ジャルジャルの起源はラグビー部 “おかっぱ頭”と“吉田栄作”運命の出会い【インタビュー・前編】
すぐにハマったラグビーの魅力
【写真:山本倫子】
後藤 コンタクトが非日常すぎて、普通に生活していてあの強度で人と人がバーンとぶつかることはないので、それを1回味わうと、めっちゃアドレナリンが出ます。もちろん「こわい」というのもあるんですけど、「うお〜っ!」っていうくらいの。それが病みつきになるかもしれませんね。
1年の最初、ルールもわからないままとりあえず練習試合に出たんですけど、うわーっと人が密集になる感じが、「なにこれ、なにこのスポーツ、楽しっ!」と思いました。
福徳 サッカーは小1から中3までやっていたんですが、「なんかしっくり来ない」というのがずっとあったんです。でも、ラグビーをやったときにむっちゃしっくり来て。「うわ、これか!」と思いました。
最初はセンター(CTB)やっていたんですが、比較的足が速かったので相手を結構抜けたんです。結局フルバックにタックルされてボールを落とすというのが定番だったんですけど、ホンマに「自分のアピールポイントできたわ!」という感じで。サッカーのときはこれが得意というのがなかったんですが、ラグビーで「俺、走るの得意なんや」と気づいて、むっちゃ楽しかったです。
――ラグビー部ならではの練習や印象に残っている練習はありますか?
福徳 当時は「追い込み」というのがありました。3年が2年に「最近、1年がたるんでるからシメとけ」と言って。で、2年が「わかりました」となって、1年が走らされます(笑)
後藤 学校の近くに坂があって、そこで長い距離のダッシュをずっとやる感じですね。途中、いくつかのポイントで先輩が見張っているという。
福徳 ふだん優しい人も竹刀を持っていて、めっちゃこわかったです。時間は30分くらいですかね、案外短いんですけど、いつ終わるかがわからないのがきつくて。常に100%で走らないといけないんです。
後藤 坂を下るときも手を抜けずにずーっとマックスで走り続けていました。
――ボールを使った練習で印象に残っているものはありますか?
福徳 サインプレーの練習は楽しかったです。コーチが「ループ」(ボールをパスした選手が、外に周り込んで再びパスを受けるプレー)をやれば絶対抜けるからと言っていて、実際に結構通用するので、よく練習しましたね。
後藤 2人のセンターがカラクロ(パスをしないで交差すること)して、その間からフルバックが出ていくヤツで大工大(現常翔学園高)を相手に抜けたことがありました。でもスローフォワードかなんかで笛を吹かれたんですけど。
福徳 あれはおもしろかったね。
後藤 ほかにもフォワードだけがしんどい練習がありました。モールを作って、バックス相手にグラウンドの縦の端から端までひたすら押し続けるヤツ。むちゃくちゃきついです。
福徳 フォワードがしんどくてバックスは楽だった印象があります。バックスは走るのは走るんですけど、基本的にパスの練習だけなので。春合宿は砂浜でやったんですけど、そこでもフォワードはきつそうでしたね。
――今聞いても次々と出てくるくらい、2人の中にラグビーが根付いているんですね。
後藤 それはありますね。試合のプレーですが、ナンバー8を1年間やらせてもらったときに、当時はスクラムでフッカーが掻いたボールを直で拾って、ブラインドサイドを突破するのをやっていたんです。そのときの「これ、相手気づいてないぞ」という緊張感とか、それが抜けたときの気持ちよさはたまらなかったですね。今でも覚えています。
(後編に続く)
ジャルジャル
【写真:山本倫子】