ガーミン弾道計測器「アプローチR10」を徹底検証

GEW(月刊ゴルフ用品界)

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世界屈指のGPS技術を有するガーミン。そのガーミンから8月20日、弾道計測器『アプローチR10』が発売される。ドップラー方式でありながら、価格は7万4800円。プロや上級者だけではなく、100切りゴルファーの練習アイテムとして活躍しそうだ。

その『アプローチR10』をイクメンマーケッターことクワッキー桑木野洋二が徹底的に検証する。

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先駆者らしい挑戦

8月5日の国内発表を前に、米国市場の情報を入手したゴルファーの間で話題沸騰だった『ガーミン アプローチR10』が、ついに8月20日から発売を開始した。一刻も早く体感したいゴルファーたちは、発表と同時にショップやECサイトの予約販売に殺到。当日の夜には「初回予約販売終了」の文字を目にすることとなった。

ウォッチ型GPS距離測定器『アプローチS62』で多くのゴルファーの心を掴んだ「ガーミン」。高額帯にも関わらず、その利便性と正確さが生み出すスマートなプレイスタイルは、レーザー距離計派のゴルファーさえ魅了した。そのGPS距離測定器の先駆者「ガーミン」が弾道測定器市場に本格参戦。しかもドップラー式で個人使用を前提に開発された挑戦的なプライスでの参入である。
 
税込み価格7万4800円と聞いた時、耳を疑った。新卒でクラブメーカーに勤務していた筆者は、開発用の弾道測定器は、ミサイルを追尾する軍事用技術を使っているから1000万円超えの貴重なものと刷り込まれていた。

それが10年前あたりから国産車並みの価格になり、ショップやプロ個人が持てるようになった。レッスンやフィッティングでは当たり前の光景になり、数字の見える化はゴルファーに浸透した。その後、多様な方法で新規参入もあり、ゴルファー個人での使用を視野に入れた商品も増えたが普及までには達していなかった。その中、ドップラー式で7万4800円と考えられない破格の参入である。

しかも測定可能データを簡略化しているわけでなく、前述の弾道測定器と遜色のない、ボールの弾道やクラブの挙動など20にも及ぶ多くの項目を簡単な操作で、瞬時に教えてくれる優れものなのだ。

ソフト面も充実していて、「ガーミンゴルフアプリ」を活用するとスイング動画も連動できる。さらに、今どきのサブスク利用で、GPS距離測定器で培った世界4万2000コースの情報を生かしたシミュレーションゴルフも楽しむことができる。日頃の練習場では『アプローチR10』のデータ計測でスキルアップ。ラウンドではウォッチ型のGPS距離測定器がカバーし、アプリで情報を共有。ゴルフの楽しみ方が無限に広がりそうでワクワクする。

今どきのドライバーよりも安い価格での新規参入は驚かされた。「ガーミン」の本気度が伝わるし、新たに「パーソナル弾道測定器」という魅力的な市場が成立した瞬間でもあると思う。巷間、弾道測定器が備え付けられた練習場が増えて人気を博しているが、さらにその先を行って、ゴルファーが個々に弾道測定器を持つ「一人一台」の時代であると『アプローチR10』は教えてくれた。
【桑木野洋二】
中央大学卒業後、本間ゴルフ、マルマンでマーケティングの責任者を歴任。ゴルフ業界における2大プレミアムブランド「MAJESTY」と「BERES」を支えてきた唯一のマーケッター。2018年、マーケティングの何でも屋「KUWANT」を設立。愛称はイクメン・マーケッター「くわっきー」。
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著者プロフィール

1978年2月創刊のゴルフ産業専門誌「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行。2000年5月から影響力のあるコアゴルファーを対象にネット情報を発信するウエブサイト「GEW」を立ち上げた。各種業界団体と連携、ゴルフ市場活性化への活動も推進中。

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