「あぐらで膝が下りない…」硬さのチェック方法と改善のためのストレッチ3つ

ヨガジャーナルオンライン

【Getty Image】

呼吸法や瞑想をする際、必ずと言っていいほどあぐらの姿勢になりますが、膝が上がってしまいその姿勢が辛いという方もいるのではないでしょうか?もしかしたら、体の硬さを克服すれば膝を床に下ろすことができるかもしれません。あぐらに必要な筋肉の状態をチェックする方法と、快適なあぐらの姿勢に導くためのストレッチについて紹介します。

結構多い?ヨガであぐらができずに悩む人

ヨガは一般的にさまざまなポーズを通して筋力や柔軟性を高めるものと解釈されがちですが、姿勢でもっとも大切にしたいのは「座法」です。そもそもポーズが生まれた理由も骨盤を立てて背骨をすっと伸ばし、呼吸が楽にできる、そんな快適な体の状態で瞑想をし続けられるようにするため。姿勢が崩れてしまえば呼吸も浅くなり、瞑想に集中することもできなくなります。座法には種類がありますが、そのほとんどが股関節を外側に開いた姿勢です。 

代表的な座法

●スカーサナ 安楽座(あぐら)
●パドマーサナ 蓮華座
●シッダーサナ 達人座
ヨガではこの座法を快適にできることが重要となります。頭が下がっていないか、背中が丸くなっていないか。骨盤が後ろに倒れ過ぎていないか、あるいは反り腰になっていないか、そして膝が上がったままで体を緊張させていないか…。ブロックやブランケットなど、プロップが置いてあるスタジオであればそれを使って姿勢を楽に保持することができますが、そうでない場所でヨガを行うとなると、本来快適でありたいはずの座法が非常に苦しいものとなってしまいます。また、たとえプロップがある場所であったとしても、それを使用することに恥ずかしさや劣等感を感じてしまい、使わずに無理して座法を行ってしまう人もいます。座法がやりにくくて悩む人は多く、筆者自身、指導の場でよく参加者の方から「どうすればあぐらで膝を下ろすことができますか?」という質問を受けます。 

あぐらに関わる筋肉3つ

股関節の柔軟性が乏しいとあぐらがやりにくい場合があります。股関節は球関節の構造により、屈曲、伸展、外転、外旋、内転、内旋という6つの動きがあり、広範囲に動くことが可能です。その中でもあぐらをかく際に必要になってくる作用は屈曲と外旋と外転です。その動きに関わる筋肉は以下の3つです。
●大腿筋膜張筋
●大臀筋
●中臀筋

これら3つは、すべて骨盤まわりの筋肉です。大臀筋、中臀筋はお尻にある筋肉で、一般的に股関節を開く作用(股関節の外旋)があると言われています。しかしながら、最近の研究により足を上げた状態(股関節の屈曲が90度)では、大臀筋、中臀筋は股関節を開く作用より、むしろ股関節を閉じる作用(股関節の内旋)のほうが強いということがわかりました。よって、大臀筋、中臀筋はあぐらの動作の際に股関節を開く作用(股関節の外旋)を制限する要因になるのです。つまり、お尻の筋肉が硬いとあぐらがやりにくいということになります。 

あぐらに必要な筋肉の硬さのチェック方法3つ

1.大腿筋膜張筋の硬さチェック方法
長座の姿勢になり、両肘を床につく。片脚を上げ、もう片方の脚を上げた脚の外側へスライドし、内転させる。この時、内転させた脚の膝が上げたほうの脚の骨盤の位置を越えていれば大腿筋膜張筋の柔軟性は十分。もし膝が骨盤の位置を越えられなければ硬いということになる。

1.大腿筋膜張筋の硬さチェック方法内転させた脚の膝が反対側の骨盤の位置を越えられるかを確認する 【Ruei Kimishima】

2.中臀筋の硬さチェック方法
1の時と同じように、両肘を床についた姿勢から片足の膝を曲げ、反対脚の外側へ倒す。伸ばしているほうの脚の膝のラインを反対脚の膝が越えていれば中臀筋の柔軟性は十分。もし越えられなければ硬いということになる。

2.中臀筋の硬さチェック方法伸ばした脚の膝のラインを、曲げた反対脚の膝が越えられるかを確認する  【Ruri Kimishima】

3.大臀筋の硬さチェック方法
仰向けになり、片方の脚の膝を曲げ、外側へ開く。この時、骨盤の位置と外側へ開いた膝の位置が同じライン上にあれば、大臀筋の柔軟性は十分。そうでなければ硬いということになる。

3.大臀筋の硬さチェック方法片足の膝を曲げ、外側へ開く。膝と骨盤が同ライン上にくるかどうかを確認する 【Ruri Kimishima】

あぐらのための硬さを解消するストレッチ1.大腿筋膜張筋のストレッチ

体全体を真横に向けて、上になっているほうの脚をクロスさせる。床についているほうの脚の大腿筋膜張筋がストレッチされる。反対側も行う。

大腿筋膜張筋のストレッチ体を真横に向けて、上になっているほうの脚をクロスさせ、床に面している大腿筋膜張筋をストレッチする 【Ruri Kimishima】

2.中臀筋のストレッチ

片方の脚を反対脚の上で交差させ、膝同士を上下に重ねるようにして座る。上になっている脚の側へ上体を少し倒して、下になっている脚の側の中臀筋をストレッチする。反対側も行う。

中臀筋のストレッチ両膝を重ね合わせて座り、上になっているほうの脚の側に体を倒し、下になっているほうの脚の側の中臀筋をストレッチする 【Ruri Kimishima】

3.大臀筋のストレッチ

手を後ろについて座り、立て膝にした脚の膝にもう片方の脚の外くるぶしをかける。かけたほうの脚の大臀筋がストレッチされる。反対側も行う。

大臀筋のストレッチ立て膝にした脚の膝にもう片方の脚の外くるぶしをかけ、かけているほうの大臀筋をストレッチする 【Ruri Kimishima】

ストレッチは無理なく行おう

今回は股関節まわりの筋肉の硬さであぐらができない場合のチェック方法とストレッチについて紹介しました。しかしながら、人によって股関節部で大腿骨と骨盤とが衝突を起こしてしまい、痛みや違和感が生じてしまう場合もあります。痛みや違和感を感じたままストレッチをし続ければケガへとつながってしまいますので、けっして無理のない範囲で行うようにしましょう。
今回は股関節まわりの筋肉の硬さによりあぐらができない場合のチェック方法とストレッチについて紹介しました。しかしながら、人によっては股関節部で大腿骨と骨盤とが衝突を起こしてしまい、痛みや違和感が生じてしまう場合もあります。痛みや違和感を感じたままストレッチをし続ければケガへとつながってしまいますので、必ず無理のない範囲で行うようにしましょう。
写真モデルおよび解説…小川達也先生
ヨガインストラクター(RYT500)/Rolf institute of strucrural integration 認定ロルファー™/柔道整復師 サッカークラブのトレーナーを経て、整形外科へ勤務。その後アメリカ、コロラド州にてロルファーの認定、インドSivananda Yoga Asham本部にてヨガを学びヨガ指導者となる。医療資格とヨガ、そしてロルフィングを組み合わせた心身両面の安定をコンセプトに浦和姿勢改善Labエクリエンスを設立。痛みの解消、姿勢改善、硬さを解消したい人に向けたプログラムを提供している。HP:https://urawa-shisei-kaizen.com
ライター/君嶋瑠里
2017年綿本彰氏に師事。2018年指導者養成講座を修了しヨガインストラクターになる。日常に活かせるヨガをテーマに実践中。現在ピラティス指導者資格のための勉強中。2018年日本ヨーガ瞑想協会講師登録。2019年全米ヨガアライアンスRYT200取得。ヨガスタジオ、ホットヨガスタジオ、スポーツクラブ、公共施設にて指導。
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著者プロフィール

世界のヨガ情報を発信するニュースメディア。ボディメイクに役立つポーズや不調を解消するメソッドのほか、ファッション、ヘルシーフード、ヨガを愛する著名人へのインタビューなど、ビューティ&ヘルス系の最旬トピックスを配信します。

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