ドラフト直前、各球団の「穴」を可視化 補強すべき年齢、ポジションは?

ベースボール・タイムズ

巨人:今年こそ新時代のスター候補を!

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21歳の捕手
穴:22-25歳の捕手

 原辰徳監督の復帰とともに、再び球界の盟主としての強さを取り戻した巨人。若手の台頭も目立ち、チームの年齢分布のバランスも良い。ソフトバンクほどではないが、ここに多くの育成選手が加わることで足りない部分を補完している。

 ただ、近年のドラフトでは下位指名の面々の成長ぶりが目立つ一方で、1位指名の選手がなかなか期待通りの働きを見せることができていない。くじ運の悪さはあるが、今年こそ「運」をつかみ取り、新時代のチームの顔となれるスター候補の獲得を実現させたい。また、捕手陣も現在は豊富な人材がそろうが、年齢分布的には25歳以下の捕手の数が足りていない。昨年は5位で山瀬慎之助を指名したが、今年も捕手は指名すべきだ。

中日:大島&平田の後継者を指名し、総合力アップへ!

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21歳の左投手
穴:19-21歳の捕手
穴:22-25歳の捕手
穴:22-25歳の内野手
穴:22-25歳の外野手

 8年ぶりのAクラス入りが確実となってきた中日。過去2年のドラフト会議で与田剛監督が自慢の“剛腕”で根尾昂、石川昂弥の逸材を引き当てるなど、チームが新たなサイクルに突入したのは間違いない。

 しかし、現在の年齢分布を見ると、決してバランスが良いとは言えず、特に22歳から25歳の層が薄い。2年連続で野手の1位が続いたため、今年のドラフトでは地元の投手を1位指名で確保し、その後の2位以下で大学、社会人の即戦力を複数指名してチームの総合力をアップさせたいところ。特に大島洋平、平田良介が30歳を超えた外野陣には、ぜひとも新たな人材を加えたい。そして高校生左腕と捕手も指名できれば、さらにバランスは良くなる。

阪神:多くの若手を指名してバランス修正を!

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21歳の左投手
穴:19-21歳の捕手
穴:22-25歳の捕手
穴:19-21歳の外野手
穴:22-25歳の外野手

 藤川球児の引退に続いて、福留孝介、能見篤史の退団が決定的となった阪神。ベテランがチームを去れば平均年齢は下がるが、年齢分布を見ると26歳から29歳の層に選手が集まっており、バランスは良くない。22歳から25歳の層では捕手と外野手、19歳から21歳の層では捕手、外野手に加えて左投手も不足。若手内野手も決して足りているとは言えない。

 このバランスの悪さは球団首脳陣も把握しており、昨年のドラフトでは西純矢、井上広大の1位、2位から計5人の高校生を一気に指名した。今年もその流れを踏襲しなければ意味がない。1位で佐藤輝明(近畿大)、もしくは牧秀悟(中央大)を獲得した後、昨年と同様に多くの高校生を指名したいところだ。

DeNA:将来へ向けて高校生野手の指名継続を!

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21歳の左投手
穴:22-25歳の捕手
穴:19-21歳の外野手

 12球団トップのチーム打率&本塁打数を誇りながらも、思うように貯金を増やせなかった今季の横浜DeNA。佐野恵太がブレークしたが、若手野手の数は不足している。不振やケガ人が多く出た投手陣に即戦力を加えたいところだが、将来的なことを考えると高校生の指名に重点を置くべき。

 昨年のドラフトでは、1位で地元出身・森敬斗の単独入札を筆頭に計4人の高校生を指名。今年も地元の有望株も含めた複数の高校生を、できれば左腕と外野手をチームに加えたい。また、年齢分布的には22歳から25歳の捕手が1人のみ。層を厚くするためにも、大学生や社会人からの捕手指名があってもいい。

広島:絶対必要な即戦力投手、高校生外野手も!

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21歳の左投手
穴:19-21歳の捕手
穴:19-21歳の外野手

 リーグ3連覇から2年連続のBクラスに沈みそうな広島。ブルペン陣の崩壊に主力の相次ぐ故障離脱が低迷の理由になるだろうが、ドラフトで即戦力投手を獲得することを第一に考えながらも、チームの年齢分布的には19歳から21歳の層が薄く、高校生の左投手、捕手、外野手も指名すべきだ。

 昨年のドラフトでは、森下暢仁の一本釣りに成功。その森下が期待通りの活躍を披露し、その他の指名バランスも良かった。今年も、即戦力と将来性の両方に目を向けながら、チームの穴を的確に埋めていきたい。その中で、鈴木誠也の後継者となり得るスケールの大きい高校生外野手は、ぜひとも指名すべきだ。

ヤクルト:即戦力が必要も、高校生に舵を切るべき!?

【ベースボール・タイムズ】

穴:19-21歳の左投手
穴:19-21歳の捕手
穴:22-25歳の捕手
穴:19-21歳の内野手

 高津臣吾新監督とともに新たなスタートを切った東京ヤクルトだが、課題の投手陣は整備されずに今季も下位に低迷。村上宗隆というスターは育ったが、チームの年齢分布バランスも悪く、左投手、捕手、外野手と穴が多い。また、小川泰弘、石山泰稚、山田哲人がFA権を取得したことで流出の危機もあり、チームは危機的状況だと言えるだろう。

 この状況下では即戦力投手の獲得が必至だが、ここ数年のドラフトを振り返ると、高校生ドラ1野手が成功する一方で、即戦力投手が期待に応えられていない。中途半端な指名になるよりは、思い切って高校生に舵(かじ)を切る手もある。神宮を舞台に戦う東京六大学のスター選手たちを候補に入れながらも、将来性のある高校生を重視。特に捕手は必ず指名すべきだ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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