなかなかのもの。ただし、好走した2頭のうち、16年1着のヤングマンパワーはすでに重賞を勝っていた馬で、前年の関屋記念でも3着。4歳夏のクラス再編で降級し、1600万下(現3勝クラス)を勝ってきたものの、いわゆる条件戦上がりの馬とは同一視しづらいところがある。同馬を除いた前走3勝クラス組の成績は【0.0.1.5】となり、強調するほどの数字ではない。
そのほか、前走G2組は好走例がない。ただし、該当する8頭中6頭は関屋記念で10番人気以下の評価にとどまっていたことは留意すべきか。ふたケタ人気馬の好走がないのは表1の項で述べた通りで、関屋記念で有力視されるような馬はあまり採用しないローテーションなのかもしれない。
前走G1出走馬の各種データ
■表5 【前走G1出走馬の各種データ】
前走G3出走馬の各種データ
■表6 【前走G3出走馬の各種データ】
前走オープン特別・リステッド競走出走馬の各種データ
■表7 【前走オープン特別・リステッド競走出走馬の各種データ】
【結論】
今年の関屋記念の登録馬は15頭で、フルゲート18頭に満たないため全馬が出走可能となっている。この15頭のなかから、今回のデータ分析における好走条件に多く合致する有力馬を紹介していきたい。
前走G1組は3頭がスタンバイ。そのG1で1〜5着に入っていれば関屋記念で有望な存在になるが、今年の3頭は該当せず。とはいえ、この組でもうひとつの有力なデータである「斤量今回減」には3頭とも当てはまり、特に牝馬のディヴィーナは見逃せない存在となる。もちろん、牡馬のイルーシヴパンサーとダノンザキッドの2頭にもチャンスはあるだろう。また、いずれも4歳馬という点もセールスポイントとなる。
前走G2組は2頭が該当。過去10年の関屋記念では好走がないものの、そもそも10番人気以下の評価にとどまる馬が多かったのも事実である。今年出走予定のスカイグルーヴとワールドバローズの前走はいずれも京王杯SCで、前者は2着、後者も4着と悪くない走りを見せており、データを覆して好走に結びつけたいところだ。
前走G3組は4頭。そして、この組でぜひとも満たしておきたい条件が、そのG3で1〜5番人気に推されていること。該当するのは京都金杯で2番人気だったピースワンパラディと、エプソムCで3番人気だったザダル。この2頭では、距離が今回短縮となるザダルをより重視したい。
前走オープン特別・リステッド競走組は、関屋記念であまり結果を出していない。狙うのであれば前走で1〜3着かつ1〜5番人気を満たす馬で、今年該当するのは米子Sで1番人気1着のウインカーネリアン。ここで3着以内に入ればサマーマイルシリーズ優勝の条件を満たすだけに、力の入る一戦となりそうだ。
前走3勝クラス組ではエンデュミオンとゴールデンシロップが出走を予定。この組に限ったことではないが、表1の項で述べた人気、表2の項で述べた枠で好条件が揃うようなら警戒はしておきたい。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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