モリナリのバンスを使ったやさしいアプローチ ゴルフレッスン〜トッププロの技から学ぶ〜

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【写真:ロイター/アフロ】

 フランシスコ・モリナリは、2018年に「全英オープン」で優勝し、初めてメジャーを制したイタリア人選手となりました。最先端のティーチングを取り入れるために複数のコーチを雇って心技体の改善を行い、30代後半でキャリアのピークを迎えています。

 今回はフランシスコ・モリナリのアプローチから正しいバンスの使い方を学びましょう。

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多少のミスはバンスがカバー

「アプローチはハンドファーストに構える」というレッスンを見聞きしたことがあるのではないでしょうか。実際にハンドファーストに構えるプロもいますが、PGAツアーではモリナリのようにシャフトを垂直に構えるプロが多くいます。このようなアプローチショットの特徴は、バンスを積極的に使っているということです。

 バンスを使うメリットとして、多少クラブが手前から入ってもバンスが滑るため、大きくダフることなくボールを拾うことができます。多少ダフってもバンスがミスをカバーしてくれるのです。ハンドファーストに構えるとバンスが地面に接地しないため、リーディングエッジでボールの手前の一点に狙い澄まして打つ必要があります。

ハンドファーストにせず、バンスを滑らせる

 アプローチでバンスを使うためのポイントは2点あります。

 1点目はアドレスです。モリナリの特徴としても挙げましたが、ハンドファーストではなくシャフトをほぼ垂直にして構えます。左太ももの内側にグリップをセットし、ボール位置は真ん中よりも少し目標側にします。この構えができることによって、バンスが地面に接地しやすくなります。

 2点目はクラブの裏側を意識してバンスを滑らせていくことです。アプローチが苦手な人は、「ボールを上げよう」「クリーンにボールをとらえよう」という意識が強く、フェースやリーディングエッジでボ―ルをとらえようとします。そのような意識を持っていると、バンスを使うことができません。バンスのあるクラブの裏面を意識し、裏面を地面に滑らせるイメージを持つことで、クラブヘッドが加速しながらボールをフェースに乗せることができます。裏面を使う意識を持つために、手をクラブに見立て、手の甲を机の上で滑らせてみてください。この時に軽く「トンッ」とテーブルに接地する音を出しながら、手の甲を滑らせてみましょう。イメージがつかめたら、同じようにクラブの裏面を意識しながら素振りをしてみてください。

 ヘッドが加速しているかを確認するために、フィニッシュでグリップエンドがおへそを向いているかチェックしてみましょう。グリップエンドの動きが少なく、ヘッドの運動量が多ければ、フォローでクラブが地面と平行のポジションの時に、グリップエンドはおへそを向きます。ハンドファーストのアプローチの場合は、グリップエンドの運動量とクラブヘッドの運動量がほぼ同等のため、グリップエンドは上を向いたままとなります。

 バンスを滑らせるアプローチは、ダフってもバンスが滑ってくれるため簡単に打つことができます。ドキドキしながら打点に集中してクラブヘッドを下ろすより、「大体こんなものかな」と手前からダフリながら打つほうがミスは減ります。スコアアップのために、やさしいアプローチの打ち方をマスターしましょう。

(監修:吉田洋一郎/ゴルフスイングコンサルタント)

■吉田洋一郎プロフィール
シングルプレーヤーを目標達成に導くゴルフスイングコンサルタント。世界で最も有名なゴルフインストラクター、デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回ゴルフ先進国アメリカやヨーロッパに渡り、PGAツアー選手を指導する一流インストラクターに直接学ぶなど、心技体のゴルフ最新理論に関する情報収集と研究活動を行っている。実際に教えを受けた著名ゴルフインストラクターの数は100名を超える。監修した書籍「ゴルフのきほん」は30,000部のロングセラー。ゴルフ雑誌、スポーツ新聞にて連載を3つ持ち、世界のゴルフティーチングに関する情報発信を行っている。公式サイト:http://hiroichiro.com/

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習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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