エチケットリーダーってどんなことをすればいいの?

Gridge(グリッジ)

【(c)GAHAG】

コンペやセルフプレーで回る時、エチケットリーダーに指名されることがあります。
役割は自分も含めて同伴競技者の安全かつ迅速なプレーに責任を持つこと。
エチケットリーダーが優れていれば、同伴競技者はとても気持ちよくプレーできます。
いつ指名されてもいいように、すべきこととしてはいけないことを覚えておきましょう。

コンペでは何かと大変なエチケットリーダー

エチケットリーダーという慣習がいつ頃始まったのか、定かではありません。
おそらくゴルフがもっとも庶民の間で盛んになったバブル経済期、あらゆる企業が競ってコンペを開催していた頃かと思われます。
練習場にも行ったことのない初心者とか傍若無人な振る舞いをする高齢者プレーヤーとか、放っておくとコンペの進行を妨げる組が続出したことからエチケットリーダーといった慣習が生まれたのでしょう。
ちなみにコンペにおけるエチケットリーダーの役割は、同伴競技者の円滑なプレーに対する責任だけでなく、スコアカードの提出や同伴競技者、とくに接待対象者がいた場合の「おもてなし」など、雑用も多くあります。
むしろコンペ主催者にはそういった雑用のほうが大事かもしれませんね。
バブル経済期のゴルフはコースキャディさんと一緒に回るのが当たり前。キャディさんにとっては、プレーの進行が遅れたりエチケットを守らない同伴競技者がいると直接、本人ではなくエチケットリーダーに注意できるという側面もありました。
いやはや、コンペのエチケットリーダーとかく大変。コンペに参加した際はエチケットリーダーの労をねぎらってください。
この慣習、昭和の高度成長期とも考えられますが、この頃のゴルファーはコースの会員がほとんど、しかも会員同士の序列は暗黙の了解でもあったので、エチケットリーダー的役割は自然発生していました。
いかに、バブル経済期の日本のゴルフが乱れていたのかも推測できます。
日本独特の慣習と言えますが、その慣習がある以上は従うのがマナーでもあります。
同伴競技者が安全と迅速を守ることができれば、エチケットリーダーは何も務めをしなくていいのですから。

役割のデメリットよりもメリットを考える

仲間内の楽しいゴルフでも、セルフプレーで回る時、コースによってはスタート前に「エチケットリーダーはどなたですか?」と聞かれることがあります。
慣習としては、その組の中で最も経験が長い人やハンディキャップの少ない人が責務を担います。
また事前に決めない場合でも、コースを予約した人がエチケットリーダーとなるのが一般的。
もちろん、この慣習に従う必要はありません。
経験が長くてもハンディキャップが少なくても、エチケットリーダーに向いていない人はいっぱいいますから。
キャリアに関係なく、ルールに精通していて全体の気配りができる人のほうが適任です。
もし、仲間や諸先輩からエチケットリーダーを任せられた時は積極的に担当したほうがいいでしょう。
任されるのは、それだけ信頼されているという意味。担当したからといって自分のプレーが犠牲になることはありません。
むしろ、メリットのほうが多いでしょう。
たとえば、組全体の進行の流れを客観的に見ることができるのでプレー遅延の原因がわかり、それに対処する方法を考えることができます。
また事前にホールのOBや1ペナ(ペナルティ)ゾーン、池など、ボールを紛失しやすい場所をいつも以上にチェックするので、自分のホール攻略も組み立てやすくなります。
もちろん、つつがなく責務をこなせば同伴競技者からの信頼度がアップするのは言うまでもないこと。
臆せず、堂々とエチケットリーダーを務めてください。

エチケットリーダーはキャディじゃない!

エチケットリーダーがすべきことに『決まり』はありません。また何かをしないからといってペナルティが科せられることもありません。
プレーの進行をスムーズにするためだからと言って、クラブも持たずにボールのところへ行く同伴競技者へわざわざクラブを届ける必要もないし、砂袋を持って全員のディボット跡を直す必要もありません。
キャディさんが帯同していればキャディさんの役目とも言えますが、本来は自身が責任を持ってやるべきこと。
とはいえ、トラブルショットで時間がかかったり、自分のプレーに集中するあまりスロープレーになることは珍しいことではありません。
まずは同伴者全員の行動やプレーを見て、リスクが発生しそうな場面や競技者を見定めておきましょう。
たとえば、砂袋は常に自分が携行して他の競技者へ回すようにする、ショットがバラけそうな人の飛球方向を頻繁にチェックする、打ち急ぎたがる人には前のカートとの距離を教えて番手を確認する、ホールとホールの間はできるだけ急がせる、などなど。
その組の持つ特性に合わせて動くようにしましょう。

同伴競技者を楽しい気分にさせるのもエチケット

すべきことに『決まり』はなくても、してはいけないことに『決まり」はいくつもあります。
もっともしていけないのは、時間がかかる初心者に対して叱ったり、即席のラウンドレッスンを行うこと。
その初心者がダラダラとプレーしていれば別ですが、一生懸命取り組んでいたら叱るよりも残りの同伴競技者と協力して助けてあげましょう。
使わないクラブは持つ、バンカー跡を直す、ショットを打った後は走るように促すなど、助けながら教えてあげられることはいっぱいあります。
また、滅多にいませんがリーダーになったからといって高圧的な態度を取ることも厳禁。
時間を測ったり、ちょっと遅くなっただけで注意をするといった統率的な態度は反感を買うだけです。
スロープレーになったからといって、特定の人に責任を負わせるのもみっともない行為ですね。
せっかくの休日ゴルフ、同伴競技者を楽しい気分にさせるのもエチケットのひとつです。
エチケットリーダーを何回か経験すれば、きっと企業内や人間関係の改善にも役立ちますよ。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

『ゴルフの楽しさをすべての人に』をコンセプトにしたゴルフ情報サイト。 ビギナーゴルファーにも読みやすいマナーやルールの記事や女性ゴルファーに向けたレッスン記事など幅広い情報を発信中。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント