廣瀬俊朗コラム「トップリーグ2021の振り返り」

RUGGERS(ラガーズ)
チーム・協会

【廣瀬俊朗】

RUGGERSオリジナルコラム

筆:廣瀬俊朗
1981年生まれ、大阪府吹田市出身
元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU 代表取締役
NPO法人 Doooooooo 理事
スクラム・ジャパン・プログラムアンバサダー
 
 開幕が延期になったトップリーグであったが、無事に最後のシーズンを終えることができた。プレーオフのトーナメントでは、準々決勝でリコーがコロナの影響を受けて辞退になってしまったが、なんとか決勝戦まで終了できたことは良かったと言えるであろう。
 6月は日本代表の試合がスタートするが、そこに対する弾みもついた。ここから月末にはブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦も待ち受けているのでとてもワクワクする。
 シーズン終了後に色々な選手の移籍や退団が伝えられている。ボーデン・バレット選手やTJペレナラ選手はニュージーランドに戻る。マイケル・フーパー選手はオーストラリアに。もっと見たかったなー、という思いもあるが、彼らはまだ若い。いつかまた帰ってきてくれないかなと思う。
 日本で現役生活の最後を迎えたレジェンドのキアラン・リード選手。2019年のワールドカップでは、優勝できなかったが最後まで戦う姿を観て、身震いがした。そんな選手が日本で引退を迎える。日本を最後に選んでくれたことが嬉しかった。
 南アフリカ勢は、まだまだトップリーグでプレーする選手が多そうだ。今年は、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズが南アフリカに遠征するが、日本でプレーをしているマルコム・マークス選手やジェシー・クリエル選手などが、その試合でどういった活躍をするのか非常に楽しみである。

 トップリーグ自体は、当初1月に予定していた開幕がコロナの影響によって延期になり、接触スポーツは色々と難しいのかもしれないなと嫌な予感もあったが、開幕してからは大きな影響を受けることなくリーグ戦を進められて本当に良かった。これもひとえに、選手・関係者の皆さんの規律が保たれていたからだと思う。

 気になったチームを少しずつ触れたいと思う。

 個人的に注目していたキヤノンは、最初はなかなか結果が出なかった。お世話になった沢木さん(沢木敬介監督)と田村優のコンビでどんなチームを作っていくのかと楽しみにしていた。結果が出ずに苦しいなと感じていたら、第4節のヤマハ戦で自陣からどんどん展開して素晴らしい勝利を収めた。そこから勢いに乗っていった。
 近年力をつけてきたNTTコミュニケーションズは、今年も順当に強くなっていくかなと考えていたが、想像より力を出しきれなかった印象であった。重要な選手の怪我の影響もあったとは思うが、一枚岩になり切れていない印象であった。来シーズンはまた違う体制になるので、再構築であろう。
 クボタも近年力をつけてきたチームの一つ。元々フォワードのフィジカルは強いと言われていたチームだったが、バックスの展開力も出てきて、バランスの良いチームになった。トーナメントに入ってからのヤマハ戦、神戸製鋼戦は本当に素晴らしい試合をした。初めてのベスト4でトップリーグ最後のシーズンを終えた。キャプテンの立川ハル(立川理道選手)も相変わらず素晴らしいプレーをしていて、本当に嬉しい限りである。

 まだまだ触れたいチームはあるが、長くなってしまうので、続きは後編で書きたいと思う。
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著者プロフィール

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