バルサ魂を受け継ぐ男、アラウホ

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世代交代の真っ只中にある現在のバルセロナにおいて、ロナルド・アラウホは急速に存在感を高めつつある若手選手の一人だ。

体躯に恵まれ、優れたプレービジョンも兼ね備えた長身センターバックは、対人守備と空中戦に絶対の強さを誇り、スピードや機動力にも長ける。それらの特徴は、他でもないアラウホが子供の頃から憧れてきたバルセロナの元主将、カルラス・プジョルを彷彿とさせる。

ウルグアイ北部の小さな町リベラで生まれ育ったアラウホは、プロ選手となる可能性を広げるべく、若くして首都モンテビデオに移住した。同国2部のCAレンティスタスでプロキャリアをスタートし、2017年には同1部のボストン・リーベルと契約。2018年夏に19歳でバルセロナ移籍を実現した頃には、U20ウルグアイ代表でキャプテンを務めていた。

加入当初はセグンダB(実質3部)に所属するBチームでバルセロナの守備システムやフィロソフィーを学んだ。元々サイドアタッカーだったプジョルと同様に、17歳までFWとしてプレーしていたアラウホは、Bチームで出場した42試合で6ゴールを記録。ピッチ外では同郷の先輩ルイス・スアレスのサポートを受けながら異国の環境に適応していった。

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2019年10月のセビージャ戦では、終盤に退場処分を受けるほろ苦いラ・リーガ・サンタンデールデビューを経験。初先発はパンデミックによる中断明けの2020年7月、4ー0で快勝したマジョルカ戦で果たした。

2020/21シーズンはジェラール・ピケやサミュエル・ウンティティの負傷離脱もあって多くのプレー機会を手にし、ファンの人気とチームメートの信頼を勝ち取っていった。昨年12月のバレンシア戦では、アクロバティックなシュートでラ・リーガ・サンタンデール初ゴールを決めた。このゴールはメッシの素晴らしいゴールを上回り、バルセロナの月間ベストゴールに選ばれている。

強靭なフィジカル、プレーを先読みできる判断力により、1対1で抜かれることはほとんどない。地元紙のインタビューでは、日々の練習でリオネル・メッシと対峙するようになって以来、他チームのFWに苦しむことはなくなったと冗談を言っていたくらいだ。

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落ち着いた性格で、敬虔なクリスチャンであるアラウホは、南米の伝統音楽クンビアを愛し、キーボードやオルガンを嗜む。トップチームに定着して以降はフットボールに集中し、空いた時間にはロナルド・クーマン監督とコーチ陣が作成したビデオでプレーの改善点を学んでいる。現在はシステムが4ー4ー2であれ3ー5ー2であれ、バルセロナのDFには必ず求められるパス出しの精度を高めるべく取り組んでいるという。

昨季は足首の負傷により一時戦列を離れたが、復帰後は再びクーマンの信頼を勝ち取り、4月には自身初のエル・クラシコで先発出場を果たした。エリック・ガルシアが加入し、レギュラー争いが激化した今季も好パフォーマンスを維持。第5節グラナダ戦ではチームを敗戦から救う土壇場の同点ゴールを決めている。

現時点では6度のラ・リーガ・サンタンデール制覇を誇る英雄プジョルはもちろん、4度のリーグ優勝を経験したクーマンの実績に追いつけるかどうかも分からない。だが少なくとも、アラウホがバルセロナ守備陣の要、そしてラ・リーガ・サンタンデールを代表するセンターバックとなりつつあることは確かだ。

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